~就活室便り~#34 Living Colour JAPAN TEXTILE SCOPE 訪問記 | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

~就活室便り~#34 Living Colour  JAPAN  TEXTILE  SCOPE 訪問記

~就活室便り~#34 Living Colour  JAPAN  TEXTILE  SCOPE 訪問記

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。なんかもう寒は戻らないようで、
半袖の日々がやってきそうですね。この季節になるといつでも羽織るものに悩みま
す。朝晩と雨の日くらいは何か羽織ろうかと思うのですが、なかなかちょうどいい
ものがないですね。加えて私は特にこの季節の電車の冷房が苦手で、まあ真夏でも
そうなのですが、元々弱冷房車が結構ストライクだったりします。これから、特に
梅雨時の電車の冷房が結構辛いものがあります。コンパクトに畳める、いい羽織り
物があるといいですね。

 

いずれにしろ平均気温は下がる兆候を見せないので、ファッションの主流も防寒
からあいのもの中心になってくると思いますが、先日新聞で、「暑秋」という言葉を
見つけました。最近本当に9月10月は暑いですから従来の「初秋」、という言葉は
なくなってしまうのかもしれません。昔をいくら懐かしんでも変動した気候をそう
簡単に元に戻す方法はないわけですから変化に対応して変わっていくしかないです
よね。

 

そんな中、以前のJAPAN CREATIONからJAPAN TEXTILE SCOPEへと生まれ
変わったイベントが都立産業貿易センター浜松町館にて開催されました。今回は
そのレポートをおおくりしたいと思います。

 

前回までは東京国際フォーラムの地下フロアを使用して横に広い展示でしたが、
今回は産業貿易センターの2階から5階までの4フロアをアイテム別に使用していて、
そもそもの雰囲気がだいぶ違います。見やすさは今回の方が見やすいかも知れま
せんが、前回までのような展示会独特の猥雑さ、というか、そんな雰囲気は少し
薄れたような気がします。横に広くて、遠目にも「あの混んでるブースは何だろう」、
とか思いながら混んでるブースはさらに込み合うとか、そんな感じが合同展の良さ
だったりすると思うのですが、今回は1フロアがそんなに広くはないので全体的な
盛り上がりとしてはどうかな、と思いました。

 

それでも満員のブースも数多くみられ、海外からのお客様中心に、実際の生地
オーダーもかなり出ているようでした。まずはコンセプトブースへお邪魔して
26年春夏のトレンドを確認し、それに沿って開発された生地を見ることから始め
ました。

 

トレンドコーナーの真ん中に人気投票コーナーがあり、各社が競って新規開発
商品をエントリーしています。一人3枚シールをもらい、その中でベスト3と思わ
れるものにシールを貼っていきます。その中で、まだ途中の段階ですが1番人気と
思われるものは次の写真の東レさんの作品でした。写真をご覧ください。

東レのベストセラー生地、「ウルトラスエード」にプリントを施し、その上に
麻の生地を張り合わせ、ランダムにオパール加工を施すことにより、一部張り
合わせた麻の記事が抜け、独特の雰囲気を醸し出しています。まさにショー限定
のスペシャル加工生地、という感じで、当然参考プライスも出ていません。
実際に販売されるとは当然思えないショースペシャルなのですが、近来はそんな
ショースペシャルさえも作る余裕がなかった生地業界が、少しは明るい兆しが
見えてきたのかな、と、そんな感想を持ちます。私も1票入れてきました。量産
には至らない(多分本生産したら値段がとんでもないものになってるとおもい
ます)ものが提案の形だけでもどんどん出てくるようになれば、世の中少し
明るくなりますって。夢の技術、夢の生地、いいじゃないですか。

 

その次に人気があったのは浅記商事さんのチェック生地でした。こちらは参考
プライスも出ていて、まさしく現業用、というか、今すぐジャケット用の生地と
して販売していてもおかしくない生地です。それでも下の写真のように数多く
シールが貼られているのはこの立体感と風合いがなかなか出せないものだから
です。各コーナーでそんな日本の技術を誇る生地は特に外国人バイヤーに大人気
だったようです。改めて写真をご覧ください。左手のチェックの生地です。

即現物用、といってもこの生地でジャケットを作ったら多分4~5万、用尺の
かからないデザイン、等の理由でたとえ安くなっても3万を切ることはないと
思いますのでやはり高級品であることは間違いありません。日本の高級生地は
海外で大人気で、各産地共、大口取引先は殆ど海外アパレルです。日本のアパ
レルにもこれから何とか頑張って行って欲しいです。

 

中央ブースには素材テーマ、キーカラー別に4つのコンセプトとそれに基づいて
開発された素材が並んでいます。

 

第一のコンセプトは《風の音 水の音》。ナチュラルテイスト、透明感、濃い
カラーとデリケートカラーで構成されています。

次のコンセプトは《デート》。ソフトなファンタジーカラーがカラーテーマと
なっていますが、従来のパステルとは違いもっとこっくりとした深みのある
暖色系が中心となっています。もしくはスイーツ・カラーといったほうがしっ
くりくるかもしれません。

3つ目は《陰陽》。従来のサマーダークとは違う、よりクールでクリアーな
カラーが多く晩夏初秋企画がようやくダークと決別した、ということでしょうか。

 

最後は《オタクカルチャー》。デジタルでスマートなビビットカラー、という
説明ですが、ビビットというよりはベジタブル、フルーツカラーと表現した方が
ぴったり当てはまるような親しみやすい元気カラーで展開されています。それだ
けオタクカルチャー自体がかなり普通なことになってきた証拠の1つであるという
ことでしょうか。

