~就活室便り~#61 DARK SIDE OF THE MOON
みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。先日、ダイビングを
始めた娘を朝集合場所に車で送って行くことになり、朝5時過ぎに家を
出ました。でも、そんな時間でも明るいんですよね。結局、ライトを
点けずに何事もなく済んでしまいましたが、季節の動きって、急です
よね。どうりで暖かくなるわけだ、と思いつつ毎朝通勤時間が暗かっ
た時のことがあまり思い出せなかったりします。とにかく朝明るいだ
けで気分がまるで違います。当分明るい朝を楽しみたいと思います。
さすがにこの季節、まだ半袖に衣替えしたりはしませんが、昼間袖を
まくっている時間が増えました。この昼間ちょっと腕をまくって、と
いう季節が一番過ごしやすい季節のような気がします。これ以上気温
が上がると気持ちよさより暑さが上回ってきますし、とにかく寒いの
は苦手です。こんな季節がいつまでも続けばいいな、とは思うのです
けど、実はすぐ暑くなってしまって、本当に短い間にいい季節って終
わってしまうんですよね。その短い快適な季節を十分に味わっておき
たいと思います。
季節はいいんですが、なんだかとにかく忙しいです。今回からTOKYO
テキスタイルスコープとPLUG IN、という2つの展示会のレポートを
お送りしたいのですが、結局、その2展示会も一日で回らなければなら
ず、しかも時間的にもかなりの制約の中動き回った、ということでな
んだかいろいろ苦労して回りました。その割に内容の濃い展示会だっ
たのでどこまでコンパクトに報告できるかちょっとわかりませんが、
早速レポートしていきたいと思います。
TOKYOテキスタイルスコープは、前身のジャパンクリエーションが
1998年のスタートですから、通算28年にもなる歴史ある展示会です。
各生地産地とアパレルとの結びつき、つながりもこの28年で強固に
なった面もあると思いますが、各産地が刺激しあい、競争もあり、
また産地どうしのコラボレーションも生まれたりと、その影響力は
やはり大きなものがあります。前身は有楽町の国際フォーラムにて
開催でしたが、名前含めてTOKYOテキスタイルスコープとして生ま
れ変わり、会場が浜松町の東京都立産業貿易センター浜松町館に変
わり、今回が3回目、以前の横に広い1フロアの展示会場から複数階
に分かれ、エスカレーターで上下する展示に変わりましたが、前回
のレポートに引き続き、やはり悪い予感が当たった、というか、展
示フロアが1フロア減っていました。世の中いい時もありますが悪い
時もあります。しかし、繊維産業は悪い時が多すぎる気がします。
会社の問題もあるでしょうし自治体の補助金の問題もあると思いま
すので一概には言えないことが多いですが、それにしても業界には
常に向かい風が吹いていることだけは間違いないです。
人の不幸を面白おかしく騒ぎ立てるニュース番組を見ていて腹立た
しい気分になることって結構多いです。最近では何でもかんでも値
上がりして生活者が困らないと気が済まないらしく、商品本体のコ
ストアップよりもやれビニールが高い、パックが高い、等とはやし
立て、いかにも物価高騰が必然のごとく大騒ぎして、それを抑制す
るための企業努力には全く触れず報道しているのはいかがなものか、
と、毎日思ってはいるのですが、エネルギー不足、石油関連不足が、
実生活にどれだけ不利益をもたらすのかということは結局報道され
ずじまいだったりします。
ちょっと、ここまで書いて、なんか暗い話が続いてしまいそうなの
で、会場の写真を少し入れておきますね。

トレンド・コンセプトのコーナーです。例年通りテーマは4つ、こ
ちらは「愛しのマシーン」、というテーマで、ポップなカラー、テ
クニカルな素材を紹介しています。
次にご紹介するテーマは「詩情派」、ポエティックなパステルカラ
ー、透け感、柔らかさがテーマとなっています。写真をどうぞ。

トランスペアレント、楊柳、シフォン、等優しい優しいイメージで
す。
次にご紹介するテーマは「旅人(異邦人)」、先ほどのテーマより
もっとこっくりとした、それでいて明るくパンチの効いたカラー
で構成されています。写真をご覧ください。

ジャガード、二重織、等、肉的にも厚手のものが増えてきます。
最後のくくりは「ガレージヴィンテージ」、きれい目でありながら
ぎゅっと抑えたカラーが特徴です。ノスタルジックでレトロな感
覚、アンティークな家具や古着をイメージさせる暖かみのある素材
感、色味の素材がそろっています。写真をどうぞ。

