就活室便り | ファッション専門学校の東京服飾専門学校 - Part 2

就活室便り

~就活室便り~#43 Across the Universe side-A

~就活室便り~#43 Across the Universe side-A

 

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。なんか、予報通りと言って
いいのか、9月に入ってもやっぱり暑いですね。以前は9月に入ったら長袖シャツ
の上にジャケットを羽織って、汗だくになりながらも秋の気分を味わったことも
あったのですが、今となってはそんな気は全然ないですね。とにかく暑すぎるの
と、暑さを耐えようという気力がなくなってきました。気候の変化とともに1番変
わったのはその気力の方かもしれません。暑かったら脱ぐし寒かったら着るし、
季節を先取りした格好をしようとか、そんな気が最近は一切なくなってきました。
そうすると。、もうお店に行ってもプレシーズンの何だとか言われても見る気が全
くしないですね。情けないといえば情けないですが、その代わり婦人服だけはいつ
見ても興味が尽きることはありません。時間があれば必ずショップ巡りをするのは
相変わらずです。そう考えたら子供が小さい時は子供服は真剣に見ましたし、婦人
服はいつもの通りなので、見る時間が今まで1番少ないのはメンズかもしれないです
ね。流行も、ブランドも、結構疎かったりします。長袖・羽織ものの季節が来たら
これからはメンズブランドも少しは見てみようかな、と思います。

最近の男子学生と話していると、レディース専門アパレルにはなかなか興味が持て
ない、という学生が増えているような気がします。確かに現在は総合アパレルの数
は増えつつあり、しかも総合アパレルのメンズの6割を購買しているのが女性、と
いう話もあります。以前に取り上げた「アパレルドッグ」も、そうやってレディス
専門アパレルがメンズブランドを新設、デビューさせていく話でした。総合アパレ
ルはこれからもどんどん増えていきそうです。

それでもファッションの基本といったらやっぱりレディースですよね。シルエット、
色の傾向、等がシーズンで全く変わってしまう可能性があるのはレディースを置い
て他にはありません。ここでファッション・トレンドを学んでいくのがファッション
業界で成長していくいちばんの近道だと思うのですが、そういう意味でも男子学生
でもレディース専門アパレルにどんどんチャレンジして頂きたいです。実は元々
ファッション産業は男社会で、それこそ各アパレルの部長以上はほとんど男性だと
思いますよ。それだけ裏側では色・柄・デザインだけでなく色々なちょっと表で語れ
ない事も多い業界ではあるのですが、そんな裏側事情を差し置いても、男性社員が
一人店舗にいるだけでクレーム持ち込み率が全然違う、という話もあります。男子
学生の皆さん、ぜひレディース専門アパレルにトライして見てください。将来を考え
てプラスにはなれども絶対に損になることはないですよ。

そんなレディースの世界を今回もご紹介したいと思いますが、9月2日から同じ週に
3つの展示会にお邪魔してきました。今回はそんな展示会の内容をご紹介したいと
思います。


まず最初にお伺いしたのはTRANOI TOKYOです。今回は3回目の開催となり、前回
までの高評価を受け、今回は代々木第一体育館で開催、ということになり、会場が
広くなったことに伴い、出展者は件数、国別地域、両方とも増え、その注目度は増
しています。会場入場後、スタンドからアリーナの様子を撮影できました。下の写
真をご覧ください。

現在日本ではアパレル産業だけでこれだけの出展者を集めるのはなかなか難しくなっ
てきています。いずれにしろこの会場での展示会は初めてだと思いますので、内容の
期待は大です。

入ってすぐのコーナーは国の意向も働いているのでしょうか、アフリカ諸国のコー
ナーとなっています。出展社は10社近く、ということでかなり迫力があります。全体
は映しきれなかったのですが、以下の写真のようなコーナーが広がっています。

アフリカコーナーでも多かったのですが、結構パッチワーク、裁断生地の縫い合わせ
の商品をよく見かけました。SDGsの裁断生地残を無駄にしない、ということと、ト
レンドが結びついているところがあるのかな、と思います。アフリカブランドは、決
して安くないです。工場としてもプライスメリットがそれほどあるわけではない気が
します。歴史的に関係が深いのでテイスト的にはやはりヨーロッパ寄り、以前は中国
の工場、繊維商社がかなりアフリカに進出していましたが、最近はそんな話も滅多に
聞かず、これだけ自ら出展して売りに来ていることから、中国メーカーも本国内を守
るので結構精一杯なのと盛んにアフリカ進出した割には現地とあまりうまくいってな
かったのかな、と想像させます。

それ以外にも初めて見たところではサウジアラビアから数社、ジョージア、ルーマニア、
アルバニア、ウクライナ、等、あまりファッション業界では今までお付き合いがなかった
国からの出展が目立ちました。もちろんトルコ、イタリア。韓国、台湾、インド、
フィリピン、等、普段からお目にかかる機会の多い国からは多数出展していらっしゃい
ます。内容も服だけでなく各種アクセサリー、シューズ、バッグを含めるとかなりの
ボリュームの展示となっていて見ごたえは十分です。

ひとつ懸念材料があるとすれば来客、バイヤーの方だというのはどの展示会でも一緒で
すね。たいていの日本のバイヤーは今回の展示、ブースを見て資料を請求するかサンプル
をお願いするか、というのが普通の対応で、資料を基に会議の席でいろんな人の意見を
集め、決定してから再アプローチ、そこからさまざまなやり取りを続けながら最終サン
プルを作成、それをまた会議にかけて、GOが出たら今度は展示会にかけて、その集計
結果をまた会議にかけて発注、というような手順で進むので、今回の来春夏物、という
目的としては全く企画、商品としては間に合わず、早くても来秋用、下手すると再来年
の春用、ということになってしまいます。

海外のバイヤーは自分に仕入れ権限があり、自分の良いと思ったものはその場で発注、
それが売れれば自分だけの功績となり売れなければ全部自分の責任となりますが、そう
いった立場のバイヤーはオーナー会社のトップの方しかいらっしゃいません。サラリー
マン・バイヤーだったら処々の会議を経ながら上司の数々のハンコを集めながらでしか
発注はできません。展示会でいいな、と思ったメーカーが日本のメーカーだったらその
後何回でも顔を合わせて、ということはできるのですが、海外となると、サンプルを
送ってもらうだけだって現在では莫大な航空運賃と関税までかかります。発注をその場
でしないで後日打ち合わせ、って本当に難しい、というのは私は体験から身に染みて
知っています。

しかも海外のメーカーにとって、日本以外のバイヤーは量はいろいろあっても良いと
思ったものは必ず買う方ばっかりなのです。それゆえ、海外メーカーにしたら「買う」
方だけがお客様で、「買わない」方は相手にはされません。むしろ自分で良いと思った
商品を買えない、という理由が理解できないと思います。サンプルを1枚だけ買う人は
ただ単に「1枚買う人」で、その場で10枚買う人100枚買う人のほうが納期含め全て優遇
されることは間違いありません。海外出張してサンプルを発注してきたがいつまでたっ
ても送られてこない、といった話は本当によく聞きます。そりゃあ誰だって発注金額の
多いお客様の注文から作りますよね。

今回これだけ見栄えの良い展示会とはなりましたが、その場で発注するオーナーの方が
少ないようですと、次回はまだしも2、3回後の展示会には海外からの出展社はおそらく
だんだん減少していき、展示会としてのクオリティもだんだん下がっていくんじゃない
かと思います。各ブースで商談は盛んでしたがあまり実際の発注はしてないんじゃない
かなあ、というのがはたから覗いていての感想なのですが、覗いているだけで実際のこ
とはわかりません。みなさん、いっぱい買ってくれてたらいいな、と思います。

私がお時間をいただいてお話を聞かせていただくより実際の商談のほうが全然重要なの
でなるべくご商売のお邪魔にならないよう注意しながら見学していたのですが、展示の
中で一番面白いと思ったブースの方にお話を伺うことができました。「ANTOK」ブランド
を展開する株式会社otnさんです。ブースの入り口の陳列の写真を下に載せます。まずこ
れにひかれてブースにお邪魔することになりました。まずはその写真をご覧ください。

一見、何でもないライダースジャケットに見えますが、袖の部分やボトムが透けている
のがお判りでしょうか。そう、オーガンジーでできたライダースなのです。

生地の強度は元の糸の強さと打ち込み本数で決まります。その強度は引裂強度試験と
いって、単純に記事を両側から引っ張ってどれくらいの力に耐えられるのかを試験します。
現在、この試験で不合格になるような生地はほぼ存在しないといっていいと思います。
ただ、生地ははさみを入れカットし、縫い合わせます。その縫い目がいかに強いか、これ
は縫目滑脱、という試験を別に行います。この試験は当然薄い生地は圧倒的に不利になり、
何らかの補強が必要となります。この製品の場合は表に響かないように気を付けながら
すべての縫い目に芯を貼っているそうです。なんか想像するだけで大変な作業なのですが、
そんな大変な作業は縫製工場さんからは断られ、社内でご自分たちで縫製されているそう
です。この型の色違いのオレンジもありました。それが次の写真です。

こんな外から透けるもの、黒ならまだしもオレンジに合わせる芯って、選ぶだけでも大変
だったんじゃないですか、と、質問したところ、やっぱり大変だったようです。その他の
製品もハードなスタイルを柔らかい生地で、と。いったものが多く、遠目に見るのと近く
で見て、触って、えっ、というような商品が各所に見られました。あと数点写真を紹介で
きたらと思います。

同じ型で柔らかいものからデニムまで。ファスナー部分が折り返し等が多くミシンがなか
なか通らない、ということでデニムはやはり工場さんに断られ、やはり社内での縫製、と
のことです。同型で見た目通りハードなものと、恐ろしく柔らかいものとが並んでいて
触ったらちょっとびっくりします。もう1型ご紹介します。写真をどうぞ。

黒のコートですが、シャツをそのままコートにしたら、というコンセプトで、それゆえ胸
ポケットがついていたり、襟がボタンダウンになっていたりします。シャツからの発展のた
めあえて裏地もつけていないそうです。いろいろな発想自体が面白いですよね。

このANTOKの代表はファッション専門学校卒業後、デザイナーズ系のアパレルにて7年パタ
ンナーとして働き、その後、独立して現在の会社を始めた、とのことで会社設立にあたり、
今まで見ていただいたような微妙な服の微妙なニュアンスを伝えやすいため、学校時代の同
級生だけで集まり現在に至るそうです。普段は他社のOEM,ODM生産を主事業として行い、
そのお金をこのオリジナルブランドにつぎ込んでいる、とのこと。実際にブランド運営だけ
で採算が取れるまではその縫製にしろなんにしろ大変なことは多いでしょうが、自分たちの
好きな道を気心の知れた仲間と一緒にやっていけるって、なんかいいですよね。もしどうし
ても大変な時は、同級生ではないですけど当校にもインターンシップのお声をかけて下さる
ようお願いをしました。その件とは別に今後注目していきたいブランドではありますね。

というような形でTRANOI TOKYO訪問してきました。ここをさらっと午前中拝見して早急
にギフトショーに向かおうと思っていたのですが、思ったよりここで時間を食ってしまい、
ギフトショーに向かったのは予定よりかなり遅い時間となってしまいました。回り切れるか
どうかが心配だったんですけどとにかく急いで向かうこととしました。何しろ出展社2700社
以上、来場者は14万人以上という、国内最大の総合展だからです。

で、結局簡単に(ではないですけど、本当は、その歩行距離だけでも)、回り切れてしまった
んですけど、やはり基本的にはギフト、というテーマがまずあるので、アパレルも何社か出展
していましたが、単価の安いもの、年代の高いものが多く、あまり就活生に紹介する内容では
なかったかなあ、と思うところが多かったからです。実際のギフト市場を考えたらそれはそれ
で充実した展示会だったと思いますしそれだけの集客力を誇る展示会だったと思います。ただ
ちょっとファッション業界向きでは、今回は特になかった、ということだったのですが、それ
でも前回もお伝えしましたが、やはり中国企業の力の入れ方は特筆すべきところがあります。
下の写真をご覧ください。

