~就活室便り~#69 Level Five | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

~就活室便り~#69 Level Five

~就活室便り~#69 Level Five

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。立秋を過ぎ、季節は
秋へと変わりつつある、と言いたいところですが、とにかく暑いですね。
これで秋の始まりなんて本当かと思われるかも知れません。私は休日の
朝は散歩をしているのですが、先日とある自衛隊の基地の脇を通った時
は秋の虫の大合唱でした。近くの公園ではヒグラシが鳴いていて、季節
はやはり動いているんだ、と、実感しました。ちょっと気温が高くても、
やっぱり秋は秋なんですね。そして日の出は確実に遅くなってきました。
早朝散歩しているとそれは非常によくわかります。最近散歩時間中に夜
が明けないので。来月にはも秋分、そして秋の夜長が本格的に始まりま
す。

そんな休日の朝の散歩ですが、先日1日だけパスしました、というか行け
ませんでした。前日、夕方から激しい雨が降り、それがついには私の住
んでいる地域も警戒レベル5、という今まで体験したことのない降雨量に
なりました。テレビでは「命を守る最善の行動を」、ということをどのア
ナウンサーも繰り返しうったえているのですが、爆音をたてて降る雨の中、
たとえどんな避難所でもそこに行くまでが命の危険と判断し、結局そのま
ま家にいました。実は娘は普通に出勤日で職場からの最寄りの駅までは行
ったのですが、そのあとの電車の運行状況が運休運休で、結局普段より2時
間半多くかかって帰ってきました。途中まで車で迎えに行こうかとも思っ
たのですが、次の日になって、そうした車が何台も水没して動かなくなり、
道端に乗り捨てられているのを発見し、もしあの時外に出ていたらこちら
の命が危なかった、という自然災害の怖さを実感しました。とにもかくに
も人生初の警戒レベル5はやはり想像を超えたものでした。翌朝、いつもの
散歩の時間には警戒レベルは少し下がっていたものの、いずれにしろ表に
出られるような雨ではありません。とにかくその日は無理、ということで、
散歩に行くのを諦めました。

かつて近所に猫を5,6匹飼っている老夫婦がいらっしゃって、その後夫婦
がお年のこともあり、バリアフリーの施設にある日引っ越されました。
5,6匹の猫を残して。その猫たちがゴミステーションを当然荒らすように
なって、本当はいいことではないのですが、我が家でご飯をあげることに
しました。その時には我が家にはすでに3匹猫がいて、新たに6匹もの成猫
を迎い入れることができなかったのです。それがもう10年以上が経ち、その
中の一番小さかった1匹だけが現在生き残り、今でもご飯を食べに来ます。
とにかくレベル5の中、一番気になっていたのはその猫の安否で、散歩は
中止しても安否確認だけはどうしても、と思い、玄関の扉を開けると、そ
の音に反応して鳴きながら走ってきました。今回の災害的豪雨で一番心の
重荷が取れた瞬間がこの時でした。とにかくご飯をあげてほっと一息、そ
んな心配をさせたのがこの子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか結構大変な夏休みでしたが、いずれにしろ今後も変動する気候に伴
い様々な災害が発生する可能性があります。いずれにしろ様々な対策をい
ろんなレベルでしていかなければならない、と、思わせるような豪雨でし
た。外猫の緊急避難場所とかも考えておいた方がいいかもしれない、と、
痛感するような自然災害に対し、今回程度の集中豪雨は今後も起こりうる、
ということを前提に排水量、等の対策を急いで欲しいと思います。

 

前回に引き続き、今回も展示会レポートをお送りしたいと思います。まず
は7月22日から24日まで開催されたモード・イン・フランスから。この展
示会も今回で61回目を迎え、ちょうど今回で30周年、という、節目の年と
なっていますが、よく考えたらファッション関係でこれ以上歴史の長い展
示会はひょっとしたらないかもしれません。その30年の間に日本も、世界
も、本当に大きく変わりました。変わらないのはバブル崩壊後の日本の経
済状況くらいで、あとはほとんどのものが変わってしまっています。シャ
ネル、ピエールカルダンをはじめとしてファッションの流行はすべてパリ
からでした。ファッション以外でもほとんどのものはフランスからの流れ
で、何しろ国名の前に「お」、をつけて呼ばれたのは前にも後にもフランス
だけです。私が社会人になった頃も日本のほとんどのアパレルがフレンチ・
テイストをうたっていましたし、ブランド名もほとんどがフランス語、フ
ランスの地名でした。それがファッションでも料理でもイタリアンが中心
になり、そうしているうちにスペイン、韓国をはじめとしてファッション
はどんどんグローバル化していきました。そんなわけでファッション業界
におけるフランスの重要性は下がりつつあるように見えますが、やはり世
界で一番注目を浴びるのはパリ・コレクションですし、パリのアトリエで
のものづくり、というのが世界中のデザイナーの夢でもあります。そんな
フランスからのメーカーがそろった展示会、レポートしていきましょう。
それではまず会場の風景からご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


