~就活室便り~#40 Magical Mystery Tour Side B
みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。学校は夏休みに入ったんですが、
なんだかこちらはばたばたしてしまって、忙しい日々が続いています。なんか少し
落ち着いて仕事したいなあ、とも思うのですが、よく考えたら新卒で就職して以来、
暇だったことって1回もないんですよね。転職も何回かしていますが、次の会社に
移るまでのブランクもあったことがなく、前の会社を辞めた次の日からすぐ次の会社
で働いています。そしてどこでも時間的に余裕のあるポジションについたためしがなく、
とにかくいつでも走り回っているイメージですね。世間で俗にいう充電期間、という
やつが全くない、ということになるのですが、まあ別に充電しなくても結構行こうと
思えば行けるもんですよ。立ち止まって充電するよりは走り続けていれば何とかなる
もんです。Don’t Stop!といえばフリートウッド・マックの名曲で、今までが良くなく
たってこれからどんどんよくなるはずだから立ち止まらずに明日のことを考えましょう、
というような歌詞の内容なのですが、実は私生活での離婚、という辛い体験からポジ
ティブに立ち直る、という曲です。本当に立ち止まらず歩き続けて、走り続けていれば
大抵のことはなんとかなります。走りながら考えて、考えながら走りましょう。きっと
未来の方が良いに決まってますから。
アパレルの展示会廻りをするようになってからもう40年以上の年月が経過しました。
展示会名、出展社、出展内容、等々、まさに劇的に変化しました。変わらないのはその
時々でよく見えるものには必ずその時代に即した何かがある、ということです。ファッ
ションは何も世間から隔絶した芸術ではなく、その時々を最大に反映したビジネスです。
本校のオープンキャンパス時のデザイナー職の紹介の時に、「服を商品として考える」職業、
という説明があるのですが、私はこの言葉が大好きです。良いと思うデザインの服すべて
が売れるわけではありませんが、売れた服はすべてデザインの良い服だ、というのは真実
だと思います。講談社のモーニング誌に連載されている「アパレルドッグ」という連載漫画
の主人公のマーチャンダイザーが、新卒用会社説明会で、マーチャンダイザーの仕事の目的は、
「ただただ売るため」、と言い、「売れないと死亡ですから」、と発言しますが、これがアパレル
業界のすべてを物語っているといえます。展示会、というときれいなイメージできれいな演出、
という方に目が向きがちですが、それはすべて売るための工夫です。このデザインが、この
素材が、この縫製が素晴らしいって、売り上げ以外に何か証明するものがあるでしょうか。
いつでも何が売れるかを考える、これが展示会を見る唯一のコツで、そういった目は展示会
訪問回数を重ねるごとに養われていきます。前回、そんな展示会をまず2件ご紹介しました。
今回は後編ということで残りの2件をご紹介したいと思います。
イタリア、インドと来て、次はやっぱり本場フランスをご紹介します。7月22日から24日まで、
「モード・イン・フランス」が開催されました。今回が59回目、年2回の開催なので次で30周年
を迎える、という歴史のある展示会です。フランス、やっぱり色柄いいですね。会場の写真を
まずご覧ください。

やはりプリントはうまいです。イタリアもそうでしたがスカーフはスクエアのものが結構多いですね。

上の写真のようにやさしめ、というかイタリアよりは少しエレガンス寄りになります。
雰囲気はとても良いと思うのですが2枚の写真でお分かりのように来客がとても少ないです。
イタリア展同様、ユーロ高、等の影響で容易に手を出せる価格ではないのは事実なのですが、
ファッション、料理、車、すべてイタリアの少々どぎつさの方がわかりやすい、というのも
イタリア展と比べて来客が少ない要因かな、と思ったりもします。また確かにフランスの方が
安易な商売をしてるな、という面もあって、中にはインドのメーカーの商品をちょっと色だけ
変えて、インドのメーカーの5ドルの商品を30ユーロで売ってたりと、1部ではありますがそんな
商品もあったりします。色々聞いていると、どこで作ったとかは関係なく価値はフランス式配色に
あるんですよ、という答えが返って来るのですが、まあ確かにその通りではありますね。それが
ハマればいいのでしょうがファッションって、結構スイートスポットが小さいものだと思います。
車でセダンがもうなくなりそうでワンボックスやSUVのようなカジュアルな車ばっかりになって
しまったようにアパレルでもエレガンスブランドはどこも苦戦しています。個人的には最近セダン
って、とても良いと思うんですけどね。
フランス展で一番良いなと思ったブースは以下の展示内容です。

確かに色、柄、デザイン共ミセス寄りではありますがいかにもフランスっていう感じでとても良い
ですよね。そんなインポートらしいインポートの世界がいつまでも続いて欲しいと思います。日本の
メーカーでは絶対にない世界って、良いですよね。
2週にわたってお送りした展示会ツアーの最後に紹介させていただくのはJUMBLE TOKYOです。
この展示会も2004年から始まり、2013年からは海外ブランドも招致、逆に出展社の海外進出の
バックアップも行っています。新進ブランド、あるいは新しい取り組み新分野にチャレンジして
いるブランドをセレクトしている展示会です。フランス展と同時期の開催だったのですが、こちら
は満員盛況、人をかきわけての訪問となりました。印象的にいうと海外ブランドが3割強、韓国
ブランドが多かったですが、どこも日本では初出展、日本でのショップもなく、ただECでは日本
への発送もしている、とか、代理店募集中、とかそんなブランドが多かったようです。当校でも
韓国ブランドに就職希望する学生が思ったより多いですが、当然日本に事務所があるブランドも
なく、韓国でも少人数のスタッフで運営しているところがほとんどなので就職先としてはちょっと
難しそうです。会場は以下の写真のようにアイテムも国も雑多、JUMBLE(ごちゃまぜ)の名前
通りの展示会となっていました。

