就活室便り | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

就活室便り

~就活室便り#50~ If There is Something

~就活室便り#50~ If There is Something

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。都内ではやっと
いちょうが見ごろになってきましたね。もみじの赤もきれいですが、
いちょうの黄色は明るくて、なんか風景が黄金色になったようで華
やかな気分になります。いちょう並木を歩いていていつも不思議に
思うのがそのうち1本だけ緑だったり、すぐ隣なのに全然色づきの
スピードが違ったりすることです。育成場所が全く離れてしまえば
諸条件が違ってくるので納得は行くのですが、隣同士なら別に一緒
でもいいのにな、と、思うのですが、一本だけぽつんとちがったり、
そんな光景、結構目にしますよね。理由は個体差、その時の木の健
康状態の差、だそうです。接ぎ木で育てた木には個体差はなく、全
て同じように色づくらしいのですが、種から育てた実生苗だとどう
しても個体差が出てくるらしいです。もしこれからいちょう並木を
歩いているときに1本だけ色の違う木を見つけたら、「これは種から
育てた木だね。見て直ぐ分かったよ。」、とかいうとなんかパートナ
ーに自慢できるかもしれません。ちょっと小ネタかもしれませんが、
覚えておいて損のない知識かな、と思います。接ぎ木だけのソメイ
ヨシノは同じ気温条件だったらいっぺんに咲きますもんね。とまあ
季節が結構順調に進んでいる、というお話でした。もともと秋って、
寒かったり暖かかったりする移行期の不安定な季節なんですよね。
安定して寒くなったらそこからが冬で、多分不安定な秋を懐かしむ
感情にあふれるような気がします。冬、やはり安定して辛いですよね。

 

そんな季節の変わり目に結構展示会が頻繁に開かれています。今回
はあまり就活向きでない展示会、ちょっとファッションから離れた
展示会を紹介していきたいと思います。まずご紹介するのはアジア・
ファッション・フェアで、2003年より年2回、東京と大阪で開催さ
れています。もう10年以上続いている歴史ある展示会で、名前はア
ジア、ということになっていますが、一般社団法人日中経済貿易セ
ンターの協力によって行われ、というか要は主催者の立場に立って
いますので、中国メーカーがほぼ100%、その資本のアジア工場
(インドネシア、ミャンマー、等)が少しあるかな、という感じで
す。アジアの繊維産業でいえば韓国や台湾は欠かせないはずですが、
その地域からは1社の参加もありません。それでも実際に繊維製品
の約6割は中国からなのですから参加国が少ないことが大した問題
にはなってはいないことはこの会場の盛況ぶりを見ていても明らか
です。皆さんのご存じのメーカーは当然1社もなく、新卒で挑戦でき
るような会社も1社もありません。しかし、アパレル業界で生きて
いく限り、これから中国企業との付き合いは欠かせぬものであり、
かなり近い将来に中国工場担当としてお付き合いが始まらないとは
限りません。その予行演習としてもまずこれから紹介するこの展示
会の様子を見ておいてください。

それではまず写真から見てみましょう。

 

会場入ってすぐのところに一応このようなコンセプトテーマのよう
な展示があります。その展示の写真をもう1枚どうぞ。

 

カシミヤとか獣毛混の素材があるぞ、ということと大人から子供服
まであるぞ、ということだけわかります。前回ご紹介した東京テキ
スタイルスコープのように展示会としてのテーマ、コンセプト、テ
ーマカラーがあるわけではありません。トレンド分析、等そういっ
たコーナーは一切ありません。入場後は以下の写真のようにただた
だ商談ブースがずっと並んで行きます。

 

中国の企業のブースは世界中どこにいってもこのような作り、すな
わち装飾、見た目には一切お金も創意も使わず、ひたすら大量に商
品を陳列、というやり方です。この中で良い商品を探して行くのは
まさしく砂漠でダイヤモンドを見つけるような大変な作業で、バイ
ヤーが限られた時間で必要な商品をバイイングしていくのはそれだ
け才能と経験がいる、ということだけ覚えておいてください。こん
なブースがとにかく多く並んでいる、ということが下の写真でもお
わかりになるかと思います。

