~就活室便り~#39 Magical Mystery Tour side A | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

~就活室便り~#39 Magical Mystery Tour side A

~就活室便り~#39 Magical Mystery Tour sideA

 

みなさんこんにちは。就活室のHAMAZONOです。しかし、というかとにかく毎日
暑いですね。なんか朝起きた瞬間から疲れてたりします。いつの間にか疲労が蓄積
している、ということだと思うんですけど、この気温が最低でも9月いっぱいまで
続いてしまう、と思うとちょっときついですね。いずれにしろ今年は10月まで半袖
で頑張りたいと思っていますのでTシャツのバリエーションを増やしていこうと思い
ます。

アパレルも本当は春、秋が稼ぎ時で、何に合わせるこのアイテム、とか、これに
羽織る何がほしい、とかいうのが一番儲かる商売ですが、今は暖かくなったと思ったら
すぐ半袖で、そのまま年内が寒くなく、やっとコートの出番になったらもうバーゲンの
季節、と1年2シーズンでいいのかな、という感じで各社対応に苦慮しています。新聞誌上
でもそんな気候変動対策を毎日のように見かけるのですが、基本的には秋物の立ち上がり
を遅らせ、秋色をつけた半袖アイテムを9月10月店頭用に充実させる、というもので、
それではこちらも秋色Tシャツをそろえようかな、と思ったりしますが、実は趣味の問題で
白いTシャツも1枚も持ってなかったりするんでした。色的には圧倒的に黒が多く、こげ茶か
ワインかなんかのシャツを買わなきゃいけないのかな、とも思いますがその2色は今でも
店頭に並んでいますよね。秋色の半袖でどんな色が出てくるのか、今後に期待です。そんな
半袖で過ごしつつ、今年の春はラム革のライダースとか買ったりしたんですけどやっぱり
着る機会がなくて、冬が来る前に少しでも着る機会があったらなあ、と思います。

 

そんな季節を通り越してファッション業界では来春夏用展示会が目白押しです。その中で
いくつかの展示会巡りをしてきましたので今回はその報告をしていきたいと思います。

 

まず7月9日から11日まで開催された「モーダイタリア」から紹介していきます。この展示会
はその名の通りイタリアのメーカーが来日して年2回開催されるアパレル製品、バッグ、靴、
アクセサリー、スカーフ、ストール等のファッション総合展です。元々日本ではファッション、
食事、車等様々な分野でイタリア物は大人気ですよね。そんなイタリアのファッションを
集めた総合展は1987年にまずシューズ展から始まり、1992年からは現在のもーダイタリアが
始まり、2009年からは2つの展示会が同時開催となり現在に至っています。洋服で30年以上、
最初の靴の展示から数えるともうすぐ40周年ということになります。つまり最初は現在のユーロ
建てではなくリラ建てだったわけですからそれだけの歴史を感じさせます。そんな歴史ある
展示会もコロナ禍の数年はそれにウクライナ侵攻の影響でロシア上空が飛べなくなる、という
物理的要因も加わり参加企業が激減し、参加した企業もサンプル送付のみで、あとの運営は
日本のエージェントに任せる、という方法だったので、急いで対応したエージェントも商品の
内容は全く分かっておらずなんかバイイングしようとしてもどうやって買ったらいいのかも
よくわからないような展示会となっていました。

それから数年しか経っていませんが、今回はアパレル40社、アクセサリー11社、バッグ38社、
シューズ22社という豪華な参加者でした。イタリアの海と風を感じるようなエントランスの
写真をご覧ください。

 

左側にパープルのワンピースが数枚ハンガーにかかっていますが、なんかいかにもインポート、
って感じでいいですよね。

以前スカーフ、ストールに関しては世界中からバイイングしていた関係もあって、下の写真の
ブースがかなり気になったりしました。

 

やはり色、柄は素晴らしいですね。140×140のスクエア・スカーフとかロングスカーフになると
そこはやはりプリントの独壇場で配色の良さがそのまま製品の価値になります。まったく素晴ら
しい、と思いますが、これらのイタリアのものすべてに共通した弱点があります。それはずばり
値段です。