この広いスペースがすべて中国企業ブースで、これが2フロア分あります。それ以外にメイン
展示会場にも何社も出展していましたから実際の出展数と言ったら全体の4割くらいは中国企業
なんじゃないか、と思うくらいの出展社数です。それだけ自国の不景気、関税問題による対米
輸出の激減予想、等、いろんな問題があると思いますが、それにしても彼らの変わり身の早さに
驚かされるとともに、もはや景気でも何でも自国だけのことにはとどまらずすべて世界中に影響
を与えるんだ、ということは火を見るよりも明らかです。海外に行くと国際紛争の相手国の商品
が結構その当時国内で流通しているのを見る機会がよくあります。いずれにしろ国家間の紛争は
できるだけ避けた方が得策ですよね。もう世界はここだけは良くって、というようなことはない
ですよね。世界の流れとともに日本も一緒に良くなっていってくれば、と思います。

こんな感じで実際には9月3日、2件の展示会を訪問してきたレポートをお送りしました、当日の
歩数が3万8千歩超え、というウルトラハードな一日でしたがそれにしては思ったよりレポート
する内容が少なかったかな、と思ってたのですが、次の日に訪れた別の展示会でお伝えする内容
がいっぱいありました。次回のレポート、ご期待いただけたらと思います。それでも、気の置け
ない仲間同士で集まって、好きなことをやるためにみんなで同じ方向を向いて頑張ってるって、
いいですよね。応援したくなります。

 

次回のレポートと合わせて、世界の広がりとつながりを感じる2日間でした。来週にはまた次回分
をお届けしたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

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~就活室便り#42 spin-off~ Hong Kong Garden

~就活室便り#42 spin-off~ Hong Kong Garden

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。もう「暑い」っていうのも
飽きてきましたね。毎日毎日倒れそうに暑いですが、これも日本だけのこと
ではなくて、世界各地でこんな暑さに悩まされているようです。スペインは
45度だというし、フランスでも40度を超える日があるとのこと。特にパリで
は外観維持のため室外機の設置ができず、つまりほとんどの住宅がエアコン
なしだとのこと。しかも北海道より緯度が高いので、多分日没は夜10時近く
のはずで、それまでその気温が続くことになるので、まさに灼熱地獄、です
ね。何かが少しずつ変わりつつある感じです。
ところが娘が7月に台湾旅行に行ったら日本より涼しかったそうです。そして
今回私がその南の香港へ行ったわけですが、確かに、気温は日本のほうが高
く、日本のように命の危険を感じる暑さではありませんでした。ただしいつ
でも湿度が90%以上あるのでとにかく汗はよく出ます。昔は本当に夏の香港
の暑さには辟易したものですが、今回は日本で鍛えていった結果、結構普通
に乗り切れました。数年前までの常識はもはや通用しなくなっているようで
す。そういう点も含めて前回の就活室便りのスピンオフとして香港旅行記を
夏休みスペシャルとしてお送りしたいと思います。

前回行ったのが2019年、次の年に行こうと思ったらコロナで全展示会が中止、
入国制限も非常に厳しい条件となり渡航不能となった後に例の香港の騒動が
始まり、そうしているうちに自身も転職、もうバイイングはしなくなってし
まい、このまま2度と行く機会はないかな、と思っていました。騒動以後は
家族もなんだか香港は怖いところ、というイメージが定着してしまったよう
で、我が家の旅行先としての候補から全く外れてしまっていたからです。それ
がなんだか夏休みというトップシーズンに、いい飛行機(キャセイ)でいい
ホテルが格安で取れてしまい、6年ぶりの訪問、ということになりました。
今まで通算100回くらい行ってるんじゃないかと思うのですが、いつも時間に
追われ、観光は今回が初めて、ということになるので逆に思ったより緊張した
りしました。お店だって6年経てば絶対全部変わっているはずなので。

出発前までの仕事が忙しかったせいもあるし、日本が暑すぎてばてていたせい
もあり、本当に一日中スターフェリーに乗っててもいいや、というくらいの気
持ちで久々にのんびりしようと思っての旅行でした。行き先も特に決めずに、
なんか行き当たりばったりで無理のないペースで行こう、ということだけ決め
ていました。

なるべく写真を多くした方がいいですね。まずは着陸前の風景です。


空港から街まではエアポートエクスプレスで約30分、今回の宿泊は香港島な
ので、まずホテルにチェックインしてから街に繰り出すことにしました。奥に
見えるのが湾仔のフェリーステーションです。

九龍半島側に渡るとすぐにハーバーシティという世界最大級のショッピング
モールがあります。昼間はやはり冷房が恋しいのでそこで過ごそうと思って
いたのですが、結局、色々な都合でまずペニンシュラホテルに行くことにし
ました。

世界のホテルランキングベスト3に入るだけあって、入り口近くの駐車スペー
スはロールスロイスの展示場のようになっています。メインエントランスを
入ると、「ザ・ロビー」という喫茶スペースがあります。そこの中二階には
生バンドが今回は入っていましたが、以前行ったときは室内弦楽団が入って
いました。いずれにしろ生演奏を楽しみながら世界屈指のアフタヌーンティー
をいただく、というのがここの定番みたいな楽しみ方となっています。値段は
当日のレートで違ってきますが、一人八千円くらいで行けるような気がするん
で決して高くはないです。他の五つ星ホテルでも同じような感じなのでひょっと
したら日本のホテルより安いかもしれないですね。

ホテル内にショッピングモールがあり、そこのルイ・ヴィトンが世界でも有数
のショップでした。最初に香港に行ったのは1991年、返還前ですが、その時の
ヴィトンショップは日本人でいっぱいでした。2010年代になるとそれこそ店内
に入りきれない中国本土からの観光客の大声が響き渡っていたのを思い出しま
す。今回は3、4人はショップ内に入っていたとは思いますが日本、中国ともそ
んなブランド爆買いするほど景気が良くない、ということがどこへ行っても如実
に見られました。もっとも、日本の景気が悪いのは最近になって始まったことで
はありませんが。

中国では昔から汕頭刺繍が有名で、私も昔は死ぬほど汕頭刺繍の商品を企画・生
産し、死ぬほど売りましたし、売れました。当時はなかなか中国本土に入り込ん
での仕事は外国人には難しく、香港のエージェントを通さなければどうしても
生産が不可能だったため香港訪問の機会が商品が売れるほど増えて言ったのです
が、そんな昔を思い出させるような刺繍ショップがペニンシュラのショッピング
モールに入っていました。そこでバレエのチュチュの写真を撮ってきました。

よく出来てると思いましたけど、そう、休みでゆっくりするんでしたよね。
では九龍サイドの埠頭から見た香港島の夜景の様子をどうぞ。

1番高いビルの後方に山のようなシルエットが見えるかな、と思います。そこ
に点々と灯りがついているのも確認できるかな、と思うのですが、そこがビク
トリア・ピークと呼ばれ、「百万ドルの夜景」の名で世界に冠たる観光名所と
して有名なところです。今回はそこまではいきませんでしたが、もうこれで
十分夜景は綺麗ですよね。

土地の少ない香港で、そのビクトリア・ピーク付近が住宅地として最高値と
なります(、ということはほぼ世界一高い、ということです)。その頂上付近
に大御殿があって、最初のオーナーがテレサ・テンでした。その後バブル期に
は日本人が、その後は中国人の手に渡ったそうです。世界経済の盛衰を見て
いるみたいで面白いですね。ピークに登るとその建物の敷地内には入れません
が外側から見ることは可能なようです。現在どの国の方がその家のオーナーな
のかまでは確認できませんでした。いろいろな香港の話を教えてくれた香港在
住のかつての知り合いは全員例の騒動の後各地に出国してしまいましたので。
フェリーの中から今度は九龍サイドを見ると、6年前にはなかったビルが林立しています。


そして日本のキャラクターをフューチャーした観光船も多数行き来しています。

その他にも、サンリオ系のイベントや、小さくてかわいいキャラクターのイベ
ントが各地で開催され、いずれも大盛況でした。アニメ・キャラクターのみな
らず食品売り場に行けばむしろ日本のメーカーのもの以外を探すのが難しく、
お菓子売り場などはほぼ100%日本のものかな、と思えるほどで、苦労するの
は日本へのお土産を選ぶことくらいで香港で食べ物に困ったことはありません。
また、生鮮品でも特に日本の果物は大人気です。これは中国本土でも同様で、
これまでの写真でもおわかりになるかと思いますが、とにかく商業ビルは古く
なったらどんどん立て替えられ、それゆえ新築パーティーも頻繁に行われてい
ます。そんなパーティーに飾る形の良い果物は日本製以外に存在しないのです。
新しいビルの建設が続く限り、日本の果物の人気が廃ることはありませんし、
ビル建設が香港、中国本土でなくなる可能性はさらに薄そうです。香港で一番
人気の百貨店は「そごう」ですし、行列ができているのは日本食ばかりですし、
今回拝見すると日本のアパレルの出店もだいぶ増えてきたようですが、今後さら
に頑張っていただきたいと思います。ハブ港、ハブ空港を持つ世界の物流のキー
となっていて世界中の人が集まる都市なのですから、そこでヒットすれば世界
進出の可能性はよりアップすると思います。

 

香港島での移動は、今回もっぱら「トラム」と呼ばれる路面電車を使用しました。
同じ地域を地下鉄、バス、等も利用できますが、地下鉄が初乗り80円くらいで
距離によって加算があります。バスで初乗り60円くらいで距離加算、ところが
トラムはどこまで行っても約60円のままです。速度は当然地下鉄が一番早く、
トラムが一番遅いのですが、別に急ぐ旅でもないし眺めは一番良いのでトラム
一択で移動しました。いずれにしろ全公共交通機関の値段が安いです。日本は、
特に第三セクター系の運賃はびっくりするほど高いですね。ロンドンの地下鉄
の初乗り料金は千円を超えるようですが、それよりはまし、というよりはどう
やったら国民がスムーズな移動ができるか、ということも真剣に考えてほしい
と思います。ちなみに国土のわりに車の数が多い香港ではいかに人も車もスムーズ
に流れるか、ということをテーマに信号システムも考えられており、ここと比べ
ると日本は移動のスムーズさより、車の速度を落とし、いかに取り締まりやす
くするかをテーマにシステムが作られているかがわかります。
すいません、トラムの写真でしたね。どうぞ。

イギリス統治下にできたものなのでやはり2階建てです。駅はこんな感じの長細いところです。

当然前の電車を抜く場所はなく、こんな感じで渋滞も起きます。

車両は古く見えますが(実際、古いです)、全交通機関共通のタッチ払いカード
もクレジットカードのタッチ払いも可能です。全ての交通機関、改札で八達通
(OCUTOPAS)というカードが使用可能で、そのカードでコンビニをはじめほぼ
全てのショップでの買い物も可能だったので、今回、特に小銭は一銭も使いま
せんでした。そのカードがiPhoneのウォレットに入れられたので本当に電話1台
ですべてが事足りてしまいました。

九龍サイドの湊沿いに、記念時計塔、その後ろに芸術会館、博物館などが作られ、
海沿いの遊歩道は、映画の散歩道(正式名は、アベニュー・オブ・スターズ、だ
そうです)、というような感じの遊歩道になっていて、ブルース・リーをはじめ
数々の香港出身の映画スターの銅像が並んでいます。約1キロほどの長さですが、
今回は暑いので割愛しました。

暑い散歩道よりやはり冷房の効いたペニンシュラですよね。

 

一番困ったのは食事だったかもしれません。ペニンシュラのアフタヌーン
ティーも遠慮しましたが、とにかく全て量が多い。夫婦二人でアラカルト3品
って、結構きついものがあります。それがまた何を食べてもおいしいので余計
つらいところとなります。炒飯なんて一人前が日本の3倍くらいありますから
それ一つを二人で食べるのもなかなか辛く、最低4人以上で一皿食べたいとこ
ろですし、いろんな料理を味わいたいと思ったら本当なら7~8人で食べたい
ところです。中華料理の道は結構険しい道でありました。特に少人数には。