 

こんな感じで400社以上の出展があり、来場者はそこから自分の欲
しいものを探して行きます。各ブースを廻って縫製技術、素材、等
を確認していくわけですが、それではその各ブースにある製品サン
プルはどこの企画で誰の企画だ、ということになるとこの400社の
中で自社でデザインし、製品化しているところはまったくゼロとは
言いませんがまずほとんどありません。世界中のアパレルが中国の
工場に生産を依頼しており、その生産のためには当然パターンを工
場に送らなければなりません。ということで、そのパターンを使用
して生地を変えたり、付属を変えたり、としながら自社企画として
製品を作っていても誰にもわからないという、それが中国生産の最
大のデメリットと言えます。私もかつて中国の工場に次シーズンの
サンプルを依頼し、その1か月後に中国の合同展を訪問したら数件の
工場からその新作のサンプルが出ていました。そのように他の工場
との機密保持、という概念もなく、生産を依頼されたパターンを他
の工場に売り渡す、というのも結構普通に行われています。某アパ
レルが中国の工場でサンプルを作成し、展示会を開き受注を集めそ
の本生産をしたところ、その製品が店頭に並ぶ前に他社から同じ型
がしかも安く出回っていたそうです。そんな話を数件からお伺いし
たことがあるのですが、パターン、つまり設計図を工場に渡す、と
いうことはそういう危険性を常にはらんでいる、ということをきち
んと念頭に置いておかねばオリジナルの商品作りは難しい、という
ことになります。日本の工場でしたらまず物理的に距離が近く、い
いうわさも悪いうわさも早く伝わりやすく、悪い工場は取引停止に
していけばそんなに大きな問題にはなりません。それがあの広い中
国で、しかもそのパターンをコピーして他の会社に売り渡していた、
なんて言ったらもう完全にチェックのしようがありません。パター
ンの複製が容易な分だけファッション業界ではオリジナルデザイン
を少なくとも1年は他社からは出させないようにする、というために
はかなりの労力、神経を使わなければなりません。他業種まで視野
に入れると多分、秘密保持の点において最上位に入るのは米アップ
ル社だと思います。それでも新製品が出る前にその型見本は広く流
布し、発表前の機種のカバーがどのサイトでも大量に掲載されてい
ます。アップル社でもチェックしきれないのにまず常駐の社員を依
頼工場に置く可能性が100%ないアパレル業界では型の流出は防ぐ
ことができない、ということが前提にならざるを得ません。この展
示会会場のほぼ全てがどこかのアパレルが依頼したサンプルが陳列
され、それが「自社制作品」、という名目で販売されている、とい
うのが、これは事実としか言いようがありません。

その代わり、そんな陳列なので、中国企業の展示はまとまり、統一
コンセプトというものが一切なく、つまり、展示会としての見た目
は全くいいところがなく、来場者はまさしく砂浜でコンタクトレン
ズを見つけるような忍耐をしいられます。普通のセンスの方だった
ら、とにかくぱっと見全然よくないし見るもの何もなかったね、で
終わってしまいます。そして一部のコンタクトレンズを見つけるた
めに歩いて、すべてチェックして、これができるんだったら自社の
製品ができるだろう、と、見極めをつけ交渉を粘り強く続けていく
会社だけが中国生産の、国内と比べて圧倒的に価格競争力のある商
品を作ることができます。とにかくこの粘り強さだけは本当に欠か
すことのできない資質となります。次の写真をご覧ください。

 