そんなコンセプトに基づいて参加各社で生地開発、色付けをして
いったものがまとめてINDEXコーナーに飾られているところが次
の写真です。

これがかなり大きいスペースをとって飾ってあるのですが、当然
それらすべての風合いはチェックして回ります。

このINDEXコーナーの隣に、What’s Netx Textileという、新素材
の人気投票のコーナーがあります。毎回各社の力の入った素材が
並ぶのですが、結構見本のみで量産を考えていない
作品が並んででいたりします。当然ショーなのでそれで何も悪い
ことはないのですが、今回はきちんと値段の入った商品でいいも
のが目立ちました。日本でデニムメーカーと言えばカイハラ、と
言われるくらい有名になったカイハラ社からは超軽量のデニムが
出展され、大好評でした。下の写真です。

入場者は一人3枚ずつシールをもらって良いと思う生地にポイン
トしていきます。シールの数でこの生地の人気ぶりがわかるかと
思います。
次にご紹介するのは株式会社STXのギャラクシーニット。決して
安いものではありませんが、十分に雰囲気は出ていると思います。
下の写真です。

次に藤本商店の15匁シルクジョーゼットをご紹介します。写真を
ご覧ください。

風合いがまた超絶で、いいな、とは思ったのですが、ただのシル
ク100%の織物でもなかなか既製服では使える値段にならないの
にそれが強撚の15匁、いくらするんだろう、と当然考えるのです
が値段が書いてないので、結局この作品には投票しませんでした。
残念ですが。
で、結局一番いいな、と思ったのは滋賀麻工業のリネンデニム、
という生地でした。写真をご覧ください。