朝は中華粥一択で、いろいろ探し回ってかなりホテルから遠いところまで行っ
たりしました。まず最初に香港オリジナルの麺屋さんがなくなってしまい、も
はや麺と言ったら日本のラーメン一択のようになっていますし、中華粥が減った
分だけ西餅(パン屋さん、イートインのベーカリーショップ)と世界的に有名
なハンバーガーショップが増えていく印象です。基本的に香港の人々は朝食を
家で食べないので朝早いごはん屋さんはとにかくいっぱいあるのですがなんか
せっかく外国まで行ってM印のモーニング食べなくてもいい気がしますよね。
夫婦そろって食事は集中してとるほうで、食事の写真はありませんが、どの店も
おいしく、そして朝からものすごい量でした。ごちそうさまでした。

旅行ご計画の方に参考になればと思いますが、治安、とても良いです。香港では
70年代に一人亡くなった観光客の方がいらっしゃるそうですが、それから亡く
なった観光客は一人もいらっしゃらない、とのことで、その70年代のお一方は、
F4の台風で外出禁止の時に外出されて、豪雨によって水があふれ吹き飛んだマン
ホールのふたにあたってお亡くなりになったそうです。そういうわけで命の心配、
肉体的ダメージを受ける心配はほぼない、と思って間違いありません。ただしやは
り自分のものは自分で守る必要があります。よく日本でカバン、等を置いて席取り
している風景を見かけますが、それがまかりなりにも通用しているのは日本だけで、
海外ならどこでもまず置いておいたものはない、と思ってください。かばんは肌身
離さず肩に斜め掛けして前に、というのは常識中の常識です。荷物をおいての席取
りはもうすぐ日本でも通用しなくなると思いますけどね。とにかくかばんのたすき
掛け、前持ちがおすすめです。下の写真が参考になればと思います。

というよな感じで香港旅行記を簡潔にお知らせしました。やはりびっくりしたの
は日本の方が暑かったことと、とにかく人が少なかったことでした。コロナや
騒動の影響で人口、観光客も激減したようで、その後の移民の受け入れ、政府に
よる観光推進策で少しずつ以前の状態に戻りつつあるようですが、以前の状態を
知っているものにとっては人口が半分になったのかな、というくらいの印象を持
ちました。おかげで観光するには少し楽だったのですが、やはり少し寂しい気が
しました。まあ2、3日くらいの訪問でそんなにいろんなことがわかるわけがな
い、とは思いますが、それでもやっぱりかつての香港ではない、というのは実感
しました。古い商店街が取り壊され新しいショッピングモールに生まれ変わり、
伝統的な生活は汚い、暗い、と忌み嫌われ何か違うものになっていく、というの
は世界中で進行していることで、それがいいか悪いかは全く別です。日本でも今
でも嫌ですが、全部完成して綺麗になった渋谷は本当に嫌いな街になっている気
がします。香港が渋谷のようになってしまうかどうかわかりませんが、いずれに
しろ何年後かにもう一度訪問してみたいと思いました。

なんかこんなんで旅行記か今後の旅の参考になったかどうかわかりませんが、最
後にもう一枚、夜景の写真を見ていただけたらと思います。

なんか思ったより以上に長くなってしまいましたが、こんな会もまたできるよう
でしたらやりたいと思います。次回は就職関連、企業関連のお話をさせていただ
きます。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

9/6に開催予定です。

 

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~就活室便り~#42 You Can Get it If You Really Want

~就活室便り~#42 You Can Get it If You Really Want

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。お盆も過ぎて暦の上では初秋となり、
時々涼しい風が吹くようになり、なんてことは全くなく、以前にも増して暑いですね。
みなさんも特に体調には気を付けて、今は大丈夫だと思っていても、それまでに蓄積
されたダメージが思わぬ結果を招くことがあります。水分を十分にとりつつ、気を付け
ていきましょう。毎日街を歩いていて必ず数台の救急車とすれ違います。そのすべてが
熱中症ということではないでしょうが、その確率はかなり高いと思います。暑さに強い、
弱い、という問題ではすでになく、とにかく命にかかわる問題ですので、お互い十分に
注意してこの酷暑を何とか乗り切りましょう。

というわけで秋風は当分期待できそうにないので、また少し半袖のシャツを買い足して
みました。こうなったら10月いっぱいまでは半袖で行こうかな、と思っています。気候
変動に対して抗うよりは少しでも仲良くしていくしかないですよね。各アパレルも厚手
は後ろ回しにして秋色薄手、半袖企画充実、という情報は毎日のように新聞紙上を賑わ
せているのですが、それでも冬の注目アイテムはニットとファーで、特にファー素材が
空前のヒットになるかも知れない、というようなニュースを見ると、確かにそれをいつ
売れば良いんだ、という話には当然なります。秋冬のマーチャンダイジングは、今後も
さらに難しさを増していきそうです。

というようなことを休み中色々考えていたのですが、そんな中、本校と週刊モーニング誌
で連載中の「アパレルドッグ」がコラボし、洋服デザインコンペが開催されました。その
結果が8月21日発売のモーニング誌で発表され、3年専攻科の山田悠太さんが大賞に選ばれ、
山田さんデザインの服を着た主人公の田中ソラトが巻頭カラーページを飾っています。また、
準大賞には同じく3年の本間咲桜さん、審査員特別賞には2年の渋谷優亜さんが選ばれ、なん
かとても嬉しいニュースで、私としては購読用と保存用として2冊、週刊モーニング誌を購入
予定です。なんか親バカ、と言っても実際の親ではないのですが、我が事のように嬉しいです。
山田さんは将来の目標を「(アパレルの)企画職」と書いて応募されていて、そんな心意気も
また評価された点なのですが、今回はそんなこと色々含めてアパレルの企画職について少し
考えてみたいと思います。

 

前回も少し触れましたが、作中でソラト君の言う通り、アパレル全社共、「売れないと死亡
ですから」、という言葉は真実をついています。しかも売れるもの、良いものの理由が、機械
やその他多数の産業分野のように性能を数値化できる要素がほぼない、と、言って良いのが
アパレル業界だと思います。そのためアパレル企画者はまず徹底的に顧客の情報を分析する
ところから始める、というかそれをしなければ企画自体成り立ちません。どの世代の、どん
な嗜好を持ったお客様が、どんなアイテムを、どんな色、柄、テイストで、どんなプライスで、
どれくらい必要なのか、それを見極め、そこからそこで想定された顧客像に向かって、実際に
各商品に落とし込んでいくのが商品企画の最初です。例えば、世代に関しては、以下のような
分類をアパレル業界では以前からしています。

◆キネマ世代 1936〜45年生 80〜89歳 約1430万人

ケよりはハレ重視。おしゃれは正装、お出かけ着。

◆団塊世代 1946〜51年生 74〜79歳 約1160万人

消費が善になった世代。アメカジの影響大。憧れのハワイ航路。おしゃれが日常的に。

◆DC洗礼世代 1952〜58年生 67〜73歳 約1100万人

別名「シラケ世代」、横並び意識に反感を持ち、個人の価値にこだわる。DCブランドを経験し、
ファッションに対するこだわり強。

◆ハナコ世代 1959〜64年生 61〜66歳 約920万人

バブル世代、男女雇用均等法第一世代。上昇志向、消費、所有力強。ブランド大好き。

◆バナナ世代 1965〜70年生 55〜60歳 約1100万人

吉本ばななに由来。バブルとその崩壊を体験。無理せず、気負わず、自分らしいライフスタ
イル重視。肩ひじはらない等身大ファッション嗜好。

◆団塊ジュニア世代 1971〜76年生 49〜54歳 約1100万人

就職氷河期世代。失敗しないように堅実嗜好、等身大嗜好。自己主張弱め。モノよりコト重視。

私がアパレル企画をやっていた時はここまでの分析だったのですが、さすがに今ではその下の
世代も分析されています。自分の知らない事を書くのも何ですし、スペースの問題もあるため、
それ以降に関しては以下世代名と人数だけ挙げます。

◆プリクラ上世代 1977〜81年生 44〜48歳 約780万人

 

◆プリクラ下世代 1982〜86年生 39〜43歳 約690万人

 

◆ハナコジュニア世代 1987〜91年生 34〜38歳 約600万人

 

◆LINE上世代 1992〜96年生 29〜33歳 約580万人

 

◆LINE下世代 1997〜2000年生 25〜28歳 約480万人

 

こんな感じで対象世代を分け、そこから更に職業、年収、地域、嗜好等を加味し細かく分析
していきます。一目見て、上の世代のほうが圧倒的に人口が多いのに気づくと思います。売上
を重視したら上の世代、人口も多く、住宅ローンや教育の支出が終わって可処分所得の多い
ところを狙うのが当然のことです。しかし、上の世代の人口は今後必ず減少し続けます。平均
寿命は確かに伸び続けるかもしれませんが、それでも100歳以上の人口が爆発的に増え続ける
とは思えない、というかいつかはそうなる可能性があるとしてもまだ先の事のようです。そう
いうわけで各産業各分野で企画ターゲットの若返りを目指しています。老舗有名百貨店では訪問
した感想から言っても70代以下のお客様はほとんどおらず、むしろ80代、90代と思しき方が
数多く見られます。しかし百貨店バイヤーに聞いた話ですが、今後ターゲットとしては50代を
中心とし、どんどん若返りをはかっていくそうです。50代が若がえり?とお思いかもしれません
が、今までの顧客層から30歳くらい若くなるわけですからそれは企業としては大英断の一つに
入るんだろうと思います。

 

どの世代のどんな人にどういう服を提案していくのか、そのブランドコンセプトを決定したら、
今度はそれを商品に落とし込んでいきます。ブランドコンセプトはMD中心に、商品への落とし
込みはデザイナーが中心となって行なっていきます。デザイナーは何も自分の好きな絵を描いて
いれば良いのではなく、実際にその服を買っていただけるお客様を想定してデザインしていき
ます。その仮想のお客様を「ペルソナ」と呼びます。店頭リサーチ中に見かけたお客様、芸能人、
最近ではピンタレストの画像を見ながらとか、様々な方法でペルソナを想定していきます。こう
して出来上がった絵型をMDと打ち合わせしながら予算に合わせて商品構成をしていきます。

 

アパレルの歴史として1960年代にはまだ仕立ての方が既製服より多く、アパレルメーカーはほと
んどありませんでした。それが70年代になると既製服が中心になりアパレルが乱立します。その
当時は服の売り場といえばアイテム別で、ブラウス売り場、ボトム売り場、ドレス売り場、コート
売り場、と言ったように売り場が分かれ、アパレルも当然専門アイテム別に分かれていました。
トータルでの商品構成をしている売り場はよほどのブランドでもない限りありませんでした。

 

それが80年代からはトータルブランド、ブランド毎の売り場だけになっていきます。今まで全く
作っていなかった商品まで手掛けなければアパレルとして成り立たなくなってしまいます。商品の
種類としてはいきなり5倍になった、という感覚に近いものがあり、だからと言って売り上げが5倍
にならない限りその分の人を増やすのは難しいですから、その対策として自社で企画、生産しきれ
ない分を他社から仕入れる、セレクトショップ、と言うような店舗運営法や、OEM、ODMといった
他社生産品を自社のラベルをつけて販売する方法が取られるようになりました。こうして、店舗だけ
でなくアパレルにも「バイヤー」というポジションが生まれます。現在では各ブランドのショップで
は服だけでなくバッグ、アクセサリー、スカーフ、靴、等かつてはアパレルでは取り扱わなかったアイ
テムまで商品の幅は広がり、バイヤーの仕事は年々増え続けています。特に海外では服とそれ以外の
ファッショングッズ全てを集めた総合展が開催され、世界中のメーカーが出展し、世界中のバイヤー
が訪れます。有名なのはパリ、ミラノ、カリフォルニア、香港、上海、等です。私もいろんな展示会に
参加したのですが、今回香港に行く機会があり、その外観を撮影してきました。写真をご覧ください。

 

 

これが香港ワールドコンベンションホールの外観です。ほぼ毎週いろんなショーが行われ、世界中の人で
賑わっています。今回はブライダルフェアをやっていました。こんな感じです。

 

