~就活室便り~#31 Your Time Is Gonna Come~ファッションワールド東京訪問記 1
みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。桜が咲いたのは良いんですけど
花粉と黄砂が満開で最近結構つらいです。杉が終われば次はヒノキと、今後さらに
辛いのが続いていきます。それから半年もすると秋のセイタカ花粉症が始まるので
つらい時期が本当に長いですよね。杉、ヒノキといえば日本を代表する建材なので
なくすわけにはいかないのはわかりますが、セイタカアワダチソウくらいはもう
少し本気で駆除していただいてもいいような気はしますけどね。この前街を歩いて
いたら街頭演説をしていた某政党の次期候補者が、杉を花粉の出ない、もしくは
出にくい品種に植え替える、という話をしていて、花粉症も遂に政争の具にされる
時代になったんだな、と痛感しました。日本中の杉が花粉の出にくいものへ植え替え、
ってそう簡単にできるものとは思えませんが、花粉症に対する理解がより進む手助け
にはなればいいな、と思います。特にお年寄りで花粉症のつらさをなかなかわかって
いただけない方って、いらっしゃいますよね。目、鼻だけじゃなくて頭皮から体中
かゆくなったりします。これがなければ春って一番良い季節だったりしますよね。
まあとにかく今のところはポケットティッシュは必ず3個かばんに入れて持ち歩く
ようにしています。大量飛散の日って、玄関を出たとたん、思わず笑ってしまうの
ですが、いつかは福が来るようお祈りしたいですね。
今回は3月26~28日、東京ビッグサイトで開催されたファッションワールド東京の
レポートをお送りしたいと思います。この展示会は出展企業が550社、来場者2万人
というファッション関連の展示会としては最大の規模を誇ります。そんな大規模な
展示会でいったいどんな出会いがあるか、楽しみにして訪問しました。結果数社から
お話をお伺いすることができましたので、その一部だけでも紹介したいと思います。
まず最初にお伺いしたのはローブさん。ローブさんといえばアパレル業界では知ら
ない人はいない、と言ってもいい会社です。一般知名度はそんなに高くはないかも
しれませんが、とにかくヒットアイテムを毎年多数抱えるアパレルであります。
そんな会社の基本理念をよく表しているのは企業ホームページに載っている次の
言葉だと思います。
目まぐるしく移り変わるファッションの動向をいち早くキャッチし、
「高品質・好感度の商品をタイムリーに適正価格で提供する」ことが
私たちの使命であると考えています。
まさに言い得て妙ですね。まずは写真をご覧ください。
写真右のブラウスはリバティ社のプリントをしているのですが、リバティプリントの
生地の年間使用量はもう長い間日本でずうっとトップの座を守っているそうです。
そのこともすごいですが、現在でも基本的に自社デザイン、自社パターン、生地を
発注して工場出しして作っているそうです。それが何か驚くことがあるのか、と思う
方が多いと思いますが、現在はそのものづくりを商社が代行するケースのほうが
圧倒的に多く、そうして商社が生産代行し、海外での生産が増えた結果がアパレル
製品の輸入率が98.5%、という数字になって表れているんだと思います。それどころか、
最初の企画、デザインまでも商社にお任せするODMという商売パターンが増えており、
ものづくりを忘れたアパレルが、特に大手では増えているのが現状です。昔ながらの
やり方を踏襲しているローブさんのようなアパレルはむしろ貴重な存在になってきて
いるといえると思います。他人任せでできた商品と自社で何回もサンプルに修正を加え、
やっとのことで完成した製品はどこが違うかというと、着心地とシルエットです。
服は立体的な商品なのでたとえ写真、WEBで見て同じシルエットに見えても実際
着比べてみると、作りこんだ方は細く見えても着やすかったり、実際に着た時のシル
エットが全然違ったりします。不思議なもので20歳前後のみなさんは何をお召しに
なってもそんなに差が出なかったりするのですが、これがあと10年も年を重ねると
