~就活室便り~#43 Across the Universe side-A
~就活室便り~#43 Across the Universe side-A
みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。なんか、予報通りと言って
いいのか、9月に入ってもやっぱり暑いですね。以前は9月に入ったら長袖シャツ
の上にジャケットを羽織って、汗だくになりながらも秋の気分を味わったことも
あったのですが、今となってはそんな気は全然ないですね。とにかく暑すぎるの
と、暑さを耐えようという気力がなくなってきました。気候の変化とともに1番変
わったのはその気力の方かもしれません。暑かったら脱ぐし寒かったら着るし、
季節を先取りした格好をしようとか、そんな気が最近は一切なくなってきました。
そうすると。、もうお店に行ってもプレシーズンの何だとか言われても見る気が全
くしないですね。情けないといえば情けないですが、その代わり婦人服だけはいつ
見ても興味が尽きることはありません。時間があれば必ずショップ巡りをするのは
相変わらずです。そう考えたら子供が小さい時は子供服は真剣に見ましたし、婦人
服はいつもの通りなので、見る時間が今まで1番少ないのはメンズかもしれないです
ね。流行も、ブランドも、結構疎かったりします。長袖・羽織ものの季節が来たら
これからはメンズブランドも少しは見てみようかな、と思います。
最近の男子学生と話していると、レディース専門アパレルにはなかなか興味が持て
ない、という学生が増えているような気がします。確かに現在は総合アパレルの数
は増えつつあり、しかも総合アパレルのメンズの6割を購買しているのが女性、と
いう話もあります。以前に取り上げた「アパレルドッグ」も、そうやってレディス
専門アパレルがメンズブランドを新設、デビューさせていく話でした。総合アパレ
ルはこれからもどんどん増えていきそうです。
それでもファッションの基本といったらやっぱりレディースですよね。シルエット、
色の傾向、等がシーズンで全く変わってしまう可能性があるのはレディースを置い
て他にはありません。ここでファッション・トレンドを学んでいくのがファッション
業界で成長していくいちばんの近道だと思うのですが、そういう意味でも男子学生
でもレディース専門アパレルにどんどんチャレンジして頂きたいです。実は元々
ファッション産業は男社会で、それこそ各アパレルの部長以上はほとんど男性だと
思いますよ。それだけ裏側では色・柄・デザインだけでなく色々なちょっと表で語れ
ない事も多い業界ではあるのですが、そんな裏側事情を差し置いても、男性社員が
一人店舗にいるだけでクレーム持ち込み率が全然違う、という話もあります。男子
学生の皆さん、ぜひレディース専門アパレルにトライして見てください。将来を考え
てプラスにはなれども絶対に損になることはないですよ。
そんなレディースの世界を今回もご紹介したいと思いますが、9月2日から同じ週に
3つの展示会にお邪魔してきました。今回はそんな展示会の内容をご紹介したいと
思います。
まず最初にお伺いしたのはTRANOI TOKYOです。今回は3回目の開催となり、前回
までの高評価を受け、今回は代々木第一体育館で開催、ということになり、会場が
広くなったことに伴い、出展者は件数、国別地域、両方とも増え、その注目度は増
しています。会場入場後、スタンドからアリーナの様子を撮影できました。下の写
真をご覧ください。

現在日本ではアパレル産業だけでこれだけの出展者を集めるのはなかなか難しくなっ
てきています。いずれにしろこの会場での展示会は初めてだと思いますので、内容の
期待は大です。
入ってすぐのコーナーは国の意向も働いているのでしょうか、アフリカ諸国のコー
ナーとなっています。出展社は10社近く、ということでかなり迫力があります。全体
は映しきれなかったのですが、以下の写真のようなコーナーが広がっています。