今回は22社が参加、イタリア展の100社以上、と比べるとやはりかなりの
差はあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


薄手の素材を幾重にも重ねたり、刺繍、等のテクニックを使用しつつ全体
を軽くまとめているところはやっぱりフランス、って感じがしますよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


何でもない、シンプルなデザイン、素材ですが、インポートらしさを十分
に感じさせます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


バッグ、スカーフ関係も色が鮮やか。いかにもフランスらしい色付けです
が、この中にMADE IN FRANCEはなく、ほとんどインドをはじめとす
るアジア製です。彼らは産地のことなど気にすることもなく、アイデアは
フランスから出しているんだし、できたものが結局フレンチテイストだっ
たらそれでいいじゃないか、という主張です。現在では日本の着物だって
海外で作っているし、それはそれでありだとは思うのですが、一つ違うと
ころは海外生産の日本の着物はそれだけ安いですが、インド産のフランス
製品は全然安くないところです。アイデア料をそれだけ取っている、とい
うことになると思うのですが、うーん、結構なアイデア料ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


それにしてもどの製品も色、柄がきれいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ただのギンガムチェックでもこれだけおしゃれになります。

インドをはじめ安く作ってるんだろうな、と思う反面、フランスは、イタ
リア以上に(イタリアもインド製すごく多くなっています)現地の生地を
そのまま使っています。イタリアはイタリア製と言われてもわからないよ
うな生地を使っていますが、フランスは現地の生地そのままを使います。
その特徴というか、特に夏の生地では信じられないくらい薄い生地だった
り、薄くて風合いはいいけど横の糸がまっすぐ通ってなかったり(地の目
曲がり、といいます)目が飛んだり節糸が入っていたりと結構バラエティ
ーに富んでいます。そのバラエティーは日本のアパレルの基準からすると
すべて「難物」、という一言で片づけられてしまいます。ヨーロッパは当
然洋服、というものの歴史が日本とは比べるのもおこがましいほど古く、
洗濯だけでなく、各種取り扱い、ケア方法もまったくもって理解度合いが
違います。天然繊維(綿、麻)に節糸があるのは当たり前、陽に当たって
も洗濯しても色が落ちるのは当たり前、レーヨンが縮むのは当たり前、ビ
ビットカラーが色落ちしやすいのは当たり前、粗い組織の生地を使ったも
のは引っ掛けたりしないように金具のついたバッグは持たないようにし、
薄い織物が裂けやすいのは当然なので取り扱いには十分気を付ける、こう
いうことは本当に当然のことです。今回その「当たり前」に挙げたものは
日本では「よく来るクレーム」というマニュアルがあったら必ず載ってい
そうな内容ですし、私自身今まで何度も対応してきました。今回のフラン
ス展の出展商品、本当に薄いものが多いです。そしてインドでは機械では
折れないような薄物を手織りでどんどん作っていきます。日本の方には使
い方を注意してもらわなければなりませんが、そんな薄い天然素材、今年
毎日40度を超えたフランスにはぴったりの素材じゃないですか。イタリア
ほどのタイトシルエットには対応できないかもしれませんが、フレアーが
得意なフレンチラインにはぴったり合います。今後の夏の酷暑を考えると
この行き方、ありかもしれません。そう考えるとフランスの行き方、十分
ありに思えてきました。日本でこんなに涼しくてきれいな色の素材って、
ないですよね。

軽やかな素材に軽やかな色を付け、軽やかなデザインにして羽織る、それ
を日本のメーカーが絶対に使わない薄手の天然繊維で、って、いいじゃな
いですか。下の写真の絶対日本にはない色、柄、よくご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



暖色系もよかったですが寒色系もよかったです。写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく前立てのまっすぐ度とか、そういう完成度で言ったら日本製にか
なうものはありません。でも前立てが曲がっていようが左右のバランスが
違おうがかっこいい服ってあるんです。そして日本で製品クレームが多い
のはそれだけ服に対する何の説明もしてこなかったからです。メーカーも、
ショップも。さすがに洋服文化の成熟度が違うフランス、服の完成度より
も洋服文化の成熟度にはかなりの開きがあるようです。今は普段着てる人
をほとんど見ることのない和服ですが、和服文化の成熟度は依然高段階に
あるため品質、取り扱いの問題なんてほとんど聞いたことがないですよね。
フランス、まだまだ学ぶものが多そうです。

各国の展示会を紹介してきましたが、最後にご紹介するのはインド・トレ
ンドフェアです。7月29日から3日間、新宿住友ビル・三角広場で開催され
ました。参加企業は約200社、と対日貿易を拡大しようとする意志がひし
ひしと伝わってきます。会場の雰囲気はこんな感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