コロナ、ウクライナ後のヨーロッパの物価上昇はものすごいものがあり、それに加え毎日のよう
にユーロは上昇し、相対的に毎日のように円は安くなります。先ほどのスカーフで日本で上代を
つけるとしたら最低4~5万、シャツ、ワンピース、ジャケット、ニット等、アパレル製品となる
と最低で上代8~9万くらいになるかな、という感じです。そんな値段でもロシア上空を回避する
航空運賃の上昇で利益はそんなに出ないはずです。しかも輸送費は日々上昇しており、輸入時の
コストが正確に読めない、というのが現状です。普通なら確認サンプルを取って確認してから
本生産、というのが本来の筋ですが、DHLをはじめとする小口運賃はさらに上昇しており、
ちょっと商売にならない、というのが現状です。展示会には多数の来客があり各ブースとも結構
いっぱいのところが多かったですが、コストを考えると数量をまとめて発注できるところはなく、
1型1色1枚ずつ、というような小規模のセレクトショップ、地方ブティックの発注がほとんどの
ようで、当然想定してきた売り上げには到達せず、そうするとイタリアから経費をかけて出張して
きている彼らはその経費分だけでも回収しようと思い値段が高くなる、という値上げスパイラルと
でも言うべき様相を呈します。どのブースも見てすばらしい、というものは多々ありますが、だから
と言って手を出せるものはほとんどないと言っていいと思います。結局目の保養になるだけの展示会
なのですが、いつかはそんな状況を打ち破るバイヤーが出てきてくれたらな、と思います。

 

こんな話を長々として役に立たない話ばっかりじゃん、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが
いつかは日本人も自分で責任をもってリスクを張る、ということを覚えれば状況は一変します。
1型1色1枚ではなく1型100枚買ってごらんなさい、ちょっと驚くくらいのディスカウントしてくれますよ。
商売も賭け事も投資もそうですけど元の掛け金が大きいほうがリターンも格段に多い、というのは当たり
前すぎる当たり前です。100枚発注が何社かからあれば日本ってすごい、ということになって次回からの
元の値付けが全然違うと思います。ただそれだけのリスクを背負うには元手の資金だけでなく情報分析、
綿密なデータ(感性が良いってよく言いますが裏付けのない感性はあてにならないですよ)、顧客管理と
情報分析、等々の緻密で地味な作業が不可欠です。商売と賭け事はやはりそこが一番違うのかな、という
気がして個人の感性なんかだけじゃ成り立たないところ、それが仕事の大変さでもあり面白いところでも
あります。将来バイヤーを目指す方はそこのところを頭に入れておいてください。バイヤーになる近道は
ありませんが一歩頑張れば一歩目標に近づいていきます。そしてゴールはそんなに遠くにあるわけではあり
ません。みなさん、応援していますので頑張ってください。

 

、とモーダイタリアの素晴らしい展示を見ながらそんなことを考えました。確かに良いからと言って買える
ものはありませんでしたがそれでもいいものを見るって、やっぱり良いですよね。これからも良いものには
どんどん触れていきたいと思います。

次の週、7月15,16の両日、同じベルサール渋谷ガーデンにて、「インド・トレンドフェア」が開催されました。
そのレポートをお送りいたします。

 

現在繊維製品の全世界に対する輸出額では中国が圧倒的なシェアを誇っており、インドは2位の輸出額ですが、
金額的には中国はインドの7倍の額となります。それが日本に対する輸出額となると中国の首位は変わりません
がインドは輸出額で第9位となり、額に至っては中国はインドの41倍の金額を輸出していることになります。
インド政府として対日輸出で中国を上回ろう、というような過大な目標は立てていませんが、少なくとも中国の
1割くらいの額は日本に対して輸出したい、というのが目標となっています。そのためにこのインド・トレンド
フェアは大きな意味を持つ展示会となっているわけですが、毎回毎回かなりの力が入っていることはひしひしと
感じます。オープニングおよび特別公演には当然のように駐日大使も出席され、インド本国展示会に数名の無料
招待をはじめ様々な企画が充実しています。出展社も今回は167社を数え、質的にも量的にも充実しているといえ
ます。そんな展示会の様子を雰囲気を含めて少しでもレポートできたらと思います。

 

今回は1階と地下1階と2会場に分かれ、アイテムごとに分かれているのかな、と思ったら特に関係ないようでした。

いずれにしろ特に増えているのはガーメント(服のことです)の出展社で、ファッショングッズ、その他は横ばい、

寝具、ホームファニシングの出展社は減少した印象です。

中国が繊維輸出トップの座についている理由は、縫製工場の数だけでなく、素材(生地、表地、裏地とも)、
付属(ボタン、芯地、ファスナー、等)まで含めてすべて現地調達が可能なところが大きいと思います。それ以外
に印刷工場も充実しているので品質表示、下げ札も現地にて生産可能で、日本から送るのはパターンと指示書のみ
でいける、というのは多大なメリットがあります。現在ではベトナム生産がかなり拡大していますし、工賃ベース
でいえばバングラディシュの生産が最もコストメリットがあります。しかし材料すべてを現地調達するのは不可能で、
下手すると材料すべてを日本、および中国から送らなければなりません。その分の運賃、関税、等諸経費を考える
とコストメリットはだいぶ差し引かれ、お隣の国中国とは違い特に船便の場合の日数の増加は納期が重要な
アパレル業界において致命的な影響を及ぼしかねません。このようになかなか工賃だけではアパレル製品生産の拠点
は決定できない、ということがお判りいただけたでしょうか。