今回は観光目的で特に名刺も持ち合わせておらず、ブース内に入るのは遠慮しましたが、世界中どこへ
いっても東京ビッグサイトよりはかなり大きな会場になります。そんな中で一人でまわり、納期、値段、
数量等、全ての交渉をし、見落としがないようにするのは結構大変だったりします。ただ本当に大変なの
は帰国後、社内にバイイングした商品をプレゼン、その商品の時代背景、市場動向、等を含めて社員全員
に納得させ、各得意先に提案、ヒット商品にするまでの工程で、いくら良いと思ってバイイングしてもそれ
が売れる商品でなければ即バイヤー失格、となるのですが、約20年そんな仕事を続けられたのでまあ結果は
良かったんだと思います。その代わり結構しんどい毎日でしたが。

そんなMD、バイヤー、等といった企画の仕事は辛いことが非常に多いですが、想定以上に売れた、といった
時にこの仕事にまさる優越感を味わえる仕事はなかなかないと思います(アパレルドッグでソラト君もそう
言っていました)。みなさんにもいつか、そんな喜びを味わっていただけたら、と、思います。

で、そんな企画職ですが、就職指導していて特に質問が多いのは、どうしたら、一体いつ、どうしていたら
企画職になれるのか、というものです。現在ほとんどのアパレルは総合職として入社、店頭を数年体験した後
で適性を判断しキャリアチェンジの可能性あり、ということになっていますので不安に思うのも無理ないと
思います。しかしアパレルに入社し、将来は企画職に就こう、と強く望んで行動していれば、それは必ず叶う、
ということを忘れないでください。ただし、強く望んで、行動していれば、です。

例えば店頭で、入荷した商品の下げ札が記載ミスであ正しいものに付け替えなければならなくなったとします。
確かに下げ札交換は大変な作業ですが、その分誰よりも多くその商品を触ることができ、その生地の良さ、特徴、
等を誰よりも把握できることになります。得意先のMDで例えいくらご自分が昇格されても出来上がった商品の
下げ札つけはご自分で行なっている方がいらっしゃいました。理由をお伺いすると、「上がってきた商品を札をつけ
ながら自分でさわってみないとその商品が良いか悪いかなんてわからないから」、というお返事でした。付け替え
だけでなく値札シールの貼り直し、等、大変な作業は数多くあるでしょう。それをただ大変な作業、と感じるのか、
あるいは値下げシールを貼らない商品と値下げする商品は何が違うのか、さわってどうなのか、考えるのとは自ずと
今後が違ってきます。

素敵なスカートをはいたお客様がご来店し、お客様にそのスカートを褒めながらそれに合うブラウスを提案、気に
入っていただき買っていただく、そんなお客様が1日に3名もいらっしゃり興味を持ってそのお店を訪問しスカートを
拝見、どうしてこのスカートを作らないかと本部に提案、等々できることはあり過ぎるほどあるのです。まず服が好き
なこと。いつでも服の事を考えていること。そしてお客様の求めているものを1番知っていればそれが企画職への1番の
近道だと思ってください。アパレルに閑職なんてありません。例え倉庫担当で毎日出荷だけに追われる生活でも店頭の
仕事があまりにも忙しく体力的に辛いと思っても、どんなポジションでも、強く望んで、行動していれば、いつかは
必ず道が開けます。他の業界とは違い、自動車のセールスから車のデザイナーになるのは100%無理と言って差し支え
ないと思いますが、アパレル業界では往々にしてありうる事ですし、倉庫から、店頭から、営業から企画になった、
という方は枚挙にいとまがありません。自分も含めてそういう例は嫌というほど見てきました。とにかく強く望んで
行動していきましょう。

 

20年近く通った香港に今回初めて私的に旅行で訪問し、なんか結局その間こんなことばかり考えていました。色々
考えているうちに、思い出して最近また聴いているのが、ジミー・クリフの「You Can Get It If You Really Want」です。
ジャマイカ人ミュージシャンとしては珍しくクリスチャンの彼はこの題を多分聖書の「求めよ、さらば与えられん」
から取ったと思うのですが、当時の独立して間もないジャマイカでは、この歌詞を異様なまでの明るさで歌う社会情勢
ではなく、この曲ではその明るさにかえって凄みがあります。いずれにしろ求めるとしたら、「But You must try, try, try
and try」、と続く歌詞と同じく、諦めずに、粘り強く、いつまでもトライしていきましょう。そうすれば必ず道は開けて
くると思います。

学校での勉強となるとMD、企画の勉強はもうちょっと技術論になってくるのですが、今回は夏休みスペシャル、という
ことでこんなことを書いてみました。久々の香港、ということでもう1枚、夜のコンベンションホールの風景もお楽しみ
ください。

もう一つ。旅行前にキュリアスデザイン様の展示会にお邪魔しました。西武渋谷店A館3階の売り場を使ってのまさに
大胆な展示会でしたが、そこでお伺いしたお話を一つ。社長の片葺さんは現在別の百貨店から新コンセプトのショップ
のオープンを企画段階から任されているとのこと。それは異業種のメーカーの参入も企画されているとのことで、百貨
店、参入予定数社を含めた全体会議が数回あり、そのショップの名前を考えて次回の会議で提案していただけるよう片葺
社長に依頼があったとのことです。次世代のMD、ということを考え、AIにショップのコンセプト、キーワード、等の情報
を数多く与え、ショップ名を提案するよう指示を出したところ、10のブランド名をAIが提示したそうです。そのどれもが
結構素晴らしく、明日の会議はこれで問題なく進行する、と安心して前夜眠りについたそうです。

ところが、朝起きるといきなり一つのショップ名が頭に浮かんだそうです。しかし前夜作った資料をもう訂正する時間的余裕
がなく、そのままの資料で会議にはのぞみ、その10の中から2,3、の候補に絞られその中で決定しよう、となったときに、
実は今朝急に頭に浮かんだ案がある、と発言し、間に合わなかったので手書きコピーのその案を全員に渡し、そのコンセプト
から全て説明し、その名前も候補にのせてほしい、と提案されたそうです。結局、満場一致でその朝思いついた手書きの案に
ショップ名が決定したそうですが、AIで置き換えできないMDの仕事って、そういうことじゃないんだろうか、と本人がちょっと
出来すぎの話ですけど、と、ほんの少しだけ照れながらおっしゃっていました。アパレルの企画がAIで置き換えられる仕事では
ない、というお話ですが、片葺社長の迫力に押されて展示会の写真を撮ることを忘れてしまいました。それ以外に写真撮りを
忘れてしまったイベントがいくつかあり、今回は絵日記風にいろんな写真を交えて短い話の連続みたいにしようと思っていたの
ですが全く違う話になってしまいました。まあとにかく8月21日発売の週刊モーニング忘れずにご覧になって下さい。山田さん、
本当におめでとうございました。

次回から、また企業レポート、展示会レポートが始まります。ご期待いただけたらと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

8/28に開催予定です。

 

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〜就活室便り〜#41 Welcome to the Machine

〜就活室便り〜#41 Welcome to the Machine

 

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。暑い暑い、と思っているうちに、
実は陽は少し短くなって来ていまして、それでもさすがに家を出るときは太陽がま
ぶしいですが、朝起きて外猫にご飯をあげる時が少し暗くなってきました。まあ夏至
から一か月以上 経っているわけですし、一日一日秋分が近づいて来ているので当然
といえば当然なんですけどこう暑いとそういうことを忘れてしまいますよね。今、
この原稿を書いている時点ではぎりぎり季節は夏なのですが、ブログ公開日にはもう
旧暦では立秋を超え、もう秋の季節になります。ただ気温からして全くそういう気分
にはなれませんが、一応残暑の気候、ということになります。現在の気候変動でつらい
のはその残暑がやたらと長いことですよね。以前は9月を過ぎると暑いのを少し我慢
して長袖を着てみたりジャケットを羽織ったりしてみたんですが、今ではもう全く
その気もなく、まだまだ半袖がずうっと続くと思うのでまた途中で半袖シャツ買い
足そうかな、と思います。現在のアパレルの基本のマンスリーマーチャンダイジング
も本当にアイテムが変わってしまいますよね。30度超えの日に買い物に行ったら
防寒着ばっかり並んでた、なんて悪夢としか言いようがない気がします。それでも
お盆前後には秋の虫の声が聞こえ始め季節の変化を感じるようになると思います。
実際は秋風なんか少しも吹かず熱風吹き荒れる、って感じなんですけどね。

 

それでもアパレル製品は一朝一夕に出来上がるものではなく生地の段階から考えると
非常に長いリードタイムを必要とします。現在生産しているのは秋冬物真っ盛り、
という縫製工場に今回お邪魔してきましたので今回はそのレポートをお送りしたいと
思います。

 

 

まず最初にお伺いしたのはソーイングアサヒさん。千葉の旭市といえば屏風ヶ浦
で有名な海水浴場も多く、夏はメロン、冬はいちごで有名、当然海の幸も豊富ですが、
いも豚で有名な国内有数の豚の産地でもあります。そんな旭市に工場を構えるソーイング
アサヒさんは1973年の創業ですからもう50年以上の歴史を持ち、現在までプレタ、
と呼ばれる高級婦人服を中心に生産してきた技術においても規模においても関東屈指
の縫製工場です。実際に現在仕事が入っている会社を見ていくと、J社、L社、S社、
T社、R社といった品質にうるさい、高額商品中心の会社ばかりです。現在縫製中の商品
も素材、デザインともに難易度の高い商品でした。では、少し画像を交えて工場の内部
を紹介します。

 

まず工場の全景を、と思ったのですが、ちょっと広すぎて全景、というわけには行き
ませんでした。こんな光景です。

なかなか現在50人以上の工場が少なくなって来ました。そして1フロアで作業を行える
工場ももう東京ではありません。場所的にも余裕がある分,清潔で、作業も効率的に行う
ことができます。現場に入って第一の部屋がCADルームになります。次の写真です。

作業効率、正確さ生地特性、等を考慮してアパレルから届いたパターンをCADに入れ
なおします。これだけでもう数手間追加になっていますね。

生地を重ね、自動裁断機(CAM)で裁断していくところです。これは荒断ち、と呼ばれる
段階で、実際のパターンより余裕をもって裁断します。これは裁断後、寸法の変化が
あった場合に対応できるように、という措置で、特に現在の強撚糸使いの生地やスト
レッチ素材、クレープ組織の商品対しては有効な方法です。

これは柄合わせの光景です。柄物には必ずその柄の繰り返しのピッチがあり、ただ単純
に裁断していくとその柄のピッチが型紙のピッチと合わず1着1着柄の出方が違うものが
出来上がる可能性があります。そのまま裁断、縫製してしまった場合、いい柄の出方と
おかしな柄の出方の両方の製品が存在することになり、裁断後は直すことができません。
それゆえ、裁断前にレーザーポインターを照射しながら丁寧に丁寧に柄合わせをしてい
きます。プリントもそうですが特にチェック柄だと柄が曲がったまま裁断してしまうと
結構生理的に気持のよくない商品が出来上がったりします。大変な作業ですが特にプレタ
ゾーンではどうしても必要な作業になります。

 

写真はありませんが生地の裁断前にまずスポンジャーという機械でスポンジングという
作業をします。生地が織り上がり、染色、整理が終了後に検品をしながら機械で芯に巻き
取り、反物の形で出荷します。どうしようもないことなのですが、その巻取りの段階で
必ずテンションがかかります。つまり引っ張られてある程度伸びた段階で生地は出荷され
ているわけです。よって生地を巻き取りの段階から平らに置き(放反といいます)、テン
ションから開放すると、だんだん元に戻り、要は少し縮みます。スポンジングはそういった
生地をリラックスさせることを強制的に行う機械だと思っていただければ間違いはあり
ません。蒸気を通すことでより効果的にリラックスさせ伸びていた生地が本来の風合いを
取り戻しふっくらとしてきますしそこからの寸法変化の可能性がかなり減少します。いい
ことづくめに見えますがその分、お金と手間暇は当然かかります。なんか当然のごとく
スポンジャーをかけている光景を見ると信頼感がわくと同時にその分ちゃんと工賃に乗せて
請求しているのかどうかちょっと心配になってしまいます。次にやっと本裁断に入ります。
下の写真をご覧ください。

こうして長い工程をかけ、荒断ちしたパーツに芯を張り、本裁断していきます。最初の生地
の段階で本裁断してしまうのと手のかかり方は数倍、なんてもんじゃなくかかります。荒断ち
パーツを重ねていくだけでちょっと嫌になってしまうくらい手がかかっていますね。結局
いい服を作るって、そういうことなんですね。