このパンツが3.99ドルです。日本円で600円ちょっと、といっても
輸入諸経費を入れると1000円近くにはなってしまうと思いますが
、日本ではそれでは生地代にもなりませんし工賃にもなりません。
ひょっとしたらファスナーを含む付属くらいは買えるかもしれま
せんがいずれにしろいくら何をやってもこのプライスを日本で生
産するのは不可能です。コストどころか彼らはこれを販売して利
益が出るわけですからちょっと生産コストとしては信じられない
金額です。中国生産、絶対安いです。思ったより生産納期も早く、
品質も毎年向上していく、そして中国のいいところは生地、ファ
スナー、ボタン、裏地、等すべて中国内で揃うことです。他の国
では特に生地、付属がそろわない、等と結局日本から発送する品
目が増えるごとにコスト・メリットは減少していきます。それと、
他のアジア諸国と比べて物理的距離の問題でも中国の優位性は変
わりません。いずれにしろ値段勝負では勝ち目はないので日本製
はその日本で作った技術の素晴らしさ、素材の素晴らしさ、等を
きちんとアピールしていかない限り生き残る道はありません。か
つてとあるセレクトショップの社長が、「今まで日本の店頭では、
その商品がいかに売れているか、いかに安いか、ということしか
お客様に説明してこなかった。その服を着たらいかに楽しいかを
10年以上誰も説明してこなかった。その10年の報いを受ける日が
きっと来る。」、と、おっしゃっていたのを思い出します。70年代
までは日本のファッション産業は本当に鎖国状態でした。特に90
年代以降は海外ブランド、輸入品の勢いは止まらず、しかも農業
と違って服には高率の関税をかけて国内産業を守ろうなんていう
国、経済界の働きかけも全くありませんでした。今後も国からの
補助金、等は全く期待できない業界なので自分の力で頑張ってい
くしかないのです。安く作るものとその良さをアピールできる高
価格のもののバランスをうまく取りながら進めていかなければな
らず、企画も経営もやはりかなり難しい問題を解決し続けていか
ねばなりません。この業界の人、みんなで頑張っていきましょう。

以前書いたと思いますけど、中国企業も一時期は国の補助金目当
てで海外展示会に出展、ろくに商談もせず、ブース内で飲食を続
け、展示会クローズ時間前にブースを閉め、観光に勤しんでいた
頃と比べると、商談、勧誘はどこでも真剣で、それが中国国内の
景気の悪さを如実に示していると思います。そんな中国企業と有
利に取引するチャンスが今だと思いますし、来場者がうまくコン
タクトレンズを探し当ててくれたらな、との思いで会場を後にし
ました。

 

同じ東京ビッグサイトの別会場で「ジャパンテックス2025」とい
う展示会が開催されていて、こちらは翌日にお伺いしてきました。
こちらは何の展示会かというとカーテン、壁紙、カーペット、等
の室内装飾の展示会です。最近、カラーコーディネート、等の技
術の評価から住宅関連企業からも当校にお声がかかるようになっ
てきました。そういう意味で一度室内装飾関係の展示会を見てお
きたかったのと、以前からカーテン業界は婦人服地の数倍プリン
ト織物を取り扱っていて、プリントの図案家もカーテン業界を頼
りにし、良い図案を買おうと思ったらまずインテリアの展示会に
行く、というプリント企画者の隠れた図案探しの方法を思い出し
たからです。結論から言うと図案販売はなかったのですが、カー
テンの製品になった生地には良い柄が多かったです。展示会の写
真をご覧ください。

 

これは美術系の学校の学生のインテリア用デザインコンペティシ
ョンの風景です。美大、専門学校、高校、と様々な学校からエン
トリーされています。次の写真をどうぞ。

先ほどのように布の形になったものや、インテリア全体となると
このようなパネルでの参加となり、この業界のすそ野の広さを感
じます。

その他各種撮影してきましたが、どこまで公開していいのかわか
らないので割愛しますが、大阪万博迎賓館に陳列されていた川島
織物のタペストリーは行列のできるフォトスポットとなっていま
したし、各社ブースのカーテンはやはり優れたプリントが多かっ
たと思います。住宅関連会社、工務店、等を中心に商談もだいぶ
盛り上がっていましたのでどこでもあまり長くお話をお伺いでき
なかったのですが、1件、ライムライトさんだけ来客の空白があっ
てお話をお伺いし写真も撮らせていただきました。ブースの入り
口はこんな感じです。

 

基本的には壁紙のプリントなのですが、衝立、間仕切り、等用に
アクリル板にもプリントをされています。画像をご覧ください。

 

