~就活室便り~#63 Come Rain or Come Shine
みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。これくらい暑くなって
くると、一気に半袖まで行っちゃおうかな、と思うんですけど、そうする
と梅雨の季節には寒い思いをしたりするもんでなかなか踏み切れません。
前に長袖を全部閉まってしまって、そうしているうちにものすごい梅雨寒
になってしまい、歯の根も合わないほど寒くなって結局、外出先でジャン
パーを購入し、やっと寒さはしのげたのですが、その季節にジャンパーっ
て、セールも終わっていて、在庫のあるのはブランド物しかなく、それが
やたら高かったのですが、背に腹は代えられずに購入。それでも梅雨寒な
んてそんな長い間続くわけではないので、そのシーズンは結局2,3度しか出
番がなく、それにしても高い買い物だった、ということから懲りて、なる
べく7月上旬までは長袖で、と思ったりしているのですが、結構毎年長袖が
早めに辛くなってきてます。そんな梅雨寒対策やUV対策で女性用のものは
薄手の羽織り物が実にいっぱいあるんですが、男性用は量、質ともに薄い
ですね。結局暑さにも寒さにも耐える機会が長くなります。その他靴や傘、
防水グッズ含めて、梅雨時がもっと楽しくなるグッズが増えないですかね。
まあ、今の若い方、特に女性は早くからもう薄着になっている人や暑くな
ってもブーツや厚手のものでも平気な人、特に昔と違うのは雨でもなんで
も結構な度合いで濡れても平気で気にしない人が増えました。昔の女性は
ほんのちょっとの雨でもすぐに傘をさして、止んだだろうと思ってもなか
なか傘を畳みませんでした。天気予報になかった急な雨、とかの時に、よく
学校の窓の外を眺めて、女性が傘をさしていなかったら完全に雨が止んだ
んだ、という判断材料にしていてそれが外れることは100%ありませんでし
た。それが最近では若い女性より私のほうが傘を開くのが早いですし、畳
むのも遅いです。いつからそうなってしまったのかはわかりませんが、なん
かいろんな常識が変わりつつありますね。いろんな事であんまり若い方に
負けたくない、と思って結構いろんなことで対抗したりするのですが、雨に
関しては素直に負けでいいです。雨に濡れるのはどうしても好きになれませ
ん。逆に濡れなくて快適なグッズがあればどんどん紹介していただきたいで
す。
最近はゴアテックスを使用したスニーカーがあって、雨の日には特に重宝し
ています。しかし、この前ものすごい豪雨の日がありまして、その日に濡れ
たズボンの裾から靴下経由で内部に浸水してしまう、ということがありまし
て、スニーカーでもハイカットの構造のものや防水ズボンとの組み合わせを
考えるしかないのかな、と思いました。ただ、防水のズボンって、思い切り
アウトドアか思い切り工事現場仕様かどちらかだったりするんですよね。な
んかもうちょっとタウン寄りの軟弱使用がないかなあ、と思い探しているの
ですが、それがなかなか見つからないですね。まあとにかく気長に探してみ
たいと思います。
そんな雨の降る1日に、以前ご紹介したふじや染工房さんにお伺いし、引き
染めの体験をしてきました。引率したのは当校専攻科所属の5人の学生で、
そのうち2人が傘を持参しておらず、しかも降りしきる雨の中、そのまま出
かけようとするので、それはさすがに止めて傘を貸しましたが、やはりそれ
だけ時代の常識は変わっているようです。そんなメンバーと伝統工芸、と言
える引き染めの体験をしに行くわけですから結構楽しい行程になりました。
ふじや染工房さんをこのブログにてご紹介したのは3月6日公開の#57、タイ
トルはRain Songでした。その時には今回の訪問の天気が雨になる、とは思
ってもみなかったんですが、とにかく型を使わない手染め、という手法にだ
いぶ魅了されてその後一度はお伺いしようと思っていたのは間違いありませ
ん。思い出していただきたいのでもう一度ご覧に入れますが、これが手染め
のスカーフです。