本裁断したパーツに細かい芯張りやしわ取り、くせ取りをしていきます。実際のミシンの
出番はそのあとになります。

縫製のラインはその内容や数量、等によって3つのラインに分かれています。これは2番目の
ラインの写真です。今回1番目のラインが特徴のあるプリント生地だったので撮影は遠慮し
ました。

その後ボタンホール、ボタン付け、まとめ作業、等の工程があり、検品、プレスをしてから
出荷の段取りとなります。当日出荷の商品がかなりの数量があり、みなさん対応に追われて
いらっしゃいました。

一着の服が出来上がるまでにこんな様々な工程を経ている、ということをご存じない方も
多いと思いますが、実際はこれほど大変なことなんです。逆にそれだけ手間暇かかること
だから人件費の安い海外に仕事が行ってしまい現在繊維製品の98.5%が輸入品となった理由
の一つです。しかし海外工場の製品を見てもどうやってもここまで手はかけていないです
よね。メイド・イン・ジャパンは日本人が細やかに作る、ということにも理由はあるので
しょうが、実際、手間暇のかけ方が全然違うんです。高いものには必ず高い理由がある、
ということだけは覚えておいてください。

とはいっても現在、ウルトラ・ファストファッション、とでもいうべき廉価な商品が店頭に
あふれ、それに対抗するために良いものでもプライスダウン、工賃ダウンを求められる状況
になってきました。ただでさえ海外に仕事が流出しているところに工賃ダウン、というよう
な状況に対応すべく各工場さんでいろんな対策を考え、実行していらっしゃいます。ここ、
ソーイングアサヒさんでは、ファクトリーブランドを現在進行中です。三陽商会をはじめ
数々のアパレルでブランドを立ち上げ、発展させてきた林修三さんをデザイナーとして、
自社企画、自社制作のブランドを次第に発展させていこうと現在様々なトライアルをして
いらっしゃいます。生地もシルク混をはじめとしてオリジナリティにあふれた、そしていう
なれば「縫製するのが難しい」素材を、またディテールにこだわった(ということは当然
縫製が難しい、ということです)デザインでつくる、ということなので当然苦労も多く、
上代もかなり高くなります。その魅力を誰にも分かりやすく説明していくことはかなり
難しいことですが(最初は‘啓蒙‘という言葉を使おうかとも思いました)、インスタグラム
用撮影、等はかなりされているようなので、今後のご成功をお祈りしたいですね。

また、それ以外にもクラウドファンディングを利用したスーツ制作、等も行なっていらっ
しゃいます。いずれにしろアパレルの下請け100%からの脱却は、今後の縫製工場にとって
は急務の課題であることは間違いありません。これは繊維業界だけでなく全産業で、大手
の下請け100%からの脱却、ということは今後の大命題だと思います。

 

この次の日に今度は辻洋装店さんにお伺いしました。連日連夜って感じですが、2件の縫製
工場に共通するもの、違い、両方ともが分かりやすく貴重な体験となりました。

 

辻洋装店さんは、名前だけ聞くとブティックかな、と思われるかもしれませんが、昭和
22年創業、とまだ物資も少なかった戦直後と言ってもいい時期から70年以上の歴史を誇り
ます。最初はいオーダーメード服の製造小売から始め、その縫製のうまさから百貨店、
プレタアパレルから縫製依頼が絶えないため縫製工場としての道を歩んだ、ということ
ですが、いまだ創業以来の精神を大切にするため洋装店の名前はそのままにしている、
ということです。たとえ仕事がいくら増えようとも土地の安い地方に大規模な工場を展開
するのではなく、東京、中野の地を離れることなくMADE IN TOKYOを貫いていらっしゃい
ます。クオリティは高く、皇后陛下はじめ、各界の著名人の方の、特に正装用のお召し物を
沢山手掛けていらっしゃいます。そんな辻洋装店さんの工場内を簡単にですが、ご紹介した
いと思います。

株式会社辻洋装店さんでも放反後の生地のケアにものすごい手間と時間をかけていらっ
しゃいます。写真をどうぞ。

ちょっと分かりづらいかもしれませんが、こちらでも裁断はまず荒断ちから、右の写真に
は棚に裁断したパーツが重ねて置かれているのがわかるかと思います。今回はその写真は
撮れませんでしたが、裁断後、パーツを1枚1枚吊して1、2日干す

そうです。吊し干しによってその後の作業での物性安定性が格段に増す、ということです。
生地が巻取り時のテンションで形状変化が見られ、それを安定させるために様々な手法を
とる、という話はすでにしましたが、辻洋装店さんの辻社長はテンションの問題だけで
なく、織る段階で横も整形しているため四方ともある程度とテンションは掛かっており、
生地の端と真ん中でもそのテンションからの戻り方(収縮率、といいます)が違う、とい
うことでとにかく手間暇かけて生地をリラックスさせています。いろいろな手法を今まで
見てきましたが、生地の真ん中と端の差まで気にしている工場を辻さん以外に知りません。
仕事ってこだわれば、いくらでもこだわれるものですね。 

上が実際の縫製現場です。場所に制約があることもあり、こちらでは普通の縫製工場の
ようにラインを組み、一人ひとり専用の担当パーツがあって、流れ作業で仕上げていくの
ではなく、3~4人のチーム制をとっています。当然各人の完成品に対するかかわり方は増え、
作業効率はライン制より落ちるかもしれませんが、一着にかかわる部分が格段に増えるため
各個人のスキルは格段に上がる、上がりやすくなると思います。車でも超高級車になると
こんな作り方になりますが、超高級婦人服もやはりチームの仕事になる、と考えていただければ
わかりやすいかな、と思います。チームは最大で5チーム、ということで他のチームの写真も
ご覧ください。

辻洋装店さんでは工程表とそのプライスがはっきりしていて、完成までの工程で論理的にプラ
イスが決定します。これは実は大変なことで論理的なプライスを出せる工場というのは実はほと
んどありません。たいてい洋服の上代との兼ね合いで決定してしまったり、何人でどれくらいの
時間がかかるからアバウトこんな感じ、とか値上げを交渉しようにもその論理的根拠を持たない
工場が実に多いのが現状です。辻さんは日本一工賃の高い工場をめざしていらっしゃって、すべて
が数値化してはっきりしていらっしゃいますので工程の数値化は大きな武器になっているようです。

先ほどのチーム制の話もそうですが辻洋装店さんのスローガンは、「洋服づくりは人づくりの道」、
というものです。洋服は人が作るものだから人が悪ければいい洋服は作れない、と各人の絶え間
ないレベルアップだけでなく、こまやかなフォロー、アドバイス等も欠かさず社員の人間形成、
人格形成に務めていらっしゃいます。これは、お話をお伺いする限り、会社が存続している限りは
続きそうです。社会人としてのデビューのその日からベテランと呼ばれ逆に若手の指導をする立場
になるまでずうっと続くこの教育が服を、会社を、各個人をレベルアップしている要因となって
いるようです。

 

そんな辻洋装にしても市場動向からする値段交渉(値下げ要請)、不安定な発注状況からは逃れられ
ません。そんな対策として、繊維商社的な動き、というか生産委託業的な事を毎年少しずつ増やして
いっていらっしゃいます。自分のブランドを始めようと独立するデザイナーさんは以前から多く、
そんなデザイナーの方々の絵型から辻洋装さんでパターン作成をし、生地選定が必要な場合はその
お手伝いもして製品化につなげる、という企画アドバイスから生産工程全て引き受ける、という仕事
内容です。最近ではデザイナーだけでなくインフルエンサーからの相談、依頼も増えているようで、
将来はこちらの仕事を伸ばしていきたい、とのことでした。ソーイングアサヒさんと同様、ただの
アパレルの下請工場からの脱却、という目的は一緒ですが、その手法が異なって
います。これは思うにMADE IN TOKYOにこだわられた辻さんの姿勢が影響していると思われます。
中野、という土地にこだわられてきたがために、デザイナー、インフルエンサーが気軽に立ち寄り
やすく、一緒に相談に乗ってもらいながらものづくりの企画から進められる、という点が非常に大きい
と思います。東京から高速バスで2時間かけて訪問する旭市とは違い、中野は誰でも気軽にお伺い
できる場所であり、ひょっとしたらパッと何かの発想を思いついてそのまま当日にいきなり訪問する
お客さんも多いかもしれません。以前は東京と地方の賃金差が大きく、人件費コストに地方工場との
差がかなりあったようですが、現在コンビニをはじめとして賃金が全国区になってきたため地方との
コスト差はかなり縮まってきているようですし、特にこれからものづくりをしたいインフルエンサー、
等、今まで服作りに関係なかった人たちが服作りに参加するようになるとこの地の利を活かしたお仕事
はますます発展していくかもしれません。辻社長は、本当に良い時と呼べるような時は今まで一度も
なかった、とおっしゃっていましたが、これからがその時かもしれませんよ。それもこれもこだわりの
ものづくりとその技術があったからだと思います。自社だけでなく、お客様にも「服づくりは人づくり」
がどんどん拡散していくと良いですよね。

 

駆け足で2件の縫製工場のレポートをお送りしました。2件共、しっかりとした技術と完成にかける手間暇
の掛け方の徹底さが特徴でした。この技術をぜひ次代に向けて継承していって欲しいと思います。私は今
1番安いドイツ車に乗っていますが(その前は1番安いフランス車でしたがそれも)日本車と比べてどうか、
というと、ボディ、シャーシ、シート、エンジン、トランスミッション、等メーカー作のところは本当に
素晴らしいです。圧倒的にクオリティが劣るのは部品の部分で、日本車とは比べ物にならないくらい頻繁に
部品交換しなければならず、故障で動かなくなるとすればほとんどその部品の部分が原因です。日本はそれが
全く逆で日本の部品のクオリティは世界一だと思います。つまり、ジャパンメイドのクオリティは部品作り
をしている下請け中小企業が支えている、と言っても過言ではありません。そしてその下請け企業が大企業
からの種々の要請で、なかなか報われない日々が続いています。機械にしろ縫製にしろ日本の中小企業の
技術をもっと海外に紹介できたら、その橋渡しが少しでもできたら、といつも思うのですが、これはこれか
ら社会に出ていくみなさんにバトンを渡したいと思います。技術だけは、本当に継承していかないと絶えて
しまうからです。

津本陽の「夢のまた夢」、という秀吉の生涯を書いた作品があります。秀吉が5か月で作ったとされる肥前
名護屋城という城があります。津本陽はこの城跡に某ゼネコンの建築責任者と同行したそうです。その城を
そのゼネコンが請け負い、現代の重機を駆使して数百人体制で(すいません、本には書いてあったはずで
すが、詳しい数字を覚えていません、数千人だったかもしれません)建設したとしたら、最低でも3年は
かかる、という答えが来た、というエピソードが本の中に出てきます。天災で破損した熊本城の石垣の補修に
かかる時間を見ても、当時の人には当たり前のことだった築城の技術も一度失われてしまうともう七不思議
の世界に入ってしまう、ということは明らかで、ピラミッドだって、当時は全く普通の建築技術だったのかも
知れません。

とあるアパレルの方とお話をしていたら、あと数年で日本の工場ではジャケットはもう作れなくかるかも知れ
ない、とおっしゃっていました。技術を守り、伝えていく、そして世界に向けて喧伝していく、そんなことを
みなさんが少しでも引き受けていってくれたらな、と思ってやみません。みなさん、期待していますよ。
ジャケット縫製の技術が七不思議のひとつにならないようお祈りしています。

 

なんか今回は予定を大幅にオーバーして長い話になってしまい、申し訳ありませんでした。次回はもう少し
短く、アパレルの話をする予定です。ご期待いただけたらと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

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~就活室便り~#41 Magical Mystery Tour Side B