シルエットの差が顕著になってきます。良いと思って試着してみたら何これ、と思う
ものもほぼ同じデザインでも他のブランドに行って試着してみるといいじゃん、これ、
と思うものがたくさんあります。自分のお気に入りのブランドって、こういうところ
からできていったりするので、結構年取るって面白いですよ。
すいません、ローブさんの話からだいぶ離れてしまいました。現在、国内での繊維製品
生産量が少なくなるにつれ、生地、素材も量だけでなくそのバリエーションも減少傾向
にあります。結局、生地の段階から別注していくしか自分たちのイメージずばりの素材を
手に入れる方法はないのですが、たいてい生地の最低生産可能量は作ろうとする製品の
生産枚数より多いことが多く、その最低生産数量をこなせなければ、アップチャージを
払っての生地生産となり、しかもそういう商品は繁忙期には作ってもらえないのでローブ
さんのモットー、「タイムリーに適正価格で」、ということが守れなくなります。対策と
しては売れる商品を作ること、そしてしっかり売り切ること、という単純に見えて実行が
かなり難しいことを毎日、毎週、毎月、毎シーズンこなしていくしかないのです。そんな
商品のバリエーションの一部を下の写真からご確認ください。
写真が少し小さめなのですが、右のほうに見えるイエローのチェックも左のほうのシャギー
ニットも全部別注素材だそうです。白黒などのよくあるチェックならまだしもイエローを
別注するって、結構度胸のいることですが、事前の市場調査、顧客の嗜好分析、デザイン、
パターンへのこだわり、適正価格で全社員が率先して販売、と、そういう要素がそろって
やっと企画が完成する、という好例と言えると思います。たとえどんな規格が素晴らしく
てもそれが商業ベースとして成り立つ、ということは並みの努力ではできることではない、
ということを覚えておいてください。ただ自分の作りたいものを作る、というのとそれで
稼いで食べていく、というのは似ているように見えて全然違います。ものづくりの難しさ
を今まで何回も紹介してきましたが、売れるものを作って儲けるって、もっともっと難しい
ですよ。鈴木光司の小説「ループ」の中で主人公がとある人物に世の中で一番大切なもの
は何か、と問われるシーンがあります。その答えというのは、「世の中で、一番大切なの
は予算だよ。」というものでした。現在、本が手元になく、ひょっとしたら予算じゃなくて
コストだったかもしれません。いずれにしろ服1枚作ろうと思った時、自分で羊の毛を刈る
わけでもないし、糸を撚れるわけではないし、機を織るわけでもないし、結構自分ひとりで
できることって限られています。あとは各部門の方たちとのお付き合いときちっとした
お支払いが必要になります。そんな実際のものづくりを覚えられる機会があったらなあ、
と常に思っているのですが今の段階ではまだ課題としておいてください。今少しづついろんな
企業様と相談させていただいています。
すいません、またまたローブさんから離れてしまいました。そんなよく作ってよく売る
ローブさん、それゆえ会社の規模に比べてパタンナーの数はかなりの人数らしいです。
パタンナーを目指す方、一度お考えになってはいかがでしょうか。ただし、職場は本社の
ある大阪ですよ。ローブさん以外でも大阪のアパレルでは結構パタンナー職の求人があったり
します。日本第二の都市ではあるので、パタンナー職を目指すみなさん、大阪の企業を一度
候補に入れて考えてみましょう。かなり就職先の幅が広がりますよ。当然ローブさんでは仕事の花形、
営業職の募集をしています。ここで働けば売れる商品ってどういうものなのかはっきり学べると
思います。学べれば売れる商品の企画もできるようになりますよ。将来自分のブランド立ち上げ
たいと思っている方も学べるものは多いですよ。そんなローブさんをまず紹介させていただきました。
次にご紹介するのはラブ・ラボさんです。Tシャツを中心に各種商品を展開していらっしゃい
ます。まず代表的な商品の写真をご覧ください。
ソフトクリームのTシャツですが、クリームの部分だけが発泡プリントで立体的に盛り上がって
