~就活室便り#54~ Venus in Furs
みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。「冴え返る」、
という言葉があります。これは、春になって少し暖かくなりか
けたと思うとまた寒さがぶり返す状況をいう言葉で、そんな状
態を三寒四温、とよく言ったりしますが、三寒四温は元々中国
の冬の季節を言ったもので、日本でも季語としては冬、だそう
です。私は俳句はやらないのであまり詳しくはないですが、冴
え返る、うーん、どうでしょうかね。どうしても三寒四温と言
ってしまいそうです。
「冴え返る」にはもう一つ意味があって、光や音などが非常に
くっきりと鮮やかである、という意味で、「月の冴え返る夜」、
というような使い方をするそうです。寒さがぶり返した夜の月
って、確かに異様にくっきり見える感じはしますよね。この季
節は気候も天気も不安定になりがちで季節をあらわすいろんな
言葉があります。一度歳時記を眺めてみるのも面白いかもしれ
ませんね。ちなみに、「こたつ猫」は冬の季語で、「はらみ猫」、
「猫の子」、「子猫」は春の季語だそうです。そんな季語通りの
写真をアップしておきます。

これは以前我が家の庭(、と呼べるほどのものではないので、
空きスペースくらいが正解です)でとある猫が生んだ子猫た
ちです。この写真はもう2か月に近いころに撮ったものなので
すでに猫のかたちをしていますが、それまでは、もう、なん
て言ったらいいか、なんか完全に違う生物でした。それを家
族全員で必死に猫のかたちになるまで育て、ただこの時には
もう成猫が4匹いたのでさすがに8匹は多すぎだと思いこの子
たちの里親を募集し、みんな巣立っていきました。1匹を除い
て。それ以外の3匹は写真を載せたとたんサイトがつながりに
くくなったほど人気で、結構な争奪戦の様相を呈しつつ里親
がすぐ決まってしまいました。そして1件も問い合わせが来な
かったのが右下の子で、結局今でもそのまま我が家にいます。
最初はかった時はたった70グラム台だったんですよ。初めて
の新生児飼育だったので頻繁に獣医さんにお伺いし、いろい
ろアドバイスをしていただいていたのですが、獣医さんいわ
く、100グラム以下の新生児の生存率はほとんどゼロって言
われてしまい、結構精神的にも辛い状態から始めた飼育の結
果、今はもう6キロ超え、上に乗っかられるとちょっと息を
するのも難しいです。そんな巨大猫を毎日見ているとまた
「猫の子」、「子猫」に会いたくなります。ところがこの子達
以来なかなか出会わないので、なんか今年くらいそろそろ会
えるかなあ、とか思ったりするんですけど猫拾いたい、とい
うような話をすると家族が露骨に嫌な顔するので悩みは多い
です。でも、子猫って、本当にかわいいんですよ。みなさん
も、春は子猫ゲットのチャンスですよ。そしてもし複数拾っ
てしまってお困りの場合はぜひお声がけください。
「冴え返る」の話でしたね。この原稿を書いている現在はも
う十分に冴え返っています。というかちょっと冴えすぎです。
寒の戻りとか余寒とか、いろんな言葉がありますけど、なに
も戻りすぎなくったっていいですよね。なんか春って、期待
が大きいだけに裏切られると結構つらく、物理的にも精神的
にも結構大変な季節ですよね。そんな春には展示会も花盛り
で、新しい出会いも多く、そんなレポートを何回かに渡って
お送りしていきます。
㋁の3日から5日の間に訪問した展示会の一覧をご覧いただく
と以下のようになります。
・モーダ・イタリア
・Parc1(個展)
・モード・イン・フランス
・大日本市
・45rpm(個展)
・ギフトショー
・LIFE&DESIGN
3日間の歩数合計は優に10万歩を超え、久々に歩き疲れた1週
間でした。どこから報告していこうか、迷いますが、とにか
く訪問順にいこうかな、と、思います。
まずモーダ・イタリアから。今回で多分77回になると思うの
ですが、参加も121社の参加という、非常に迫力のある展示会
となっていました。来場者も2000人近くと、インポートオン