シールの数もすごいですよね。麻の風合いそのままで見た目はデ
ニム、その表面感がまたかっこいいんですよ。後からまた紹介し
ていきますが、今回は結構麻素材にやられた、ていう感じのもの
が多かったです。これでメンズの夏の上下を作ったら、7,8万でで
きるかな、ていう感じで名のあるブランドが使ったらセットで10
万いっちゃうかなあ、っていう感じだと思うんですけど、うーん、
ほんとに商品化されたらやはり羨ましそうに遠くから眺めている
しかないですかね。なんか今回は本当に麻が欲しくてたまらなく
なる展示会でした。
というようなところがコンセプト展示の内容なのですが、そんな
展示を回りながら出展者、お客様の話を聞いていると、って、な
んか人の話を盗み聞きしているみたいですが、どこの展示会でも
どこの商談室でも周りから漏れ聞こえる話って、いつも重要で、
そんなところから情報を仕入れられるかどうかでその人の営業成
績ってたいてい決まります。情報は探しに行くより常に落ちてる
情報を拾っていったほうが早いし正確です。みなさんも就職され
たら自分が直接話している人からの情報は当然大事ですが、自分
の後ろで話をしている人たちからの情報ってものすごく意味があ
る、ということだけは覚えておいてください。人の声が聞こえて
こない人は結局、何をやるにしても仕事人としては難しいところ
があると思いますよ。
今回まず聞こえてきたのは、どこでも生機の引き取りが以上に速
い、ということでした。生地の生産でよく言われるのは、撚糸で
1か月、経成型で1か月、織で1か月、染色整理で1か月、合計4か月
が生産期間、ということです。ツイードやチェックのような先染め
といわれる織物は当然それだけ納期がかかるのですが、無地の場
合は撚糸から織までの工程を閑散期におわらせておき、あとは注
文が来た段階で染色整理をすればすぐ出荷できるようにしておく、
というのが生産のセオリーになっています。そうして染める前の
織りあがった状態の反物を生機、と言います。普通秋冬物の染色
整理は6月からのスタートが普通で、7~9月にピークを迎えます。
それが今引き取りのピークが来つつある、ということは、当然、
染色のための石油燃料、石油化学製品である染料、等この先確保、
値段などの懸念材料が多々あるものに対する対策を各社必死にし
ている、ということです。それでも市況、各展示会での評判、等
を総合的に判断して適時に適量を色付けしていくのと現在では見
込み要素の強い色出しでは当然精度に差があり、ジャストシーズ
ンに売れ筋の色、柄、素材が潤沢に確保できるかどうかは現時点
では判断することはできませんし、その時の素材の供給量も値段
も現在では誰も予想できないのです。ポリエステル、ナイロンは
石油精製品であるナフサを原料としています。国は、来年分まで
のナフサを確保している、とアナウンスしていますが、これは以
前の米の問題と一緒で、その確保量がきちんと流通するのか、値
段はどうなのか、という問題とは全く別です。いずれにしろ生地
自体は価格が上昇するのを抑えることはできそうにないです。コ
ストアップによる値上げはある程度致し方ない筈なのですが、と
ころがそううまくいかない現状もあるのです。
中国は外貨獲得のため、輸出産業に関しては金銭的な面をはじめ
として、手厚く保護をします。その政府のバックアップを受けて、
中国各企業は大量生産、大量販売を全産業で目指し、活発に活動
していました。ところが、最大貿易国であるアメリカや、ヨーロ
ッパとの仲が怪しくなるとともに輸出も減少、政府の補助金目立
てでの生産計画を組んでいるので在庫は積み上がり、あまたの企
業が操業停止となり、政府の発表以上に経済が縮小しているのが
現状だと思います。よくニュースでも電気自動車の墓場のような、
生産しただけで売り先のない車が大量に積みあがっている映像を
ご覧になった方も多いと思います。当然、そんな自動車メーカー
はとっくに廃業していて、貴重なレアアースを使った電池だけで
も回収できないか、と、素人目にも思ってしまいますが、完成品
ではない、素材の場合は、ちょっと事情が違います。
ポリエステルをはじめとした原糸を大量生産して輸出していた中
国企業が、実は結構倒産しています。その大量の在庫を、少しで
もお金に変えようと様々なブローカーや企業がアジア諸国中心に
大量に売りまくっています。要は倒産在庫ですから、もはや値が
ついて運賃が出ればいくらでもいい、というような価格で原糸は
世界を流通し、結局、コストアップ、人件費アップの値上げをし
ようとしてもあまりにも市場価格と乖離してしまい、結局値上げ
をすることが難しい状況が続いていて、日本の企業としては下手
に生産すれば生産するほど苦しい、というような状況が今後も続
く可能性があります。では、その中国の倒産品在庫がなくなれば
価格相場も元に戻るだろうと思われるのも当然です。以前、カシ
ミヤの糸の在庫がだぶつき、かなり安くなった時期がありました。
そのだぶついた在庫がなくなり、新規に生産するようになったら
一気に値段が倍以上になった、ということはありました。カシミ
ヤのような元から生産量の少ないものですら値段が元に戻るのに
長い年月を要したのに、大量生産の合繊と言ったら、ちょっとそ
の供給量は日本では考えられない量です。中国政府も石油化学製
品の生産調整の指導を開始しましたが、それが始まったのが去年
の10月からですから、その効果が出るのはまだまだ先、と見てお
かなければならないと思います。繊維に限らず、すべての産業、
すべてのエネルギー、すべてのものがもう世界全体を見なければ
語れない時代になってしまいました。一つの紛争、一つの海峡、
一つの地域の問題が全世界に影響を及ぼしてしまう現状を今、目
の当たりにしています。もはや自国だけが良ければいい、という
世の中ではなく、全世界はつながっていて、他国に迷惑をかけれ
ばそれがいつ自国に災いをもたらすかわからない、という世界に
なっている、と認識しなければ今後の経済活動は難しいと思いま
す。皆さんもどんどん世界に目を向けてください。そうしないと
自国だけ助かればいい、と思って行動していたら国がなくなって
いた、なんてことになるかもしれませんよ。
素材展、生地展とだいぶ話題がそれてしまいましたが、そんな会
話が各地で飛びあい、先行き心配な思いをさせる展示会風景でし
た。世界のそんな状況に対して、日本の繊維産業のとる道は、と
いえば、他の国で絶対にまねできないような、技術的にも意匠的
にも優れたものを発信し続けていくしかないと思います。途中で
お断りしたように今回は結構暗い話題になってしまいましたが、
実はそんなジャパン・オリジナルの、素晴らしい生地がたくさん
ありました。そんなブースを回って触りまくって、結構至福のひ
と時を過ごしたのですが、やはり今回の話題に一回触れないわけ
にはいきませんでした。楽しいレポートは次回にまとめてお送りし
たいと思います。
ではまた。
HANAZONO
スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac
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