います。隣の黒いTシャツもプリント部分は立体的な仕上がりとなっています。最近Tシャツの
製品プリントを手掛ける会社は都内でもかなりの数に上るのですが、たいていは転写なら転写、
シルクスクリーンならシルクスクリーン、と手法は決まっていて、加工の方法は限られるのですが、
シルクスクリーン、転写、インクジェット、など各種の手法が選べ、発泡、グリッター、ホロ
グラム、等立体的な表現にまで対応している会社はあまりないと思います。生産は香川の自社工場
で製版から染色、加工まで一貫でこなしているとのことで、かなりの幅の商品に対応されています。
もう一枚写真をどうぞ。
こちらもかなりの立体感のあるプリントです。これらすべて顧客のイメージから図案を作成し、
商品化までもっていったもので、そのお客様のアイデア、声をいかに具現化していくかがラブ・ラボ様
での仕事のポイントとなります。グラフィック・デザインが得意なだけではなく、それをTシャツの
上で、どのような染色方法を使って、どのような仕上がりにしていくか、というような染色技術の
知識も当然必要になってきます。学ぶことは多いですが、やはりここでもお客様の要望を引き出す
コミュニケーション能力が問われることになると思います。イメージの具現化って言葉でいうのは簡単
ですけど実際にはかなり難しい作業ですよ。これもまた立派なクリエイトの一つです。基本的にTシャツの
型自体は数種類の中から選ぶ方式になっていて、デザインを加えたり修正することはできませんが、
柄には無限大にアイデアが詰め込めるので、とても面白い仕事だと思います。色、柄、グラフィック
デザインに興味のある方、ラブ・ラボさんの染色加工は香川工場で進行していますが、お客様との
コンタクトや図案作成は東京本社での仕事がメインになると思いますので、そんなお仕事に興味のある
みなさんはどんどん挑戦してみてくださいね。
、となんだか2社の紹介のみで今回は紙面が尽きてしまったようです。最近採算ベースのものづくりを
いかに学生に教えていくか、ということに非常に興味があり、そんな話を春休み中に数社と話す機会が
あったりして今回はその話が長くなってしまいました。それとやはりすべてに関してコミュニケーション
能力が絡んできます。コミュニケーション能力、十言っても話術がたくみとか、人付き合いが得意とか、
そんな必要は全くありません。大事なのは自分の考えを人に伝える努力と、人の話を聞き、その話を理解し
共感する力だと思います。口下手、話下手、あがり症、そんなことまったく気にしなくていいんですよ。
それ以上にいかに自分の思い通りにものづくりを完成させるか、そしてその良さをどうしたら一人でも
多くの方にわかっていただけるか、そのために努力していれば必ずコミュニケーション能力は後から付いて
きます。授業でアンケートを取ってみても自分に足りないものは、との問いにほぼ9割の学生がコミュニ
ケーション能力不足、と回答します。でもうまいスピーチなんて特に若いうちは本当に必要ないんですよ。
それよりどうしても自分はこれがやりたいんだ、ということを人に伝える努力だけは惜しまないでください。
そしてそれだけ情熱を傾けられる“やりたいこと”を大切にしてください。それさえあれば、いつか必ず何とか
なります。以心伝心、とは言いますけれど、黙っているだけではやはり何も伝わりません。言葉がいくら
稚拙でも、伝えようと努力すれば思いは必ず伝わります。そうして年月を重ねれば話なんて必ずうまくなり
ますよ。コミュニケーション能力の第一は伝える気持ち、相手の気持ちを察する心です。そんな気持ちを
大事にしていろいろチャレンジしていきましょう。いつかは必ず何とかなりますから。
なんか展示会レポートからだいぶずれたところもありましたが、最近いろいろ考えていたことを今回訪問
してさらに思いを深くしたところがある、ということで理解してください。次回はその他のブースを回った
時のレポートをお送りしたいと思います。頑張っていきますよ。
ではまた。
HANAZONO
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