衣装デザイナー&スタイリスト 米山裕也さんインタビュー<Part2> | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

衣装デザイナー&スタイリスト 米山裕也さんインタビュー<Part2>

本学園スタイリスト科を卒業し、
現在までNEWS、WEST.、なにわ男子、
SixTONES、Snow Manなど、
数多くのアーティストの衣装デザインを
手掛けてきた米山裕也さん。

 

8月18日に行われたオープンキャンパスでは、
そんな米山さんとtfac生との座談会を実施。

在学中の研修経験や現在のお仕事、
仕事に向き合ううえでの心掛け、
ファッション業界を目指す学生たちへのアドバイスなど、
貴重なお話をたっぷりとしていただきました!

今回は<Part2>をお送りします!
Part1はこちらをクリック!

 

 

――衣装デザイナーのお仕事についておうかがいします。

クライアントからいただいたイメージを、
どのようにデザインへと膨らませていくのでしょうか?

 

時間に余裕があるときは、
Pinterest(ピンタレスト)というアプリを使って、
クライアントからいただいたイメージに近いものを探し、
発想を膨らませていきます。

 

――デザイン画を描く前に、
参考となる写真資料を探すのですね。

 

そうですね。

僕、絵を描くのがすごく遅いんですよ(笑)。

すぐにデザイン画を描いても、
クライアントからNGが出た場合、
もう一度、同じ労力を
かけなければいけなくなってしまうので、
まずは写真資料を用意して、
「こういう要素を入れたものはどうですか?」と
おうかがいします。

 

そうすることで、
クライアントとの認識のズレを
防ぐことができるんです。

デザイン画を描く前に写真資料をお見せしながら、
「この素材感だと、このくらいに膨らむので、
こういった雰囲気になります」と
相手が想像しやすいように準備しますね。

 

 

――学生からは
「自分の個性を出すのが難しい」という悩みもよく聞きます。

米山さんは、ご自身の個性を
どのように考えていらっしゃいますか?

 

難しいですね……。

「個性を出そう」と
意識してはいないかもしれないです。

 

――「自由にお願いします」というオーダーよりも、
テーマがあったほうが取り組みやすいのでしょうか?

 

何もないよりは、
何かひとつでもテーマがあったほうが
作業がスムーズかなと思います。

「自由に」というオーダーだったとしたら、
僕からテーマを提案するかもしれないです。

 

これまで黒の衣装が多かったグループなら、
「可愛らしいピンクの衣装にすると
新鮮な印象になると思いますが、どうですか?」とか。

ただ、可愛くなりすぎないように
ピンクでもハードな素材を使って、
メンバーの良さが消えないようにする工夫も
同時に提案します。

 

あと、例えば「キラキラ」をテーマにして
「衣装の一部分だけを
特にキラキラさせるのはどうでしょう」とか。

 

 

――複数の提案を用意しておくんですね。

 

そうですね。

ひとつに絞らず、複数の案を提案し、
ご本人たちと話し合っていくと、
思っていた以上に盛り上がり、
自分の想像を超える瞬間もあるんです。

そのときに新しいものが生まれるんですよね。

 

僕の頭の中だけで凝り固まっていたものが
ご本人たちとの会話を通して広がっていって、
「それなら、これとこれを
ミックスさせたら面白そう」といった
想像を超えたアイデアが出てくるんです。

 

常に個性を出しすぎると
「この人に頼むと、
いつもこういうものになるよね」と
思われてしまう可能性もあります。

一方で、
人の意見を聞いて柔軟に対応していくことで
「これは自分だけでは生み出せなかった」という
嬉しい瞬間に立ち会うこともできます。

 

ディスカッションは、
凝り固まった考えから脱出できる
大事な機会でもありますね。

 

 

――デザインから縫製まで進み、
衣装が完成した段階で
ボツになってしまったことはありますか?

 

何度かあったと思います。

 

――その際は、どのように対応されたのですか?

 

ボツになる理由のひとつが、
完成した衣装を見たクライアントから
「もっと暗い赤をイメージしていた」と言われるような、
こちらとの認識のズレです。

 

ただ、コンサートの初日は待ってくれないので、
その時点でできることをやるしかありません。

 

暗い赤のスプレーでペイントする、

明るい赤がいちばん目立つ部分だけの生地を替える、

新しく買ってきた服を期日までにリメイクする。

あるいは、コンサートの1公演目はその衣装を着て、
2公演目までに作り直す……。

現実的にこちらができることを提案する必要があります。

 

選択肢が多ければ多いほど、
クライアントにも
「この人はここまで修正してくれるんだ」という
印象を持ってもらえると思います。

「どうにもできません」で終わってしまったら、
そこまでの人になっちゃうので、
どんな対応ができるのか、
頭をフル回転させるしかないかもしれません。

 

Part3へ続く