~就活室便り~#40 Magical Mystery Tour Side B

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。学校は夏休みに入ったんですが、
なんだかこちらはばたばたしてしまって、忙しい日々が続いています。なんか少し
落ち着いて仕事したいなあ、とも思うのですが、よく考えたら新卒で就職して以来、
暇だったことって1回もないんですよね。転職も何回かしていますが、次の会社に
移るまでのブランクもあったことがなく、前の会社を辞めた次の日からすぐ次の会社
で働いています。そしてどこでも時間的に余裕のあるポジションについたためしがなく、
とにかくいつでも走り回っているイメージですね。世間で俗にいう充電期間、という
やつが全くない、ということになるのですが、まあ別に充電しなくても結構行こうと
思えば行けるもんですよ。立ち止まって充電するよりは走り続けていれば何とかなる
もんです。Don’t Stop!といえばフリートウッド・マックの名曲で、今までが良くなく
たってこれからどんどんよくなるはずだから立ち止まらずに明日のことを考えましょう、
というような歌詞の内容なのですが、実は私生活での離婚、という辛い体験からポジ
ティブに立ち直る、という曲です。本当に立ち止まらず歩き続けて、走り続けていれば
大抵のことはなんとかなります。走りながら考えて、考えながら走りましょう。きっと
未来の方が良いに決まってますから。

 

アパレルの展示会廻りをするようになってからもう40年以上の年月が経過しました。
展示会名、出展社、出展内容、等々、まさに劇的に変化しました。変わらないのはその
時々でよく見えるものには必ずその時代に即した何かがある、ということです。ファッ
ションは何も世間から隔絶した芸術ではなく、その時々を最大に反映したビジネスです。
本校のオープンキャンパス時のデザイナー職の紹介の時に、「服を商品として考える」職業、
という説明があるのですが、私はこの言葉が大好きです。良いと思うデザインの服すべて
が売れるわけではありませんが、売れた服はすべてデザインの良い服だ、というのは真実
だと思います。講談社のモーニング誌に連載されている「アパレルドッグ」という連載漫画
の主人公のマーチャンダイザーが、新卒用会社説明会で、マーチャンダイザーの仕事の目的は、
「ただただ売るため」、と言い、「売れないと死亡ですから」、と発言しますが、これがアパレル
業界のすべてを物語っているといえます。展示会、というときれいなイメージできれいな演出、
という方に目が向きがちですが、それはすべて売るための工夫です。このデザインが、この
素材が、この縫製が素晴らしいって、売り上げ以外に何か証明するものがあるでしょうか。
いつでも何が売れるかを考える、これが展示会を見る唯一のコツで、そういった目は展示会
訪問回数を重ねるごとに養われていきます。前回、そんな展示会をまず2件ご紹介しました。
今回は後編ということで残りの2件をご紹介したいと思います。

 

イタリア、インドと来て、次はやっぱり本場フランスをご紹介します。7月22日から24日まで、
「モード・イン・フランス」が開催されました。今回が59回目、年2回の開催なので次で30周年
を迎える、という歴史のある展示会です。フランス、やっぱり色柄いいですね。会場の写真を
まずご覧ください。

やはりプリントはうまいです。イタリアもそうでしたがスカーフはスクエアのものが結構多いですね。

上の写真のようにやさしめ、というかイタリアよりは少しエレガンス寄りになります。

雰囲気はとても良いと思うのですが2枚の写真でお分かりのように来客がとても少ないです。
イタリア展同様、ユーロ高、等の影響で容易に手を出せる価格ではないのは事実なのですが、
ファッション、料理、車、すべてイタリアの少々どぎつさの方がわかりやすい、というのも
イタリア展と比べて来客が少ない要因かな、と思ったりもします。また確かにフランスの方が
安易な商売をしてるな、という面もあって、中にはインドのメーカーの商品をちょっと色だけ
変えて、インドのメーカーの5ドルの商品を30ユーロで売ってたりと、1部ではありますがそんな
商品もあったりします。色々聞いていると、どこで作ったとかは関係なく価値はフランス式配色に
あるんですよ、という答えが返って来るのですが、まあ確かにその通りではありますね。それが
ハマればいいのでしょうがファッションって、結構スイートスポットが小さいものだと思います。
車でセダンがもうなくなりそうでワンボックスやSUVのようなカジュアルな車ばっかりになって
しまったようにアパレルでもエレガンスブランドはどこも苦戦しています。個人的には最近セダン
って、とても良いと思うんですけどね。

フランス展で一番良いなと思ったブースは以下の展示内容です。

確かに色、柄、デザイン共ミセス寄りではありますがいかにもフランスっていう感じでとても良い
ですよね。そんなインポートらしいインポートの世界がいつまでも続いて欲しいと思います。日本の
メーカーでは絶対にない世界って、良いですよね。

 

2週にわたってお送りした展示会ツアーの最後に紹介させていただくのはJUMBLE TOKYOです。
この展示会も2004年から始まり、2013年からは海外ブランドも招致、逆に出展社の海外進出の
バックアップも行っています。新進ブランド、あるいは新しい取り組み新分野にチャレンジして
いるブランドをセレクトしている展示会です。フランス展と同時期の開催だったのですが、こちら
は満員盛況、人をかきわけての訪問となりました。印象的にいうと海外ブランドが3割強、韓国
ブランドが多かったですが、どこも日本では初出展、日本でのショップもなく、ただECでは日本
への発送もしている、とか、代理店募集中、とかそんなブランドが多かったようです。当校でも
韓国ブランドに就職希望する学生が思ったより多いですが、当然日本に事務所があるブランドも
なく、韓国でも少人数のスタッフで運営しているところがほとんどなので就職先としてはちょっと
難しそうです。会場は以下の写真のようにアイテムも国も雑多、JUMBLE(ごちゃまぜ)の名前
通りの展示会となっていました。

各ブース本来の商売での接客に忙しそうであまりお邪魔をしないように声かけをはばかっていた
のですが、韓国からの出展社をはじめ数件の会社からお話を聞かせていただきました。その中で
写真撮りもOKをいただいたブースを少しですが紹介したいと思います。

 

まず始めはARCH&LINEさん。同じ素材、同じデザインで子供服から大人サイズまで展開されて
いて、ジェンダーレスにも対応、服に性別の区別もなく、あるのはサイズの区別だけです。使用
素材はオーガニックコットン、カポックをはじめとする環境配慮素材、ポリエステル、等はリサ
イクル素材を使用、環境負荷の少ないリネンを珍しく子供服にも使用、カットソー製品にはエコ
ソーダという染色時に水の使用量を半分に節約できる染料固定材を使い水、染料ともに節約し、
排水の負荷も提言しています。環境配慮の徹底ぶりは運送、梱包、ショッパー、下げ札、等すべて
に及び、生産工場のトレーサビリティ(生産工程の追跡可能性)のチェックも徹底しています。

 

それ以外にも製品のリフォームを染め直しを含めて展開したりしています。写真をどうぞ。

中にはブランド品のスカーフの染め直し等も見られます。写真をもう一枚。

左右身頃の違うものを組み合わせたり、いろんな手法を使われています。こんなリメイクも一部
メイド・イン・トーキョーにこだわったりしていらっしゃるようなのでリメイクにご興味のある方、
ミシンに自信のある方はぜひ一度お尋ねいただいたらいかがかと思います。大人子供合わせた新作
プリント、等も多数あったのですが、発売前、ということで撮影は遠慮しました。その他商品に
ご興味のある方はオンラインショップに多数掲載されていますのでそちらでご確認ください。環境、
トレーサビリティ、ジェンダー、といった問題にここまで面と向かって対応しているブランドは
数少ないと思います。インスタグラムも充実していますのでぜひ一度そちらをご確認ください。

 

次にご紹介するのは有限会社やまもとさん、ミリタリー関係の卸をしていらっしゃる京都の企業
です。拝見すると自社ブランド商品も当然ありますが、各国軍隊の放出品等もあり、それを依頼に
応じてリフォームしてお渡ししているそうです。写真をどうぞ。

同じ商品が2着並んでおり、リフォーム前、リフォーム後を比較することが可能な陳列になっています。
丈詰め、ベルトループ取付(ミリタリーは思ったよりつりベルト使用のものが多いようです)、といった
軽めのものからズボンをスカートにリメイク、等大手術が必要なものまで様々あります。一貫して
工賃はかなり安いです。ただしあくまでも卸業者なので1型10枚よりの受付、十いうことでした。写真を
もう一枚。

確か真ん中の迷彩パンツが軍放出物だったと思います。仏軍だったか露軍だったかは忘れてしまいま
した、すいません。いずれにしろ世界にはメッシュ生地の軍服もあるんだな、と結構目から鱗でした。
次の写真にいきます。

本物のパラシュート生地放出物です。パラシュートなんたら、ってよくありますけど本物のパラシュート
生地って、ほとんど見たことがないですよね。手前の缶に入っているのがパラシュートそのもの、これも
海外軍隊放出物でした。今回画像はないのですが、そのままの生地を使った洋服もありましたよ。私は
特に趣味はないのですが、ミリタリーファンが見たら垂涎物の商品が結構ありましたよ。こちらもご興味が
あって、京都への引っ越しに抵抗がなくミシンに自信がある方はぜひご検討ください。なんとなく、ファン
にはたまらない世界だと思います。

 

その他色々なブランドが出展されていたのですが、みんな何かしらにこだわりのあるブランドばかりで
結構面白かったです。防水撥水商品だけに特化していたり、エシカルでも各社こだわりが違い、見どころは
十分でした。それ以外にもアクセサリー、お茶、健康食品、ウェルネス、等多彩な出展社が揃いとても
盛況な展示会でした。他では出展社の数を増やそうとして結局ファッションとは無関係な企業ばっかり
集めてしまい、何の展示会だかわからなくなってしまっている展示会をたまに見かけますが、JUMBLE 
TOKYOではそんなことがなく、一本芯が通っているところが見ていて安心感を持てる所以だと思います。
芯を中心としてその他の企業との総合力が発揮できれば見どころのある展示会になる、という見本だと
思います。次回もまた訪問したいと思います。

 

いろいろなことをやりながら7月も前回ご紹介したものも含めて4つの総合展を訪問してきました。駆け足で
ご紹介しましたがそれこそ紹介仕切れない魅力が各展示会ともいっぱいあります。それらはぜひみなさんの
目で、実際にご確認、ご体験ください。時間がないのは誰でも一緒で、その中でできるだけ走り回って見分
を広める、これしかいいものを見る目を養う方法はないんです。いろんなエクスキューズを考えつつ止まって
しまうならまず走りましょう。それから考えましょう。本当に時間がないならそうするしかないと思います。
止まってても走ってても流れる時間は一緒なんですから。

 

8月にもまたいくつか、そして9月はまた展示会ラッシュになります。そのレポートもまたお送りしたいと
思いますが、次回は何件かの企業訪問レポートをお送りしたいと思います。

 

ではまた。

 

 

HANAZONO

 

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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~就活室便り~#39 Magical Mystery Tour side A

~就活室便り~#39 Magical Mystery Tour sideA

 

みなさんこんにちは。就活室のHAMAZONOです。しかし、というかとにかく毎日
暑いですね。なんか朝起きた瞬間から疲れてたりします。いつの間にか疲労が蓄積
している、ということだと思うんですけど、この気温が最低でも9月いっぱいまで
続いてしまう、と思うとちょっときついですね。いずれにしろ今年は10月まで半袖
で頑張りたいと思っていますのでTシャツのバリエーションを増やしていこうと思い
ます。

アパレルも本当は春、秋が稼ぎ時で、何に合わせるこのアイテム、とか、これに
羽織る何がほしい、とかいうのが一番儲かる商売ですが、今は暖かくなったと思ったら
すぐ半袖で、そのまま年内が寒くなく、やっとコートの出番になったらもうバーゲンの
季節、と1年2シーズンでいいのかな、という感じで各社対応に苦慮しています。新聞誌上
でもそんな気候変動対策を毎日のように見かけるのですが、基本的には秋物の立ち上がり
を遅らせ、秋色をつけた半袖アイテムを9月10月店頭用に充実させる、というもので、
それではこちらも秋色Tシャツをそろえようかな、と思ったりしますが、実は趣味の問題で
白いTシャツも1枚も持ってなかったりするんでした。色的には圧倒的に黒が多く、こげ茶か
ワインかなんかのシャツを買わなきゃいけないのかな、とも思いますがその2色は今でも
店頭に並んでいますよね。秋色の半袖でどんな色が出てくるのか、今後に期待です。そんな
半袖で過ごしつつ、今年の春はラム革のライダースとか買ったりしたんですけどやっぱり
着る機会がなくて、冬が来る前に少しでも着る機会があったらなあ、と思います。