結構幻想的というか、ライティングでかなりの雰囲気が出せるよ
うです。水玉をはじめとするミニマルパターン柄やチェック、等
が多い印象ですが、柄の大きさ、リピートにも制限がないようで、
結構な柄数の商品を展開していらっしゃいます。確かに壁紙を無
地にこだわる必要はないわけで、むしろ柔らかい配色の柄の方が
落ち着いた雰囲気を醸し出せるかもしれません。数冊にもなるデ
ザインブックも見せていただきましたが、そんな柄のデザイナー
を目指す方が当校からもいつ出てきてもおかしくはないと思うの
でみなさんもいろんな業界にアンテナを立てていろんなものにご
興味を抱いていただけたらと思います。

さすがにインテリア業界だけに会場に敷いてあるカーペットは柔
らかく、歩き心地抜群でした。この写真で少しわかりますでしょ
うか。

 

カーペットとともに写真に写っている機械はミマキエンジニアリ
ングのデジタルプリント捺染機で、一千何百万の値札が付いてい
ました。高いですがこれ1台さえあればどんな柄でもプリントする
ことができるのでそれを考えれば高くはない、というところでし
ょうか。今回はカーペットの写真を見て頂きたくて載せただけな
ので機械についての話はまた今度したいと思います。ここで使用
したカーペットは展示会閉幕後すべて裁断、リサイクルして新し
いカーペットに生まれ変わるようです。それにしてもその歩きや
すさは前日の展示会場とは大違い、まさに餅は餅屋でした。いず
れにしろインテリア業界もう少し学ぶ必要がありそうです。

 

今回2つの展示会のレポートをお送りしました。一方は誰に対す
る苦言だかわからないような内容になってしまい、もう一方は
ちょっと不慣れな場からの不慣れなレポートになってしまい、
ちょっとまとまりに欠けたかもしれません。いずれにしろ今後
は日本だけのことを考えているわけにはいかず、他業種に関し
ての関心ももっていかないとなんかどんどん世界が狭くなって
行くばかり、という認識を少しでもお持ちいただけたら幸いで
す。それだけの注意を払っていくと本当に情報過多でどうやっ
て整理していくのかっていう問題に突き当りますがまあ、ある
程度は慣れるしかないと思っています。いずれにしろたとえ国
内でだけの仕事をしていても海外とのつながりを常に考えてい
ないといけないし、どんどん情報は集められるだけ集めていか
ないと国内限定のせまい業界の中でも生き残っていけない、と
いうことは明らかです。とにかくいろんなことに興味を持って
いきましょう。そんな対象の一部だけでも皆さんに紹介し続け
ていけたら、と思っています。次回もまったく違う業界のレポ
ートをお送りしたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

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~就活室便り#49~ News of the World

~就活室便り#49~ News of the World

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。昼間はともかく、
朝が結構冷えてきて、毎日何を着ていくべきか非常に悩みます。昼
との寒暖差も結構大きいので朝に合わせると昼に汗かいてしまった
り、かといって朝寒いのをひたすら我慢するのもなんだかな、とい
う感じがして毎朝今日はどの服を着ようかは悩みの種です。以前も
お話ししましたが当日の天気予報が始まるのが6時半くらいでそれ
までは昨晩の予報なので正確さにだいぶ差があります。前夜の天気
予報を信じてその気温対策して外出、その後にへっ?て思うことが
多々あります。朝の新しい天気予報では前夜の予報から訂正になっ
ていた、という話を本当によく聞くのですがなんかこういう細かな
点が遠距離通勤者のつらいところですよね。通勤距離が短く朝ゆっ
くりめに家を出る方はその時に日が昇ってない、ということもあり
得ないので寒暖差だって少ないはずです。これだけ高くても東京の
マンションに住みたい気持ちもよくわかりますね。そんなに良いと
思うんだったら私も東京に住めばいいじゃないか、とお思いになる
かもしれませんが、まず先立つものがないのでこればっかりはどう
しようもありません。今でも本籍は東京なのですが、もう少しで東
京で暮らしていた年月より今住んでいるところの暮らしが長くなり
ます。なんかのついでに本籍を移してしまおうか、と、ちょっと思
うのですが、諸手続きの煩雑さを考えるとやっぱりやめた、となっ
て現在に至ります。でもいくら考えても今後東京都内に引っ越す可
能性って、まずありえないと思いますね。家の庭から石油が出ると
か、金が採れるとか、そうなれば別ですけど。