今回お伺いしてまたいろいろな話を聞いてきたのですが、この刷毛の模様、
フリーハンドで書いているんですから完全な一点ものと思うじゃないですか。
ところが、ふじや染工房の中村社長がおっしゃるのは、まったく同じものが
いくらでも作れる、じゃないと商売にはならないですから、と、平気でおっ
しゃいます。それは何か特別な技法、秘密があるわけではなく、職人という
のはそういうものだ、とおっしゃいました。アーティストと違って、職人だ
ったら一度作ったものが再現できるのは当然、とおっしゃって、むしろ私が
なんでこんなことを聞くんだろう?と、不思議がっている感じでした。江戸
職人恐るべし、そんな職人を前にしてずぶの素人の集団が引き染めに挑戦し
ていきます。
まずは写真をご覧いただきたいと思います。

この吊るした布を今回6人で6等分して染めていきます。左に移っている男性
が中村社長ですが、染める前にまずは詳しい解説をお伺いしているところで
す。こうして吊った生地に手書きで染めていくわけですが、この日は雨でも
外気は20度近くまで上がった暖かい日だったのですが、染色は温度が上がら
ないと染料が定着しないため、ストーブが2つ点いていました。温度だけでな
く、湿度の管理も徹底していて、湿度が低い場合は打ち水をして湿度を上げる
そうです。そういう意味の温度管理、湿度管理に最適なのがこの土間、という
構造
ということで、もう70年以上受け継がれているとのことです。また、染料が零
れ落ちても、打ち水した土間に落ちた染料が舞い上がる、ということはないそう
で、それが土間にこだわるもう1つの理由だそうです。確かに落ちた染料が舞い
上がって大事な絹織物に付着してしまった、なんて事になったら、ちょっと取り
返しがつかないですものね。そして、染め上がった反物はそのままここで自然乾
燥させていくそうです。むやみやたらに動かさない、自然な取り扱いがクオリテ
ィと品質安定に役立っているそうです。この土間で長さ12メートルの反物の染が
可能です。土間に置いてある新聞紙の上に染料が置かれています。
どんどん写真を見ていただきましょう。

染め方、諸注意を真剣に聞いています。右下の新聞紙の上にカーブした木の枝の
ようなものが見えるかと思います。これを染色前に生地がたわまないよう、セッ
トしていきます。

上の写真はその枝のセットの仕方を教わっているところです。皆真剣に聞いてい
ますね。

セットして生地を伸ばしている最中です。染料は基本的に8色使用します。その染
料が新聞紙の上に見えるかと思います。

セットの終わった学生から染め始めました。絵型は今まで何枚も書いていても、
立ったまま宙吊りの生地に書いていくのは全員初めての体験です。一生懸命に
取り組んでいます。