27年春夏の商品ですが、清涼感に富む素材が多く並びます。現在インドの
綿花の生産量は中国に次いで世界第2位。特にナイル川周辺では超長綿と呼
ばれる高級綿の産地として世界的に有名です。そんな綿を中心に、麻、シ
ルクといった天然繊維が中心となります。そして世界一の人口を背景にち
ょっと信じられないくらい手の込んだものが安いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この写真のものすべて刺繍ですが、同じものを日本の工場で頼んだら5~10
倍くらいの値段になります。まったく、ちょっとかなわないですね。フラ
ンスのメーカーはそれをきちっとインドから仕入れた5~10倍で売っていま
す。それだけ払ってもその価値があればいいんだろう、というそのフラン
スメーカーの意気込みは買いたいですね。
手法は刺繍、ジャガード、プリント、2重織、何でもありです。こんな感じ
です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




しかも柄と言ったら1件でこんなにあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが200件あるって、結構すごいですよ。ここではプリント中心ですが、
下の写真のメーカーは、全商品刺繍です。ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数もすごいし、しかもびっくりするくらい安いです。その隣のブースでは
プリントと先染めが並びます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先染めは来秋冬用が多かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このようにハンガーにかけられないものは畳んで置いてあって、それら全
部合わせると1件で300~400柄くらいあって、バイイングしていた時はと
にかく全部見てほしい、とどこのブースでも言われて見るのが本当に大変
でした。なんか一人で出張行って時間がないのによく全部見てたなあ、と
バイイングしなくなった今しみじみ思います。

どのメーカーも商売は順調なようです。そのうちに「日本は円がなあ」、と
同情されたりしてなんかもう昔と立場は全く逆です。彼らの最大の得意先は
ヨーロッパで、特に年2回開催される「プレタポルテ・パリ」、という展示会
が最大の稼ぎ時となります。そしてそんな彼らのオリジナル企画も良いもの
はフランス企画でなくても5~10倍で売ります。そんなフランスメーカーから
買った会社とインドから直接買ったかつて勤めていた会社の商品が店頭でバ
ッティングしたことがあって、その上代の差はちょっと笑いました。日本人
は人が良いのでわざわざインドに買いに行く人も少なく、しかもサンプル1枚
しか買わないので、結局アップチャージでフランス値段で買うことになった
りします。少なくとも商売としてのファッションが成熟するのも、日本はま
だまだ時間がかかりそうです。自分の目で見て良いものは買う、安くするに
は見込み買いが必要、そして買ったものは一生懸命売る、と、全くの商売の
基本なのですが、それが会議して危険回避、相談して責任回避、とかどうし
ても責任を自分で取らない方向に日本の会社は動きます。昔とある巨大スー
パーマーケットのバイヤーが、「リスク無きところに利益なし、リスクを持つ
ところだけに利益の花が咲く」、ということをいつもおっしゃっていました。
それはまあそちらでリスク持って、その分儲けてね、ということだったんで
すが、いずれにしろリスク回避の道は売れないものを作らないよう、買わな
いよう毎日毎日勉強して自分を磨いていくこと以外にないです。それでも100
%売れる商品だけ作る、買う、ということは実際にはありえないので失敗し
たものは失敗したもので早くなくして現金に換える、そのためにはネットワ
ークを築いておくしかないです。ヘッドワーク、ネットワーク、フットワーク、
という3つは昔から商売の基本で、それにプラスしてチームワークを入れるの
が一時期流行りましたが、それを入れると結局リスク回避ばっかりになって
しまうんですよね。勉強していきましょう。そして歩いて、どこでも見て歩
きましょう。お世話になった方を大切にしましょう。特に将来自分のブラン
ドを持ちたいとか、自分のショップを持ちたいとか考えている人はなおさら
です。そして特に仕入れ先 

を可能な限り大切にしてください。仕入先、下請けいじめしているところっ
て、それでいい時はとても良かったりしますが、悪い時が必ず来ます。そし
てその時にはもうどうにもならないです。そうして駄目になった会社をもう
いくつも見てきました。自分に厳しく、仕入れ先には優しく、これは本当に
忘れないでください。

 

今回インド展では、かつての仕入れ先と本当に楽しく話すことができました。
楽しかったです。またいつかはインド、行きたいです。

 

今回はフランスとインドと集中豪雨の話になってしまいました。タイトルの
「LEBEL FIVE」は2001年発表のキング・クリムゾンの超ヘビーな曲から
取りました。もっと軽いフレンチっぽいタイトルを考えていたのですが、あ
の晩のことと、その後各地で見た放置自動車の風景がまだ頭から離れないよ
うです。ただ、みなさんがアパレル会社のどこにでも就職して入社した時は
本当にレベル1でしかありません。切磋琢磨して、勉強して、いつかはレベ
ル5まで登って欲しい、という願いも込めています。大変なのはわかってい
ますが、その大変に負けずに頑張っていきましょう。山は遠くから見ても高
いですが、頂上まで登ればその高さは格別ですよ。

 

次回からはまた展示会レポートが続く予定です。なるべく早く更新していく
つもりなのでご期待いただけたらと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

8/28に開催予定です。

 

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