リーの展示会としてはかなり多めな来場者数となっています。
まずは写真を1枚。

もちろんイタリアにも安いもの、ファストファッションは浸
透していますが、わざわざ日本まで連れてくるのは素材、縫
製、どれをとっても高水準のものばかりです。そして日本で
はあまり見られなくなった素材を扱っているメーカーも、専
業が4社、部分使いを含めると結構な割合のメーカーが出展し
ていました。その素材とは、毛皮です。

上の写真はARTICOという、創業30年以上になるメーカーで、
ムートン、カシミヤ、等高級素材をそろえていました。毛皮
製品も今回展示しているものは全てリアルファー、というこ
とでした。それ以外でもトリミング、等にリアルファーを使
っているのが下のメーカーの写真です。

上等のフォックス・ファーをふんだんに使っています。やは
り高級感はありますね。
世界的にムートンは食用羊肉の残りだから残酷ではない、と
いうことがほぼ常識となっていて、ファーのような徹底的な
排斥運動はないようです。それは他の皮革関係にしても同じ
ことが言えます。私は以前革製品をかなり企画販売したこと
があるのですが、羊革も体に打撲傷があった、何らかの衝突
があった、というような場合、なめして原皮として加工して
もその痕は必ず残ってしまい、その部分を外して裁断すると
なると元々あまり大きくない羊革ではかなり取りが悪くなり、
その用尺を考えるとかなり採算の悪いものになります。では
その傷跡(大体は小さい年輪状のへこみの場合が多いです)
を避けずそのまま使用すると、日本の厳しい消費者からは必
ず「傷あり」、ということで返品になります。その他しわ,血
管痕、等チェックポイントはかなり多く、いちいちそれに対
応しようとしたらとてもじゃないですけれど採算が合わなく
なります。そんな完璧な見た目を要望されると、結局スーパ
ーブランドの製品に近い値段になってしまいます。逆にスー
パーブランドは捨てる部分が多いから見た目も値段も良い
、ということになると思いますが、それって、結局捨てる部
分がかなり多い、ってことですよね。
でも巷には現在安い本革製品があふれています。安くて傷の
ない原皮を作ろうと思ったら、どうしても打痕ができないよ
うな育て方をして早めに原皮として回収するしかないですよ
ね。ということは多分よっぽど狭い柵内での飼育環境で育て
て適当な大きさになったら即回収、というやり方しか考えら
れないですよね。
もっとも羊だけでなく牛、豚も食肉用飼育の環境の過酷さを
訴えている団体は数多いですから、逆にそれは皮革業界から
すると良い条件なのかも知れません。その他羊毛用の羊に関
してもその飼育環境の過酷さを訴える方々は数多くいらっし
ゃいます。いずれにしろ現代では遊牧して暮らす人はどんど
ん少なくなっていっていますが、運動量の多い羊もどんどん
減っていきそうです。
日本ではラム肉は、現在第3次ブームと言われていて人気の
食材であることは間違いないのですが、敷物やカーシート、
家具、等の使用量を考えればちょっと食材用より原皮使用の
方が多い気もしますが、まあこれは想像の話なのでなんとも
言えません。ただ、不使用部分は肥料やペット用フード、等
に加工している、というアナウンスが聞こえてきますが、実
はそれはミンクをはじめとする毛皮として使用される動物と
全く一緒です。違うのはミンク、フォックス等の毛皮用とさ
れる動物はその毛の部分をそのまま使うため、たとえ打痕が
残ってもその部分は毛に隠れて見えず、不良品扱いされない
ところです。さらに、ストレスのある環境で育てられた動物
の毛は抜けやすくなります。広く、ストレスのない環境で育
てられた毛皮用といわれる動物は、現在飼育されている動物
の中でも最もストレスのない環境で育っており、毛皮以外の
部分も捨てるところは全くなく、しかも当然毛皮は土に還り
ます。ステラ・マッカートニーは、毛皮の残酷なことは生き
たまま皮を剥ぐこと、と言っていますが、そんな飼育にも高
いコストをかけて、商品としても高級な素材を、生きたまま
皮を剥ぐなんて言うことをしたらきれいに毛皮を剥ぐことが