素材でいうと、インドは綿では世界第1位、絹では世界第2位で特に天然繊維の生産が盛んです。一昔前は夏といえば
インド綿、インドマドラス、という時代がありました。やはり以前から夏物は強いです。値段はちょっとびっくり
するくらい安いので、今後の日本での発展の余地は十分にありそうです。

それと先ほどのマドラスチェックもそうですが、イギリスとの関係もあり、長い間ヨーロッパの下請けとして機能して
きた、ということもあり、意匠面でとても素晴らしいものがあります。最初に紹介したイタリア、次に紹介する
フランスでもインド製が異様に多い、というか、下手するとインドのメーカーのオリジナルをそのまま自分のブランド名
をつけて売っている商品はかなり多いです。それくらい意匠の面では優れていると思いますし色、柄、配色ともなかなか
まねできないものが多いです。

ただ問題はやはり品質かな、という気がします。ヨーロッパは、やはり洋服に対して大人、というか、麻や絹にスラブ糸
があるのは当たり前、ビビッドカラーは色が落ちやすいのは当たり前、レーヨンはしわや縮みは当たり前、ということで
洋服のケアはしっかりしています。日本では着物のケア、と言ったら襟は外して、とかかなり細やかなメンテナンスが
されていますが洋服となると全くの工業生産扱いとなり、洗濯や各種取り扱いでのクレームが絶えません。着物も洋服も
同じ服なのになあ、と思うのは私だけなのでしょうか。いずれにしろ日本製の、折り目の正しい、どこまでも縫い目の
まっすぐな服とは少し違います。日本向けの製品の品質向上とより意匠に富んだ製品が評価されるような日本での服に
対する価値観の変化、その2つの変化が進行すればインド製品、どんどん伸びる気がします。

 

じゃあその意匠なんたらは実際どんなもんなんだ、という話になると思いますが、一番わかりやすいスカーフ、ストール
の写真を数点用意しましたのでそれをご覧いただこうと思います。統計がありませんので実際にインド製のスカーフが
輸入量第何位、ということは言えないのですが、現在かなりのパーセンテージを占めている、というのは事実で、その
輸入量増大にかなりの量、と言ってしまうと誇大広告になるかもしれませんが少なくとも数%は私が力を貸していた、
というのも本当の事なんですよ。まあ宣伝はこれくらいにして今回の展示会でもそんな実績から各社快く写真撮影に
協力していただけました。まず写真ですね。

こんな感じで先染めとレースのコンビネーションです。写真が切れてて申し訳ないのですが、この生地は端がボーダー柄、
真ん中が無地になっています。それにレースをかぶせて、そのレースはビーズ、スパンコール付きです。これだけ手を
かけて日本で上代をつけても1万円を切ったところでの値付けが可能です。安いですよね。次の写真に行きましょう。

とにかく刺繍のオンパレードですね。こちらも上代1万円を切ります。次の写真をどうぞ。

今回これが一番良かった気がして、まずこんなすかすかの織り方なんて、やはり機械ではなかなかできません。それに紺の
水玉をプリントしています。インドの特徴は1柄1色のみで他の色がないことで、2色展開しようと思ったらあと1色は作らな
くてはなりません。この場合は迷わず赤玉をつけてトリコロール展開したいところですが、茶玉も良さそうですよね。海外
でのバイイングの場合はその場で数量含めて即決しなければならず、それが海外バイイングの痺れるところなんですけど
今は実際には買わないので安心して展示会を回れます。多分バイイングしてる時は本当に目つきが厳しいか悪いかどちらか
だったんだろうな、とちょっと反省しつつそんな頃が少し懐かしかったりします。

次の写真に行きます。

この技法を初めて日本に紹介したのは私だと思うんですけどシルクの生地にシルクの立体的な花のモチーフを刺繍していき
ます。あまり重くならないように少量ビーズを使ってさらに立体感を出します。柄も配色もいいですね。

シルクウールのプリント、花、水玉、ストライプのコンビネーション。これだけの色数を使って配色をまとめるのって、難しい
ですよ。

こういう商品がこのブースの写真のように1ブース100柄は優にあります。こういう感じで今回のように167社参加、というと
結構見るだけでも大変ですよ。

 

実はあと展示会2つ、一緒に紹介するつもりだったのですが、字数をだいぶオーバーしてしまいました。色々含めてパート2
につづきたいとおもいます。なんかほかの話が長すぎましたね。反省しつつ来週アップしたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

8/20に開催予定です。

 

詳しくは下記よりご確認ください。

体験入学申し込み    こちら

https://www.tfac.ac.jp/open_college/

 

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