 

そんな季節を通り越してファッション業界では来春夏用展示会が目白押しです。その中で
いくつかの展示会巡りをしてきましたので今回はその報告をしていきたいと思います。

 

まず7月9日から11日まで開催された「モーダイタリア」から紹介していきます。この展示会
はその名の通りイタリアのメーカーが来日して年2回開催されるアパレル製品、バッグ、靴、
アクセサリー、スカーフ、ストール等のファッション総合展です。元々日本ではファッション、
食事、車等様々な分野でイタリア物は大人気ですよね。そんなイタリアのファッションを
集めた総合展は1987年にまずシューズ展から始まり、1992年からは現在のもーダイタリアが
始まり、2009年からは2つの展示会が同時開催となり現在に至っています。洋服で30年以上、
最初の靴の展示から数えるともうすぐ40周年ということになります。つまり最初は現在のユーロ
建てではなくリラ建てだったわけですからそれだけの歴史を感じさせます。そんな歴史ある
展示会もコロナ禍の数年はそれにウクライナ侵攻の影響でロシア上空が飛べなくなる、という
物理的要因も加わり参加企業が激減し、参加した企業もサンプル送付のみで、あとの運営は
日本のエージェントに任せる、という方法だったので、急いで対応したエージェントも商品の
内容は全く分かっておらずなんかバイイングしようとしてもどうやって買ったらいいのかも
よくわからないような展示会となっていました。

それから数年しか経っていませんが、今回はアパレル40社、アクセサリー11社、バッグ38社、
シューズ22社という豪華な参加者でした。イタリアの海と風を感じるようなエントランスの
写真をご覧ください。

 

左側にパープルのワンピースが数枚ハンガーにかかっていますが、なんかいかにもインポート、
って感じでいいですよね。

以前スカーフ、ストールに関しては世界中からバイイングしていた関係もあって、下の写真の
ブースがかなり気になったりしました。

 

やはり色、柄は素晴らしいですね。140×140のスクエア・スカーフとかロングスカーフになると
そこはやはりプリントの独壇場で配色の良さがそのまま製品の価値になります。まったく素晴ら
しい、と思いますが、これらのイタリアのものすべてに共通した弱点があります。それはずばり
値段です。

コロナ、ウクライナ後のヨーロッパの物価上昇はものすごいものがあり、それに加え毎日のよう
にユーロは上昇し、相対的に毎日のように円は安くなります。先ほどのスカーフで日本で上代を
つけるとしたら最低4~5万、シャツ、ワンピース、ジャケット、ニット等、アパレル製品となる
と最低で上代8~9万くらいになるかな、という感じです。そんな値段でもロシア上空を回避する
航空運賃の上昇で利益はそんなに出ないはずです。しかも輸送費は日々上昇しており、輸入時の
コストが正確に読めない、というのが現状です。普通なら確認サンプルを取って確認してから
本生産、というのが本来の筋ですが、DHLをはじめとする小口運賃はさらに上昇しており、
ちょっと商売にならない、というのが現状です。展示会には多数の来客があり各ブースとも結構
いっぱいのところが多かったですが、コストを考えると数量をまとめて発注できるところはなく、
1型1色1枚ずつ、というような小規模のセレクトショップ、地方ブティックの発注がほとんどの
ようで、当然想定してきた売り上げには到達せず、そうするとイタリアから経費をかけて出張して
きている彼らはその経費分だけでも回収しようと思い値段が高くなる、という値上げスパイラルと
でも言うべき様相を呈します。どのブースも見てすばらしい、というものは多々ありますが、だから
と言って手を出せるものはほとんどないと言っていいと思います。結局目の保養になるだけの展示会
なのですが、いつかはそんな状況を打ち破るバイヤーが出てきてくれたらな、と思います。

 

こんな話を長々として役に立たない話ばっかりじゃん、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが
いつかは日本人も自分で責任をもってリスクを張る、ということを覚えれば状況は一変します。
1型1色1枚ではなく1型100枚買ってごらんなさい、ちょっと驚くくらいのディスカウントしてくれますよ。
商売も賭け事も投資もそうですけど元の掛け金が大きいほうがリターンも格段に多い、というのは当たり
前すぎる当たり前です。100枚発注が何社かからあれば日本ってすごい、ということになって次回からの
元の値付けが全然違うと思います。ただそれだけのリスクを背負うには元手の資金だけでなく情報分析、
綿密なデータ(感性が良いってよく言いますが裏付けのない感性はあてにならないですよ)、顧客管理と
情報分析、等々の緻密で地味な作業が不可欠です。商売と賭け事はやはりそこが一番違うのかな、という
気がして個人の感性なんかだけじゃ成り立たないところ、それが仕事の大変さでもあり面白いところでも
あります。将来バイヤーを目指す方はそこのところを頭に入れておいてください。バイヤーになる近道は
ありませんが一歩頑張れば一歩目標に近づいていきます。そしてゴールはそんなに遠くにあるわけではあり
ません。みなさん、応援していますので頑張ってください。

 

、とモーダイタリアの素晴らしい展示を見ながらそんなことを考えました。確かに良いからと言って買える
ものはありませんでしたがそれでもいいものを見るって、やっぱり良いですよね。これからも良いものには
どんどん触れていきたいと思います。

次の週、7月15,16の両日、同じベルサール渋谷ガーデンにて、「インド・トレンドフェア」が開催されました。
そのレポートをお送りいたします。

 

現在繊維製品の全世界に対する輸出額では中国が圧倒的なシェアを誇っており、インドは2位の輸出額ですが、
金額的には中国はインドの7倍の額となります。それが日本に対する輸出額となると中国の首位は変わりません
がインドは輸出額で第9位となり、額に至っては中国はインドの41倍の金額を輸出していることになります。
インド政府として対日輸出で中国を上回ろう、というような過大な目標は立てていませんが、少なくとも中国の
1割くらいの額は日本に対して輸出したい、というのが目標となっています。そのためにこのインド・トレンド
フェアは大きな意味を持つ展示会となっているわけですが、毎回毎回かなりの力が入っていることはひしひしと
感じます。オープニングおよび特別公演には当然のように駐日大使も出席され、インド本国展示会に数名の無料
招待をはじめ様々な企画が充実しています。出展社も今回は167社を数え、質的にも量的にも充実しているといえ
ます。そんな展示会の様子を雰囲気を含めて少しでもレポートできたらと思います。

 

今回は1階と地下1階と2会場に分かれ、アイテムごとに分かれているのかな、と思ったら特に関係ないようでした。

いずれにしろ特に増えているのはガーメント(服のことです)の出展社で、ファッショングッズ、その他は横ばい、

寝具、ホームファニシングの出展社は減少した印象です。

中国が繊維輸出トップの座についている理由は、縫製工場の数だけでなく、素材(生地、表地、裏地とも)、
付属(ボタン、芯地、ファスナー、等)まで含めてすべて現地調達が可能なところが大きいと思います。それ以外
に印刷工場も充実しているので品質表示、下げ札も現地にて生産可能で、日本から送るのはパターンと指示書のみ
でいける、というのは多大なメリットがあります。現在ではベトナム生産がかなり拡大していますし、工賃ベース
でいえばバングラディシュの生産が最もコストメリットがあります。しかし材料すべてを現地調達するのは不可能で、
下手すると材料すべてを日本、および中国から送らなければなりません。その分の運賃、関税、等諸経費を考える
とコストメリットはだいぶ差し引かれ、お隣の国中国とは違い特に船便の場合の日数の増加は納期が重要な
アパレル業界において致命的な影響を及ぼしかねません。このようになかなか工賃だけではアパレル製品生産の拠点
は決定できない、ということがお判りいただけたでしょうか。

素材でいうと、インドは綿では世界第1位、絹では世界第2位で特に天然繊維の生産が盛んです。一昔前は夏といえば
インド綿、インドマドラス、という時代がありました。やはり以前から夏物は強いです。値段はちょっとびっくり
するくらい安いので、今後の日本での発展の余地は十分にありそうです。

それと先ほどのマドラスチェックもそうですが、イギリスとの関係もあり、長い間ヨーロッパの下請けとして機能して
きた、ということもあり、意匠面でとても素晴らしいものがあります。最初に紹介したイタリア、次に紹介する
フランスでもインド製が異様に多い、というか、下手するとインドのメーカーのオリジナルをそのまま自分のブランド名
をつけて売っている商品はかなり多いです。それくらい意匠の面では優れていると思いますし色、柄、配色ともなかなか
まねできないものが多いです。

ただ問題はやはり品質かな、という気がします。ヨーロッパは、やはり洋服に対して大人、というか、麻や絹にスラブ糸
があるのは当たり前、ビビッドカラーは色が落ちやすいのは当たり前、レーヨンはしわや縮みは当たり前、ということで
洋服のケアはしっかりしています。日本では着物のケア、と言ったら襟は外して、とかかなり細やかなメンテナンスが
されていますが洋服となると全くの工業生産扱いとなり、洗濯や各種取り扱いでのクレームが絶えません。着物も洋服も
同じ服なのになあ、と思うのは私だけなのでしょうか。いずれにしろ日本製の、折り目の正しい、どこまでも縫い目の
まっすぐな服とは少し違います。日本向けの製品の品質向上とより意匠に富んだ製品が評価されるような日本での服に
対する価値観の変化、その2つの変化が進行すればインド製品、どんどん伸びる気がします。

 

じゃあその意匠なんたらは実際どんなもんなんだ、という話になると思いますが、一番わかりやすいスカーフ、ストール
の写真を数点用意しましたのでそれをご覧いただこうと思います。統計がありませんので実際にインド製のスカーフが
輸入量第何位、ということは言えないのですが、現在かなりのパーセンテージを占めている、というのは事実で、その
輸入量増大にかなりの量、と言ってしまうと誇大広告になるかもしれませんが少なくとも数%は私が力を貸していた、
というのも本当の事なんですよ。まあ宣伝はこれくらいにして今回の展示会でもそんな実績から各社快く写真撮影に
協力していただけました。まず写真ですね。

こんな感じで先染めとレースのコンビネーションです。写真が切れてて申し訳ないのですが、この生地は端がボーダー柄、
真ん中が無地になっています。それにレースをかぶせて、そのレースはビーズ、スパンコール付きです。これだけ手を
かけて日本で上代をつけても1万円を切ったところでの値付けが可能です。安いですよね。次の写真に行きましょう。

とにかく刺繍のオンパレードですね。こちらも上代1万円を切ります。次の写真をどうぞ。

今回これが一番良かった気がして、まずこんなすかすかの織り方なんて、やはり機械ではなかなかできません。それに紺の
水玉をプリントしています。インドの特徴は1柄1色のみで他の色がないことで、2色展開しようと思ったらあと1色は作らな
くてはなりません。この場合は迷わず赤玉をつけてトリコロール展開したいところですが、茶玉も良さそうですよね。海外
でのバイイングの場合はその場で数量含めて即決しなければならず、それが海外バイイングの痺れるところなんですけど
今は実際には買わないので安心して展示会を回れます。多分バイイングしてる時は本当に目つきが厳しいか悪いかどちらか
だったんだろうな、とちょっと反省しつつそんな頃が少し懐かしかったりします。

次の写真に行きます。

この技法を初めて日本に紹介したのは私だと思うんですけどシルクの生地にシルクの立体的な花のモチーフを刺繍していき
ます。あまり重くならないように少量ビーズを使ってさらに立体感を出します。柄も配色もいいですね。

シルクウールのプリント、花、水玉、ストライプのコンビネーション。これだけの色数を使って配色をまとめるのって、難しい
ですよ。

こういう商品がこのブースの写真のように1ブース100柄は優にあります。こういう感じで今回のように167社参加、というと
結構見るだけでも大変ですよ。

 

実はあと展示会2つ、一緒に紹介するつもりだったのですが、字数をだいぶオーバーしてしまいました。色々含めてパート2
につづきたいとおもいます。なんかほかの話が長すぎましたね。反省しつつ来週アップしたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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就活室便り~#38 A Change Is Gonna Come