まあ現在の住所に不満があるわけでもないし、むしろ気に入ってい
るのでたぶんこのまま遠距離通勤を続けていくんだと思います。毎
朝晩我が家にやってくる地域猫のお世話もありますし、確かに辛い
ところがないとは言いませんがあまり住むところを東京に限定して
考えなくても、多少遠くても楽しいことはいっぱいあります。睡眠
時間だけは十分に確保するようにして、遠距離の皆さん、通勤通学、
頑張っていきましょう。

 

今回は東京テキスタイルスコープの第2回目のレポートをお送りしま
す。今回は日本の衣料生産技術のプロモーションコーナー、「Japan∞
QUALITY JAFIC」のコーナーのレポートをおおくりいたします。こ
のコーナーが常にお客様でいっぱいでなかなかお話をお伺いするの
も難しいかな、と、思っていたのですが度々コーナーを訪れている
うちに何社かの方とお話をすることができました。まず最初にお話
をお伺いしたのは株式会社マルチョウさん。カットソーの専門工場
です。まず写真をご覧ください。

この写真に写っているのは全てカットソーです。ニットの細番手の
ものをきれいに縫うのは本当に難しいのですが、ほぼ絶盤になって
いるような昔からの機械を改良して使っているとのことで、ちょっ
とその仕上がりの素晴らしさにはびっくりします。オリジナル技術
をあんまり公表するのもはばかれるので接写写真までは撮りません
でしたが、縫い代なし、縫い目の見えない縫製、等オリジナル技術
には目を見張るものがあり、それは多分素材の前処理から始まる全
工程での丁寧な仕事に他なりません。これだけの技術、製品制作が
賃加工のみでは勿体なすぎると思っていたら、逆にファクトリーブ
ランドを商社、アパレルに売り込んでいるそうです。本当に縫い代
レス、縫い目レスとなると従来とは服の作り方が全く変わってしま
うためファクトリーブランドの製品を基に自社用にアレンジを依頼
した方が結果早くて良い製品ができるような気がします。そんなア
パレル宛に製品の提案営業をしていくお仕事でも、当然縫製職とし
て入社し、もの作りを学んでいくことでも、学ぶことがたくさんあ
る、楽しく充実した社会人生活が送れそうですね。営業の起点、本
社は墨田区に、工場は栃木、福島、東北にあります。さすがに東京
で縫製工場を大々的に展開するのは厳しそうですが、たとえ栃木、
東北に引越したとしても得るものは大きいと思いますのでカットソ
ーを学びたい方はぜひどうぞ。今後OEM、ODM営業ってアパレル
企画で1番大切な仕事になっていく気がします。製品提案で1番大切
な点は他社との違いがはっきり示せることなので、独自の技術を持
っていることに勝るものはありません。アパレルがむしろ販売に力
点を置きつつある現在、ものづくりにみなさんの中から挑戦してい
く方が少しでも増えていってくれたらな、というのは私個人の希望
ですが、世界に挑戦する、って言ったらやはりものづくりが根本に
ないとできないことなのでぜひ挑戦していただきたいと思います。
マルチョウさん、良いものを見せていただいて本当にありがとうご
ざいました。

 

ビクーナ、というラクダ科の動物がアンデス地方に住んでいます。
この動物からとれる毛はビキューナーと呼ばれ、獣毛の中で1番細い
毛として有名です、と言いたいところですが、みなさんの中でも知っ
ている方は少ないと思います。というのも、毛の細さも1番ですが、
値段も1番で、ちょっとカシミアレベルとは比較になりません。ビキ
ューナー100%の素材で婦人用90cm丈のコートを作ったら大体4〜5百
万くらいの上代になるので一般の方の目に触れることもあまりありま
せんし、基本的にはオーダーメードになります。現在ではワシントン
条約で厳しく規制されていてなかなか自由に買うことはできません。
これは噂ですが、ワシントン条約が施行される前に毛織機屋でビキュ
ーナーの原毛を備蓄したところがあるそうです。上皇様がご即位なさ
れた時にそのビキューナーで毛布を作って献上された、という噂は当
時のテキスタイル業界では有名な話ですが、いずれにしろ真実を確か
める術はありません。ビキューナーの毛布、夢に見るしかなさそうで
す。