できず、結局用尺ばかりかかってしかも傷の多い価値の低い
ものにしかならないのです。ステラが言うような動画は、実
はYouTubeにはあふれかえっています。でも本業の毛皮業者
がそんなことする可能性はないのですから、どう考えたって
動物愛護団体、活動家の自作自演、ということになりますよ
ね。動物の命を救うために見せしめにその保護したい動物を
虐殺する、という心理が私にはよくわかりません。動物愛護
は愛護として真剣に考えるべきですが、それと無実の動物を
犠牲にして残酷な動画を作り世間に警鐘を鳴らす、というの
はあくまで違う問題だと思います。今後どんどんAIが発達し
ていくと、映像が真実かどうか、見分け方は本当に難しくな
っていきます。一つの問題を考えるにも複数の情報を集めて
判断していかないと物事の真贋の見極めはどんどん難しくな
っていきますね。
日本はまだしも寒いヨーロッパではやはり毛皮のコートを着
る女性の数は少なくなく、そして若い人々の間ではヴィンテ
ージ・ファーの需要が非常に高まっているそうです。新たに
作るのはよくなくても今までにもうあるもののリユースは、
これはエコ、という判断だと思いますし、リアルとフェイク、
これはファーの場合は全然違います。今までリアルファーを
見たことも触ったこともない若い方々が新素材、として飛び
つくのも無理はありません。合成皮革の場合は、今、ちょっ
と本革より良いんじゃないかな、と、思うもののいっぱいあ
ります。フェイクファーはリアルと比べて、軽さ、しなやか
さ、高級感、風合いなどの点では足元にも及びません。見た
目に関しては一瞬遠目から見るとわからないものは出てきま
した。基本的には石油精製品なので染色整理時にはその毛の
抜けたものはマイクロプラスチックとして流れていき魚のお
なかに溜まっていきます。裁断の際にはプラスチックの粉塵
が飛び、もし吸入してしまったらそのまま工員の肺に溜まっ
ていきます。それをエコ・ファーと呼び、環境にやさしい、
と謳うのはどうかとは思うんですけどね。
、となんだか話がエシカル方面に行ってしまいましたが、い
ずれにしろものごとはこの方面からこう見てこれだけが正解、
ということはありえず、どの方面からどう見てどう判断して
いくのか、これは自分で取捨選択していくしかなく、両極か
ら見ている方は、結局分かり合えない、というのが本当のと
ころだと思います。いずれにしろ地球にやさしくお財布にも
優しく温暖化を抑制し現在の生活の便利さ、快適さも失わず、
所得も減らず、経済成長が持続し、楽しく消費生活を続けら
れる、このような条件を全て満たす解決策が容易にみつかる、
という可能性はないと思ってください。何かをするためには
何かをあきらめる、誰かが何かのコストを負担していかなく
てはならない取捨選択の時代となっていて、それを選ぶのは
自分、ということを自覚しておいてください。
なんか話が逸れに逸れてしまいましたね。その他素材だけで
なくて、色、柄も当然イタリアっぽくて良いものが多かった
です。例えばこんな感じで。

服だけでなく、バッグ、シューズ、小物等も当然充実して
いました。

スカーフとかも高品質、高感度なものが多かったですけどそ
んな小物関係でも100ユーロ以下のものはほとんどないので
やはり今の為替レートではヨーロッパのものだけで商品構成、
というのはちょっと辛いですね。それでも多くのブースでバ
イヤーさん達が一生懸命発注していましたのでなんか少しず
つでもイタリアのものが売れていくといいですね。
先日、東京婦人服縫製協同組合の会合に参加したときに、会長
のスピーチの中で、ヨーロッパの方々が洋服をプレゼントされ
て本気で喜ぶものって、MADE IN ITALYとMADE IN JA
PANだけだそうです。話の根幹はそれだけ日本の縫製工場も海
外を見据えて日本の技術をプロモーション、海外からの受注を
増やしましょう、ということなのですが、やっぱりイタリア、
いいですよ。そして前回も思ったのですが、来ているメーカー
の男性が全員細身のズボンできちっと決めている、というとこ