アフリカコーナーでも多かったのですが、結構パッチワーク、裁断生地の縫い合わせ
の商品をよく見かけました。SDGsの裁断生地残を無駄にしない、ということと、ト
レンドが結びついているところがあるのかな、と思います。アフリカブランドは、決
して安くないです。工場としてもプライスメリットがそれほどあるわけではない気が
します。歴史的に関係が深いのでテイスト的にはやはりヨーロッパ寄り、以前は中国
の工場、繊維商社がかなりアフリカに進出していましたが、最近はそんな話も滅多に
聞かず、これだけ自ら出展して売りに来ていることから、中国メーカーも本国内を守
るので結構精一杯なのと盛んにアフリカ進出した割には現地とあまりうまくいってな
かったのかな、と想像させます。
それ以外にも初めて見たところではサウジアラビアから数社、ジョージア、ルーマニア、
アルバニア、ウクライナ、等、あまりファッション業界では今までお付き合いがなかった
国からの出展が目立ちました。もちろんトルコ、イタリア。韓国、台湾、インド、
フィリピン、等、普段からお目にかかる機会の多い国からは多数出展していらっしゃい
ます。内容も服だけでなく各種アクセサリー、シューズ、バッグを含めるとかなりの
ボリュームの展示となっていて見ごたえは十分です。
ひとつ懸念材料があるとすれば来客、バイヤーの方だというのはどの展示会でも一緒で
すね。たいていの日本のバイヤーは今回の展示、ブースを見て資料を請求するかサンプル
をお願いするか、というのが普通の対応で、資料を基に会議の席でいろんな人の意見を
集め、決定してから再アプローチ、そこからさまざまなやり取りを続けながら最終サン
プルを作成、それをまた会議にかけて、GOが出たら今度は展示会にかけて、その集計
結果をまた会議にかけて発注、というような手順で進むので、今回の来春夏物、という
目的としては全く企画、商品としては間に合わず、早くても来秋用、下手すると再来年
の春用、ということになってしまいます。
海外のバイヤーは自分に仕入れ権限があり、自分の良いと思ったものはその場で発注、
それが売れれば自分だけの功績となり売れなければ全部自分の責任となりますが、そう
いった立場のバイヤーはオーナー会社のトップの方しかいらっしゃいません。サラリー
マン・バイヤーだったら処々の会議を経ながら上司の数々のハンコを集めながらでしか
発注はできません。展示会でいいな、と思ったメーカーが日本のメーカーだったらその
後何回でも顔を合わせて、ということはできるのですが、海外となると、サンプルを
送ってもらうだけだって現在では莫大な航空運賃と関税までかかります。発注をその場
でしないで後日打ち合わせ、って本当に難しい、というのは私は体験から身に染みて
知っています。
しかも海外のメーカーにとって、日本以外のバイヤーは量はいろいろあっても良いと
思ったものは必ず買う方ばっかりなのです。それゆえ、海外メーカーにしたら「買う」
方だけがお客様で、「買わない」方は相手にはされません。むしろ自分で良いと思った
商品を買えない、という理由が理解できないと思います。サンプルを1枚だけ買う人は
ただ単に「1枚買う人」で、その場で10枚買う人100枚買う人のほうが納期含め全て優遇
されることは間違いありません。海外出張してサンプルを発注してきたがいつまでたっ
ても送られてこない、といった話は本当によく聞きます。そりゃあ誰だって発注金額の
多いお客様の注文から作りますよね。
今回これだけ見栄えの良い展示会とはなりましたが、その場で発注するオーナーの方が
少ないようですと、次回はまだしも2、3回後の展示会には海外からの出展社はおそらく
だんだん減少していき、展示会としてのクオリティもだんだん下がっていくんじゃない
かと思います。各ブースで商談は盛んでしたがあまり実際の発注はしてないんじゃない
かなあ、というのがはたから覗いていての感想なのですが、覗いているだけで実際のこ
とはわかりません。みなさん、いっぱい買ってくれてたらいいな、と思います。
私がお時間をいただいてお話を聞かせていただくより実際の商談のほうが全然重要なの
でなるべくご商売のお邪魔にならないよう注意しながら見学していたのですが、展示の
中で一番面白いと思ったブースの方にお話を伺うことができました。「ANTOK」ブランド
を展開する株式会社otnさんです。ブースの入り口の陳列の写真を下に載せます。まずこ
れにひかれてブースにお邪魔することになりました。まずはその写真をご覧ください。

一見、何でもないライダースジャケットに見えますが、袖の部分やボトムが透けている
のがお判りでしょうか。そう、オーガンジーでできたライダースなのです。
生地の強度は元の糸の強さと打ち込み本数で決まります。その強度は引裂強度試験と
いって、単純に記事を両側から引っ張ってどれくらいの力に耐えられるのかを試験します。
現在、この試験で不合格になるような生地はほぼ存在しないといっていいと思います。
ただ、生地ははさみを入れカットし、縫い合わせます。その縫い目がいかに強いか、これ
は縫目滑脱、という試験を別に行います。この試験は当然薄い生地は圧倒的に不利になり、
何らかの補強が必要となります。この製品の場合は表に響かないように気を付けながら
すべての縫い目に芯を貼っているそうです。なんか想像するだけで大変な作業なのですが、
そんな大変な作業は縫製工場さんからは断られ、社内でご自分たちで縫製されているそう
です。この型の色違いのオレンジもありました。それが次の写真です。

こんな外から透けるもの、黒ならまだしもオレンジに合わせる芯って、選ぶだけでも大変
だったんじゃないですか、と、質問したところ、やっぱり大変だったようです。その他の
製品もハードなスタイルを柔らかい生地で、と。いったものが多く、遠目に見るのと近く
で見て、触って、えっ、というような商品が各所に見られました。あと数点写真を紹介で
きたらと思います。