各ブース本来の商売での接客に忙しそうであまりお邪魔をしないように声かけをはばかっていた
のですが、韓国からの出展社をはじめ数件の会社からお話を聞かせていただきました。その中で
写真撮りもOKをいただいたブースを少しですが紹介したいと思います。
まず始めはARCH&LINEさん。同じ素材、同じデザインで子供服から大人サイズまで展開されて
いて、ジェンダーレスにも対応、服に性別の区別もなく、あるのはサイズの区別だけです。使用
素材はオーガニックコットン、カポックをはじめとする環境配慮素材、ポリエステル、等はリサ
イクル素材を使用、環境負荷の少ないリネンを珍しく子供服にも使用、カットソー製品にはエコ
ソーダという染色時に水の使用量を半分に節約できる染料固定材を使い水、染料ともに節約し、
排水の負荷も提言しています。環境配慮の徹底ぶりは運送、梱包、ショッパー、下げ札、等すべて
に及び、生産工場のトレーサビリティ(生産工程の追跡可能性)のチェックも徹底しています。
それ以外にも製品のリフォームを染め直しを含めて展開したりしています。写真をどうぞ。

中にはブランド品のスカーフの染め直し等も見られます。写真をもう一枚。

左右身頃の違うものを組み合わせたり、いろんな手法を使われています。こんなリメイクも一部
メイド・イン・トーキョーにこだわったりしていらっしゃるようなのでリメイクにご興味のある方、
ミシンに自信のある方はぜひ一度お尋ねいただいたらいかがかと思います。大人子供合わせた新作
プリント、等も多数あったのですが、発売前、ということで撮影は遠慮しました。その他商品に
ご興味のある方はオンラインショップに多数掲載されていますのでそちらでご確認ください。環境、
トレーサビリティ、ジェンダー、といった問題にここまで面と向かって対応しているブランドは
数少ないと思います。インスタグラムも充実していますのでぜひ一度そちらをご確認ください。
次にご紹介するのは有限会社やまもとさん、ミリタリー関係の卸をしていらっしゃる京都の企業
です。拝見すると自社ブランド商品も当然ありますが、各国軍隊の放出品等もあり、それを依頼に
応じてリフォームしてお渡ししているそうです。写真をどうぞ。

同じ商品が2着並んでおり、リフォーム前、リフォーム後を比較することが可能な陳列になっています。
丈詰め、ベルトループ取付(ミリタリーは思ったよりつりベルト使用のものが多いようです)、といった
軽めのものからズボンをスカートにリメイク、等大手術が必要なものまで様々あります。一貫して
工賃はかなり安いです。ただしあくまでも卸業者なので1型10枚よりの受付、十いうことでした。写真を
もう一枚。

確か真ん中の迷彩パンツが軍放出物だったと思います。仏軍だったか露軍だったかは忘れてしまいま
した、すいません。いずれにしろ世界にはメッシュ生地の軍服もあるんだな、と結構目から鱗でした。
次の写真にいきます。

本物のパラシュート生地放出物です。パラシュートなんたら、ってよくありますけど本物のパラシュート
生地って、ほとんど見たことがないですよね。手前の缶に入っているのがパラシュートそのもの、これも
海外軍隊放出物でした。今回画像はないのですが、そのままの生地を使った洋服もありましたよ。私は
特に趣味はないのですが、ミリタリーファンが見たら垂涎物の商品が結構ありましたよ。こちらもご興味が
あって、京都への引っ越しに抵抗がなくミシンに自信がある方はぜひご検討ください。なんとなく、ファン
にはたまらない世界だと思います。
その他色々なブランドが出展されていたのですが、みんな何かしらにこだわりのあるブランドばかりで
結構面白かったです。防水撥水商品だけに特化していたり、エシカルでも各社こだわりが違い、見どころは
十分でした。それ以外にもアクセサリー、お茶、健康食品、ウェルネス、等多彩な出展社が揃いとても
盛況な展示会でした。他では出展社の数を増やそうとして結局ファッションとは無関係な企業ばっかり
集めてしまい、何の展示会だかわからなくなってしまっている展示会をたまに見かけますが、JUMBLE
TOKYOではそんなことがなく、一本芯が通っているところが見ていて安心感を持てる所以だと思います。
芯を中心としてその他の企業との総合力が発揮できれば見どころのある展示会になる、という見本だと
思います。次回もまた訪問したいと思います。
いろいろなことをやりながら7月も前回ご紹介したものも含めて4つの総合展を訪問してきました。駆け足で
ご紹介しましたがそれこそ紹介仕切れない魅力が各展示会ともいっぱいあります。それらはぜひみなさんの
目で、実際にご確認、ご体験ください。時間がないのは誰でも一緒で、その中でできるだけ走り回って見分
を広める、これしかいいものを見る目を養う方法はないんです。いろんなエクスキューズを考えつつ止まって
しまうならまず走りましょう。それから考えましょう。本当に時間がないならそうするしかないと思います。
止まってても走ってても流れる時間は一緒なんですから。
8月にもまたいくつか、そして9月はまた展示会ラッシュになります。そのレポートもまたお送りしたいと
思いますが、次回は何件かの企業訪問レポートをお送りしたいと思います。
ではまた。
HANAZONO
スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac
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8/20に開催予定です。
詳しくは下記よりご確認ください。
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