就活室便り~#38 A Change Is Gonna Come

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。今までで最も暑かった6月がやっと
終わり、これからは7月、8月と夏本番を迎えます。なんか結構出勤しただけで疲れて
たりしますよね。熱中症対策だけでなく日焼け、汗疹、等いろいろな対策を考慮中で
結構頭がいっぱいですが、いずれにしろその記録的暑さだった6月よりはどんどん暑く
なってくるのだけは間違いないところなので、万全の態勢で酷暑を乗り切りたいですね。

 

まあ万全の態勢でも暑いことに変わりはないのでとにかく気はしっかり持って、そして
無理は決してせずに、何とかこの酷暑を乗り切っていきましょう。昨年のことを考え
ても、少なくとも11月に入るまでは暑い、という前提で間違いないと思います。各アパ
レルも今までのMDとは全くスケジュールを変え、従来は晩夏初秋企画として7月末~8月
に一部秋物、長袖を立ち上がっていましたが、今年は「暑秋」という言葉も生まれ、
去年も9月、10月に一番欲しかったのは半袖で、その品揃えが各社全くできていなかった、
という反省を踏まえて薄手、半袖の秋企画がだいぶ充実しています。それでも日本は熱帯、
亜熱帯ではないので寒い冬が必ずやってきます。コート、防寒の企画が決してなくなる
わけではないのでむしろアパレルMDとしては対応すべきシーズンが増えた、という感じ
で年中の忙しさは増えはしても減ることはない、といったところでしょうか。まあ結局
どんな職業でも今まで以上に頑張りましょう、ということですよね。暑さに負けずにどん
どん行きましょう。

 

、というような感じで訪問したライフスタイルWeekの今回は2回目のレポートをお送り
します。前回は推し活ブースでお伺いした1軒目までお伝えしましたので今回は2軒目か
らのレポートをお送りします。

 

まず今回の1軒目は株式会社オリジンさん。アクリルスタンドの印刷をやられているの
ですが、それが普通の、片面印刷ではなく、両面であるということです。いろいろ回った
ブースの中で両面のアクリルスタンドを出している会社はどこにもありませんでした。
まずはその写真、ですよね。下をご覧ください。

表だけでなく後ろ姿も、きちんと映っていますよね。なんか普通に考えて透明なアクリル
板2枚張り合わせても接着剤が見えるんでは?とか思ってしまいますが張り合わせのいか
なる痕跡も見えません。また前と後ろが少しでもずれたらもう使い物にならなくなって
しまうのは当然で、その張り合わせ技術はものすごいものがあります。当然その技術は
企業秘密、ということになってしまいますが、スマートフォンに保護フィルムを張る、
そんなイメージの技術らしいです。でも普通のスマホのようにフィルムをぺりっとはが
せるわけではないのでやはりもうちょっと特殊な接着剤なのか、方法なのかを使っている、
ということだと思います。デザイナーといってもこちらはグラフィックデザイナーの分野に
入るとは思いますが、絵型が得意でイラストレーター等、得意な方、就職のチャンスはあり
です。ご興味のある方はチャレンジしてみましょう。

 

次にご紹介するのはコシオカ産業さん。創業から61年という老舗企業で、本来はノベル
ティ用のトートバッグを主力商品として展開されている会社です。61年の間に主力商品も
時代とともに変遷しているようで、今回は推し活用トートバッグを展開していらっしゃい
ました。下の写真をご覧ください。

外ポケット付きの大きなトートです。外ポケットに推しのグッズを収納可能です。これは
下の黒のトートだとより分かりやすいと思います。黒の画像をどうぞ。

派手目な推しバッグは多々ありますがこれなら普通に持ち歩けそうですね。そしてサイズ
が大きいのでかなりの収納力を誇ります。下の写真がバッグ内部の様子です。

ファスナー付きなので安心なのと、大きいので推しのうちわも楽々収納できていますね。
現在新卒募集は行っておらず、採用があったとしてもまず最初の勤務地はヘッドオフィスの
ある奈良、ということになりそうですが、時代に合わせてどんどん主力商品を変えていく、
そんな姿勢をお持ちのコシオカ産業さん、いつかどこかでお世話になるかも知れませんね。

 

次にご紹介するのはアクセサリーマルタカさん。なんかどこかで聞いたことのある名前の
会社だなあ、と思っていたらアパレルへのアクセサリー供給で老舗のアクセサリーOEM,
ODM企業で、多分いろいろなアパレルの商談ルームで顔を合わせたことがあるんだと思い
ます。それくらいアパレルでは有名な企業で、創業はなんと1925年ですからすごい歴史です
よね。そんなマルタカさんも推し活参入です。推し活人気恐るべし、の感があります。やはり
マルタカさんは同じ推し活グッズでもアクセサリー系には一日の長があります。写真をご覧
ください。

やはり完成度は高いですよね。当然スマホケース、ストラップ関係は得意中の得意です。
また写真を載せます。

その他様々なアイテムを展開していらっしゃいます。あまりにアイテム数が多くて紹介し
きれないのですがとりあえず下の写真までご紹介したいと思います。

みなさん当然本業はしっかりやりつつ新しい事にどんどん挑戦していらっしゃいます。こう
して時代の変化に自ら積極的に挑戦していくのがファッション産業の素晴らしさですよね。

 

次にご紹介するのは推し活ブースの中でもちょっと異彩を放っている、というか、結構な
ワンアンドオンリーな出展者です。会社名は[chico ltd],咲き編み、という独自の技術で様々な
商品を作成しているアーティストのchicoさんが運営しているブランドです。咲き編みって、
何?と思われると思います。それはchicoさんが空気とともに布を編む、というご自分で開発
された独自の編み方につけた名前です。まず写真をご覧ください。

オーガンジーを均等な大きさに裂いて、それをかぎ針で編み上げていったものです。っていう
のは簡単ですが、生地を均等に裂くだけでどれくらい手間がかかっているか、その手間を考え
るとうすら恐ろしいものがあります。アイテムはシュシュが多いようですが、その他にバッグ
からぬいぐるみから様々なアイテムがあります。そんな写真をご覧ください。

結構ものすごいですよね。元々はご自分の自作ウエディングドレスで、お子様のための何か
小物のようなものを作ろうとその生地を裂いてみたのがきっかけだそうです。それだから
オーガンジーをお使いなのかもしれませんが、布帛の生地を使いながら、ふっくら、柔らかく、
ボリュームのある編み物となっています。しかも製品は全て永久保証、ということをうたわれて
おり、そのふっくらとした外観が特徴の咲き編みはいくら使用してもつぶれた外観にならない、
と、自信をもって宣伝していらっしゃいます。実際の製品化の仕方はわかりませんが、ホーム
ページを拝見すると「独自の力業」で編み込んでいく、というようなことが書かれていて、
とにかく、ふわふわの秘密は構築的で男前、ということですのでやはり結構な体力がいる仕事
なのかな、と思います。とにかく生地裂き→力編み、という作業を繰り返しているわけですから、
作業自体の大変さは思いやられるものがあり、また生産効率もかなり悪いんじゃないか、と思い
ますが、とあるテレビショッピングに納品されていたり、かなり多くのショップに卸していらっ
しゃったり、と結構の多産なペースの様子。「でも頑張って何とかなってます。」、とchicoさんは
おっしゃるのですが、その苦労より一人でも多くのお客様が身に着けてくれる楽しみの方が
大きいのかな、とか勝手に思ったりもします。作品の面積が大きくなればその分大変さも増える
んですが、この大きさのものを何気なくぽん、と陳列されていたりして、大迫力だったりします。
下の写真をご覧ください。

 

こんな壁面見たらびっくりしませんか。ここまでではないですが以下の写真もご覧ください。
アイテム的には何でもできそうですね。

シュシュにしろなんにしろchicoさん自身が子育ての大変さと、それでも時間のかからない
おしゃれをしたい、という願望をいやというほどわかっていらっしゃるからこその製品に
なっていると思います。たとえおしゃれする時間がなかなか取れなくても、この咲き編みの
シュシュ1つで、ご自身も、それを見られた方も、なんか、気分が上がるって、いいですよね。
小物って、実はおしゃれの中で占める度合いが非常に大きかったりします。ホームページには
カラーで、オケージョンで、アイテムで、と様々なシーンでのコーディネートも載っています。
どんな時でも気分だけは上げていきたいですね。

そんな工房を見学したい、というような学生がいたら、というお話をしていたら、見学もそう
ですし、実際、学校での講演会もやられているとのこと。当校にもぜひ、とお願いしたのですが、
できるなら一度作り方教室もやっていただきたい、と欲張りなことも考えてしまっています。
今後、もうちょっとくわしいお話をさせていただきたいな、とは思っていますが、なんかそう
して課題ばっかりどんどん増えていくのが私の欠点、というか、まあ、とにかく課題はこれから
もどんどん増やしていこうかな、とも思っています。今回の出会いを大切にしていきたいです。

 

とまあ今まで推し活ブースを紹介してきましたが、このブースを後にして本会場に戻ると、
来た時には気づかなかった地域産業のブースに目が行き、立ち寄らせていただいたのが最後に
紹介するラボシステムさんです。横編みニットの会社で、ホールガーメントは得意中の得意、
社長の岩佐さんは島精機出身でユニクロの3Dニットの立ち上げにも携わった方で、現在は
文化服装学院ニットデザイン科の副担任もなさっているとのこと。まさしく横編みの大家と
呼べる方です。今回陳列なさっていたのはこんな作品です。

人形用の服をホールガーメントで編んでいます。ちょっと小さくてわかりにくいかもしれ
ません(写真じゃなくて人形が)。下の写真の方が少しだけ見やすいかな、と思います。
写真をどうぞ。

結構すごいですよね。この大きさで細部まできちんとできています。先ほどの咲き編みとは
違って、今回は小さければ小さいほど難しい作品となっています。他のニッターで断られた
どんな依頼でも一度お持ちください、とホームページにうたわれていますのでやはり難しい
もの、手のかかるものに自信がおありのようです。

ニットって、本当にわかりづらくて、他の生地とは全く作り方が違い(経、緯の整形が
ない)、ゲージ、という独特の存在があったり、机上の学問ではなかなか理解が難しく、
本当だったら一度編機を見て、その作り方を学んでおくべきなのですが、都内近郊になか
なか現在ではそういうニッターはありません。ラボシステムさんは都内ということもあり、
ぜひ一度お伺いさせて頂いて、というお話をさせて頂いたら、基本的にはスペースの問題も
あり、1回5人までなら、というお話を頂きました。また、当校でもぜひご講演を、という
お話もさせて頂きました。1回5人だとしてそれをクラスの人数で割って、そのローテー
ションを、とかなんとか考えていたらまた課題が増えたようです。なんだか嬉しいんだか
大変なんだかわかりませんが、とにかく忙しい日々は続きそうです。

 

前回のレポートの最初のほうで言っていた通り今回は寄るブースもなんのレポートも
なさそう、というところから結局なんだか2週にわたっての長文レポートになってしま
いました。これだからどの展示会も行ってみないとわからないんですよね。こうして
新しい世界を見て、新しい企業と知り合い、新しい課題でいっぱいになる、やはり
これって、いいことですよね。なんだかやることはいっぱいですが、それがなくなったら
おしまい、という気がするので、今後もいろんなところを訪問していろんな情報を
お届けしたいと思います。

 

ファッションの世界の変化はいつでも急で、昔からの伝統を守り続けている企業も
あるにはありますが、大抵は時代に即して、商材も、商圏も、全てどんどん変わり、
元は何屋さんだったかわからない企業って、やっぱり強いです。本校の学生にも、
「東レって、生地も作ってるんですか?」と驚いていたものがおりましたが、強い
企業って、実際そういう企業ですよね。そうでなければ、他ではできない独自の
技術を持っている企業が強い企業だと思います。今回、そんな企業の方々とお会い
できたのは非常に幸運だったと思います。暑かろうが寒かろうがとにかく展示会
廻りはやめられませんね。次回もまた別の展示会に訪問してレポートをお送り
する予定です。

 

ではまた。

 

 

HANAZONO

 

 

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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