同じ型で柔らかいものからデニムまで。ファスナー部分が折り返し等が多くミシンがなか
なか通らない、ということでデニムはやはり工場さんに断られ、やはり社内での縫製、と
のことです。同型で見た目通りハードなものと、恐ろしく柔らかいものとが並んでいて
触ったらちょっとびっくりします。もう1型ご紹介します。写真をどうぞ。

黒のコートですが、シャツをそのままコートにしたら、というコンセプトで、それゆえ胸
ポケットがついていたり、襟がボタンダウンになっていたりします。シャツからの発展のた
めあえて裏地もつけていないそうです。いろいろな発想自体が面白いですよね。
このANTOKの代表はファッション専門学校卒業後、デザイナーズ系のアパレルにて7年パタ
ンナーとして働き、その後、独立して現在の会社を始めた、とのことで会社設立にあたり、
今まで見ていただいたような微妙な服の微妙なニュアンスを伝えやすいため、学校時代の同
級生だけで集まり現在に至るそうです。普段は他社のOEM,ODM生産を主事業として行い、
そのお金をこのオリジナルブランドにつぎ込んでいる、とのこと。実際にブランド運営だけ
で採算が取れるまではその縫製にしろなんにしろ大変なことは多いでしょうが、自分たちの
好きな道を気心の知れた仲間と一緒にやっていけるって、なんかいいですよね。もしどうし
ても大変な時は、同級生ではないですけど当校にもインターンシップのお声をかけて下さる
ようお願いをしました。その件とは別に今後注目していきたいブランドではありますね。
というような形でTRANOI TOKYO訪問してきました。ここをさらっと午前中拝見して早急
にギフトショーに向かおうと思っていたのですが、思ったよりここで時間を食ってしまい、
ギフトショーに向かったのは予定よりかなり遅い時間となってしまいました。回り切れるか
どうかが心配だったんですけどとにかく急いで向かうこととしました。何しろ出展社2700社
以上、来場者は14万人以上という、国内最大の総合展だからです。
で、結局簡単に(ではないですけど、本当は、その歩行距離だけでも)、回り切れてしまった
んですけど、やはり基本的にはギフト、というテーマがまずあるので、アパレルも何社か出展
していましたが、単価の安いもの、年代の高いものが多く、あまり就活生に紹介する内容では
なかったかなあ、と思うところが多かったからです。実際のギフト市場を考えたらそれはそれ
で充実した展示会だったと思いますしそれだけの集客力を誇る展示会だったと思います。ただ
ちょっとファッション業界向きでは、今回は特になかった、ということだったのですが、それ
でも前回もお伝えしましたが、やはり中国企業の力の入れ方は特筆すべきところがあります。
下の写真をご覧ください。

この広いスペースがすべて中国企業ブースで、これが2フロア分あります。それ以外にメイン
展示会場にも何社も出展していましたから実際の出展数と言ったら全体の4割くらいは中国企業
なんじゃないか、と思うくらいの出展社数です。それだけ自国の不景気、関税問題による対米
輸出の激減予想、等、いろんな問題があると思いますが、それにしても彼らの変わり身の早さに
驚かされるとともに、もはや景気でも何でも自国だけのことにはとどまらずすべて世界中に影響
を与えるんだ、ということは火を見るよりも明らかです。海外に行くと国際紛争の相手国の商品
が結構その当時国内で流通しているのを見る機会がよくあります。いずれにしろ国家間の紛争は
できるだけ避けた方が得策ですよね。もう世界はここだけは良くって、というようなことはない
ですよね。世界の流れとともに日本も一緒に良くなっていってくれば、と思います。
こんな感じで実際には9月3日、2件の展示会を訪問してきたレポートをお送りしました、当日の
歩数が3万8千歩超え、というウルトラハードな一日でしたがそれにしては思ったよりレポート
する内容が少なかったかな、と思ってたのですが、次の日に訪れた別の展示会でお伝えする内容
がいっぱいありました。次回のレポート、ご期待いただけたらと思います。それでも、気の置け
ない仲間同士で集まって、好きなことをやるためにみんなで同じ方向を向いて頑張ってるって、
いいですよね。応援したくなります。
次回のレポートと合わせて、世界の広がりとつながりを感じる2日間でした。来週にはまた次回分
をお届けしたいと思います。
ではまた。
HANAZONO
スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac
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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程
10/4に開催予定です。
詳しくは下記よりご確認ください。
https://www.tfac.ac.jp/open_college/
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授業見学のご予約は下記URLから予約フォームでお受けしています。
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- 2025年09月12日
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