赤い魚と言ったらやっぱり金魚でしょうか。なんとなく初夏の香りが漂ってき
ます。

こちらはすっかり水玉職人に徹しているところ。寒色系を中心にさわやかに仕
上げています。

だいぶ完成形が見えて来ました。

いろいろ苦労しましたが、やっと全員完成です。
降りしきる雨、2時間弱で、引き染め、工房の解説、その歴史、特徴等のご説明
と体験染色を、雨音だけが聞こえる静かな静かな工房にて行いました。先ほど染
料は全8色とご紹介
しましたが、それは体験だから色数に制限があった、ということではなくて、本
番の仕事でも使用する染料は8色で、それをいろいろ調合して様々な色合いを作
っているんだそうです。私は高圧釜を使って大量生産する近代的設備の染色工場
には何度も行ったことはあるのですが、そういうところでは染料の調合は現在す
べてコンピューター管理で様々なデータに基づいて調合しますが、その時の気温、
湿度、生地の状態、等によって染め上がる色は左右され、同じ色の再現、という
ことには今までかなり苦労してきました。それが、この中村社長がおっしゃるに
は、色のデータ、レシピを取ってあるわけではなく、毎回染める度に新たに調合
しても前回と同じ色ができる、とのことなんですが、それだけの技術って、それ
が職人の技術だから、と平然とおっしゃいます。まさしく職人、恐るべし、です
ね。
今回の体験の元々の目的は、一度染色の現場を見せたい、体験させたい、とかね
がね思っていたことから始まっています。将来企業デザイナーになるにしても、自
分でブランド、アトリエを立ち上げものづくりしていくにしても、デザイン、モ
デリング、縫製は確かに大事ですが、素材のこだわり、色柄のこだわりもそれと
同様大切なものです。その染色の仕組みを理解するのに、染色現場の見学、体験
ほどその理解を深められるものはありません。同じ染料レシピで染めても、綿、
朝、ウール、レーヨン、合繊、素材が違えばすべて違う色で上がってきます。品
質は同じでも産地、加工方法等の違いによって発色は全然違ってきますし、平織
り、綾織り、サテン織り、という織り組織によってもまた全然違った見え方にな
ります。現在活躍されている有名デザイナーの方は全て、その素材、色柄に関す
るこだわりが並々ならない方ばっかりで、様々な染工場の方に、そのデザイナー
のこだわりを叶えるための苦労話は今までさんざんお伺いしてきました。ただ、
不可能なものを可能にて欲しい、と、依頼するのと、あとちょっと、具体的にこ
こをこうして理想のものに近づけて欲しい、と依頼するのでは意味が全く違って
きます。たいてい元から無理なものを依頼するようなデザイナーからは染工場も
どんどん距離を置いていき、最後には仕事を引き受けてくれる染工場はなくなり
ます。将来ものづくり、服作りを目指そうと思ったらこういった染色知識を含め、
いろんな勉強が必要となってくるのです。それゆえ染工場を訪問し、染色現場の
実態を見せたい、と、かねがね思っていたのですが、現在東京で染色整理をして
いる工場は皆無といってよく、工場見学はかねてからの課題でした。第一、住宅
の密集した東京で、染料を煮てその釜で染めるのですから、その染料の臭いだけ
でも近隣からの反対運動がおきそうです。
そんな中、かつては日本橋界隈で仕事をしていた和装の染工場が、明治維新以降
発展著しい日本橋から早稲田界隈に移転し、現在も数社が運営を続け、現在は伝
統工芸として保存の動きが出てきたところにインバウンド観光客によるジャパン
ブームに乗って、染色体験が盛んにおこなわれている、という事実を知るまでか
なり時間がかかってしまいました。元々去年から体験の企画はしていたのですが、
本学の最高学年である専攻科の学生にはとにかく一回見学、体験させておきたい、
という願いがやっと今年かなえることができました。出来あがった作品は当然乾
燥が終わりましたら、蒸し、洗い、という工程を経て完成となり、その現場も観
察してきました。現代の機械による染色工場ではないですが、併せて伝統文化に
も触れることができる、というメリットがあるため、今回あえて引き染めに挑戦
しました。ただ、その重きを置いていた染色の知識より、ひょっとしたら職人の
技術って、こんなにすごいんだ、ということのほうが強く印象を与えてしまった
かもしれません。それでも実は、服飾系専門学校のデザイナー科を卒業され、デ
ザイナーとしてキャリアを重ねた後、やはり学生時代やデザイナーとして訪問、見
学したものづくりの現場の魅力が忘れられなくなり、染職人、織職人になってし
まった、ていう方って、結構いらっしゃるんですよね。将来のことは今わかりませ
んが、こうして毎年体験しているうちに、将来そんな職人になる人が出てきたら、
それはそれで素適なことだと思うのですが。
ふじや染工房さんも最近ではパリの展示会に毎年出展されていたり、ホテルのタ
ペストリー等、インテリア部門でも有名になったり、とその職人芸を活かして、
各方面でご活躍されています。伝統工芸、職人技を守っているうちに、それがい
つしか最先端の位置にいるって、これからもそんなこと結構あるかもしれません。
いずれにしろ絶え間ない技術のブラッシュアップと、それを正当に評価する人が
いれば職人の伝統技術、これからもどんどん評価されていくと思います。みなさ
んも、そんな評価が正当にできるくらいどんどん良いものを、見て、触って、触
れて行ってください。それ以外に近道はどこにもありませんから。
今回の表題、「Come Rain or Come Shine」は、言わずもがな、特に様々なジャズ・
ミュージシャンによって演奏されてきた名曲です。雨だろうが晴れだろうが、天
気なんてどうでも、というような意味だと思いますが、私から一つだけ提案です。
雨が降ったら傘を差しましょう。最近は以前ほど酸性雨に関してのアナウンスは
少なくなりましたが、それでもやっぱり、濡れないに越したことはないですよ。
次回からはまた展示会レポートをお送りする予定です。ご期待ください。
ではまた。
HANAZONO
スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac
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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程
5/24に開催予定です。
詳しくは下記よりご確認ください。
https://www.tfac.ac.jp/open_college/
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