ろで、イタリアらしい、と言えばそれまでなのですが、とにか
くゆるくて太いスタイリングの方はだれもおらず、そういう格
好をしているのは日本人の来客者だけです。細見がイタリア特
有なものなのかどうか、ちょっと判断しづらいところですが、
これが世界的な潮流になったらこれまでの服のシルエットから
180度変わってしまうわけですからこれは大きな事件といえます。
アパレルも対応に大変でしょうけど古着屋さんとかはシルエッ
トの変化に対応するのは無理なのでちょっときついですよね。
バイヤーの仕事って、世界中回って世界中の人のシルエット含
め観察しながら次に何が来るかを必死に読んでいく、っていう
のが結構重要な仕事で、ということは歩きながら考えて、考え
ながら歩く、という必要があって、結局体力は何にも代えがた
い資本です。みなさんもこのファッション業界で生きていこう
と思ったら足だけは鍛えておいてくださいね。
今回は3つくらいの展示会を紹介して一つの話にしようと思っ
てたんですけどなんか別の話が長引いてしまってイタリア展
しか紹介できませんでした。次回からはもっと飛ばしていき
ます。なんかためになるところがあったかどうかわかりませ
んけれど、取捨選択は自分で判断していくしかない、という
ことだけ覚えておいてください。オリンピック招致の時にIO
C委員に対する贅沢な接待の様子をテレビ、等でご覧になった
方も多いと思いますが、エシカル、環境、保護、等々の名目の
団体の本部はほとんどヨーロッパにあり、その専従職員の方々
はオリンピック委員と同等の暮らしをされています。皮革の
場合はLWGという組織が環境配慮レザーを生産しているメー
カーに認証を与えています。本部はイギリスにあり、申請す
ると2年間のカウンセリング、審査が必要となり、どちらとも
イギリス本部より招致しないと話は始まりません。審査に合格、
最終登録費用を払って認証を受けても、2年ごとの更新が必要と
なります。この団体に関して詳しいことは知りませんので実際の
ところは何とも言えませんが、他の認証団体は来日時には必ずホ
テルでバンケット、というのがお決まりになっているようです。
たとえそのバンケットで食品ロスが出ようが、Co2の排出が増え
ようがそれは全く別問題です。19世紀に世界で覇権を握ってから
ヨーロッパは国際ルールの創設、という権利をどこにも譲ってい
ません。国連も本部はニューヨークですが、それ以外のほとんど
の機関はヨーロッパですよね。アメリカでさえ取れないそんな覇
権を日本がいきなり取る、なんていうことはほぼ不可能です。と
にかく彼らと伍して、負けずに、一緒になって働き、ほんの少し
ずつでも自分たちの主張を繰り込んでいく、こんな大命題に皆さ
んは取り組んでいかなくてはなりません。展示会でもなかなか言
葉が話せなくって、なんて言ってるのは論外です。出るところに
はどんどん出て、主張することはどんどん主張していきましょう。
なんかイタリアのもの、デザインも出来も素晴らしい、負けずに
やっていきましょう、と、それだけ言いたかったのですが、今回
はちょっと話がそれすぎですね。すいません。次回からは展示会
情報満載で行きたいと思います。
ではまた。
HANAZONO
スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac
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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程
3/20に開催予定です。
詳しくは下記よりご確認ください。
https://www.tfac.ac.jp/open_college/
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授業見学のご予約は下記URLから予約フォームでお受けしています。
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