この4つのコンセプトのブースは毎回かなり広いスペースを使用し、生地もふん
だんに展示し、この展示会の魅力の一つとなっています。この陳列の生地を1点1点
全種類触って廻ります。どんな画像を見てどんな解説を聞いても結局生地は触って
見なくては判断ができません。これはいつまでたってもどこまでいってもまったく
変わることのない真実です。

将来のデザイナー、パタンナー、MD候補のみなさん、さあ一歩でも外へ出て1つ
でも多く生地を触りましょう。それで得することはあっても損することはないし、
どんな企画も社内でできるのではなく、お客様、仕入れ先、等の方たちとの接点
から生まれるのですから。

もう展示会コンセプトの1つとして外すことができないのがSDGsというテーマです。
今回は三越伊勢丹が服飾系専門学校3校とコラボレーションし、デニム素材を使って
アップサイクル、〔kawaii〕、という企画テーマに基づき作品を作成し、その完成品
は新宿伊勢丹のウインドーにディスプレイされ、併せてコンペティションも行われ
ました。その規格の作品数点が今回の展示会でも陳列されており、その最優秀作品
『未来アワード』受賞作が以下の作品です。

かなり細かくカットされているので元々何だったかわかりにくいですが、原料は
あえていうなら「リーバイス501」、ということになります。それを一人7~8枚の501
から取ったパーツで作品を仕上げているそうです。手前が大賞受賞作ですが、ほかの
作品の写真もご覧ください。

みなさんあるいはランダムに、あるいはひも状にして織り込むように、あるいは
フリンジのようにカットして大胆に作品をしあげています。デニムはカットすると
緯糸の白が目立って表面に出てくるようになり、しかも元のデニム生地の色落ち
度合いが1点1点違うわけですから、一つの作品の中に緻密な計算と偶然が入り
混じった作品になっています。ちなみに元の材料段階と言っていい501の生地も
陳列してありました。下の写真をご覧ください。

 

実際に作り始める前にこのカット残の生地(製品)を選ぶところからこの
コンペティションは始まるらしいですから、まさにその段階から白熱するわけ
ですが、このカットされた501を見て、完成品をすぐ思い浮かべられる人って、
殆どいないような気がしますよね。偶然と計算、その両方が入り混じった企画、
なんかとっても面白いと思います。今回のコンペティションの開催は今年の4月
で、9日から22日まで各作品が交代で伊勢丹新宿本店のウインドーに飾られた
とのこと。次回の開催は2027年ということで、その説明会は1年半後、とのこと
でした。次回の第3回アワードにはぜひ本校にもお声がけをお願いしたのですが、
1年半後に1人でも挑戦しようという学生がいてくれればいいな、と思いながら
このブースを後にしました。今の1年生で3年専攻科進学希望者にはチャンスが
あると思うので、何とか頑張ってほしいものです。

 

、というわけでこれから各ブース紹介に入る、というところですが、だいぶ紙面
を使ってしまいました。今回ご紹介した人気投票、コンセプトブース、未来アワード
ブースが1フロアの中で展開されており、それ以外の商談ベースは別階で、という
非常にわかりやすくシンプルな構成になっているのが今回の展示会の特徴でした。
ただそれが少しわかりやすすぎ、きれいすぎかな、と、思うのが今回の正直な印象
でした。忙しい方だとひょっとしたらこの階を素通りするんじゃないかな、という
のがちょっと懸念されるような静かな階で、他の商談を伴うフロアは人々の話し声
がかなり響き、むしろ喧騒と言ったほうが良いような具合でした。私はそんな喧騒に
慣れているので、なんか展示会って、そんな雰囲気のものって勝手に思ってしまって
いるところがありますね。いずれにしろ次回、次々回と、この会場が続くようなので
効果的なフロアレイアウトを考えて頂ければと思います。

 

一時期よりはテキスタイル産地の状況は改善してきたように見えますが、テキスタイル
コンバーターが縮小した今、産地としていかに拡販のための営業体制をとれるか、また
アパレル各社がいかに安定して国内産地からの仕入れができるのか、その解答はまだ
出ていません。産地もアパレルメーカーも、その先のリテール各社も変わるところは
変わっていかないと生地にしろ縫製にしろ国内産地はもうもたない、この先長くはない、
というのは明らかなのですが、産地の持っている技術はそのまま消えてしまうのは惜し
い、というより一種国の宝だと思って保護していくべきものではないか、という気持ち
がひしひしと湧いてきます。そしてその良さを見出し、実需につなげているのがほとん
ど全て海外アパレル、というのも

これは産地の廃退というよりは日本のアパレルの廃退、ということを表しているのでは
ないでしょうか。今後の各社の動きを注目しつつ、業界全体がいい方向に向かって進ん
でいくのは一筋縄ではいかない気がします。数社のアパレルがリーダーとして新しい
方向に引っ張って行ってくれるのが一番の近道じゃないか、という気がしますが、そん
な強力なリーダーはそう簡単には現れてくれそうになさそうですね、

 

それでもこれだけ素晴らしい企画を素晴らしい技術で表現できる展示会が世界中に
いくつもあるわけじゃありません。どんどん今後に期待していきましょう。そして
そんな内容の展示会、企業の情報を今後もどんどん紹介していきたいと思います。

 

各企業ブースについては、次回レポートで紹介していきたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

6/1に開催予定です。

 

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