そんなビキューナーの名をこの展示会で久々に見ました。正確にはビ
キューナーとカシミアの混紡ですが、そんな貴重な糸を見せてくれた
のが東洋紡糸工業さんです。写真が小さくて申し訳ありませんが1番手
前のキャメル色のカウンターがそのビキューナーカシミアです。ご説
明ではビキューナーも他の繊維と混紡するとワシントン条約に引っか
からない、ということでカシミアブレンドの糸にした、ということで
した。

実際にオーダーがあったのは有名な子供服メーカーで、新生児用おく
るみ用の生地として使用し、ということは用尺1mなんて絶対にかから
ないとは思うのですが、上代100万以上のものだったそうです。その値
段でほんの数ヶ月も使わない新生児用おくるみをどんな人が買うのかな、
と思いますが、ドバイ近辺から結構なオーダーがあったようです。あの
中東で保温性抜群のおくるみが必要か、といえば必要はないんでしょう
けどとにかく、お金持ちっていうのはそういうもんだということですね。
多分必要性としてはそれだけ価値のあるものにお金を使える、というこ
とが最重要事項だということだと思います。とにかく、その値段に見合
う価値があれば必ず誰かが買ってくれる、ということでしょうか。まあ
今回この素材が話題の中心というわけではないので先を急ぎたいと思い
ます。

東洋紡糸さんはカシミヤ、シルク、ウールを中心に自社工場で原毛から
糸の生産をしていらっしゃいます。染に関しても糸染め、トップ染めと
もに対応し、商社、ニッター等に収められており、販売、生産とも海外
にも積極的に進出し、現在では島精機製作所の一員として幅広く活躍し
ていらっしゃいます。その技術はワンアンドオンリーと言えるもので、
例えばシルクの糸は基本的に光るものですが、特殊コーティングを施し、
光沢を抑えるとともに縮みも抑えてウオッシャブルにしてしまい、メン
ズのポロシャツとしての提案をしていらっしゃいます。男性があんまり
光るものはちょっと、というようなお話をされていましたが、シルクっ
て、本当に肌触りがよく吸汗性に優れ、不思議なのですが夏は涼しく冬
は暖かい素材です。下の写真をご覧ください。

 

このグリーンのポロシャツがシルクです。写真でも光沢が抑えられてい
るのがわかるかと思います。

やはり主力はカシミヤとウールなんだろうと思いますが、カシミヤに関
しては、毛皮に対抗すべく、「ファーカシミア」、というニットも作成さ
れていました。写真をご覧ください。

 

 

軽くてあったかくて表面変化に富んでいる、一番アウターに着たい素材
ですね。

こんな魅力ある糸を各種展開していらっしゃいますが、それには糸の知
識だけでなくそれを編みたて完成したニット生地の知識、それを製品に
した時の知識も必要になるのですから、大変だとは思いますけど面白い
お仕事ですよね。服作りも元をたどれば糸づくりにたどり着くわけで、
企画、提案は商品の、生地、アパレル製品の、市場の知識を十分学んで
いく場になると思いますので、若いうちにぜひ挑戦していって頂きたい
と思います。アパレルや繊維商社で活躍されていた方がもの作りの深み
にはまり生地作りの機屋に転職したとか洗工場に転職したとかいう話を、
実は各産地で結構聞いたりします。糸生産も、それに負けず劣らず奥が
深そうです。東京の事務所は日本橋の高島屋近くにあります。東洋紡糸
工業さん、私も一度お伺いしようかな、と思っています。みなさんもご
興味のある方はぜひコンタクトをとってみてください。

 

このJapan∞QUALITY JAFICのコーナーで試洗のイベントを開催されて
いたのは以前ご紹介した内田染工場さん。板締染という、木の板で布を
挟み、その部分が染まらず柄になる、という加工の実演です。下の写真
でお判りいただけるでしょうか。

前からだと大勢の見学者の邪魔になるので後ろからの写真しかありませ
んが、こうして染めた布はこんな柄になります。

 

すべてハンドで染めていくので確かに大変ではありますが世界に唯一の
色、柄を作成することも可能です。内田染工場さんはミラノをはじめと
するヨーロッパだけでなく広くアジア各国にも出展、販路を広げていっ
ていらっしゃいます。これからもこういった技術をどんどん世界に向け
てアピールしていっていただきたいですね。当校から歩いて行ける距離
でもあり、来年もまた学生とともに工場見学にお邪魔できたらと思って
います。

最後にご紹介するのは岩手モリヤさん。岩手県久慈市で操業されている
縫製工場さんです。まずは写真をご覧いただきましょうか。

 

 

とあるアパレルの主力となっている定番コートですが、その後ろのベー
ジュのジャケットも持つから腕の形に袖がカーブしているのがお判りでし
ょうか。それだけでなく胸にしろカーブしているところはすべてカーブし
ています。このくせ取りという作業は非常に大変で普通この加工を依頼す
ると当然別料金なのですが、この岩手モリヤさんはそんな技術を取引先と
の信頼関係に応えるため惜しまず使っているそうです。それ以外にも超高
級オーダー紳士服にしか使わない八刺しと呼ばれる襟の加工等、難易度の
高く手間のかかる手法をこれでもか、と使っていらっしゃいます。まあい
ずれにしろその製品の仕上がりはきれいすぎてちょっとびっくりなのです
が、高い技術を持った職人が最新の機械を駆使して丁寧に作ればいいもの
ができる、って言葉でいうのは簡単ですが実際にやるとなったら相当大変
で、革新機械を導入し、工員による完成度の差を少なくし、しかも工員は
洋裁技能士2級を入社1年目で取得、それに対し毎月技能手当を支給してい
る、というすべてにハイレベルを維持している、という工場はめったにな
いです。経産省が選ぶ「次代を担う繊維産業企業100選」にも選定されて
いて、この工場に依頼したら製品の出来が全然違う、という評価がアパレ
ルから来るのはまさに当然の結果といえると思います。もう一枚写真を見
てみましょう。

一応某アパレルの主力商品なのであまりブランドネームや全体のシルエッ
ト、柄がわかるようには撮影はしなかったのですが、実は左側の ボーダー
のジャケット、生地自体が全くの手織りです。みなさんつるの恩返しの話
は絵本で読んだことがあると思いますが、まったくその絵の通りの織機で
の完全な手織りの生地です。それを各箇所丁寧に丁寧に仕上げたのがこの
ジャケットです。縫製工程も本当にびっくりするくらい細部に手が込んで
いて、しかもそんな手織りの生地は生地幅が非常に細く、型入れ、生産工
程とも機械生産の生地と比べてがくっと落ちます。生地も、縫製も、そん
な大変な思いをして作る製品なので、ショートジャケットで30万近くの上
代というのは納得できるというか、むしろ安いくらいかもしれません。と
にかく久々に良いものを見せていただいてごちそうさま、という感じです。
縫製技術者を目指す方、ここで修行したらうまくなりますよ。

少し前に繊研新聞で「縫製業のリアル」という連載が掲載されました。日
本中の縫製工場からアンケートを取り、現在の問題点、今後の課題を浮き
彫りにしていく、という連載でしたが、そこではこの岩手モリヤさんの森
奥社長のインタビューも何回かに分けて紹介されています。今回会場でお
伺いしてもやはり最大のネックは加工賃ということで、洋服の上代が上が
らなければ基本的に加工賃は上がらないんだ、とおっしゃっていました。
米だけでなく食品に関しては毎日のように値上げ値上げのニュースを目に
しますが、衣料品に関しては上代が上がればただ単に買われなくなるだけ
で好況感は全くありません。結局コストを考えると海外素材で海外生産、
ということが定番になってしまい、手間をかけ作った細身のシルエットで
も着やすい、動きやすい、そして形のいい服、ということから遠く離れた
製品ばかりになっていきます。それでも今まで何とかなってきたのは昨今
のルーズシルエットの流行が続いてきたからでもあり、それが特にヨーロ
ッパではタイトシルエットが復活してきていますので、今後その変化にど
う対処していくのか、日本のアパレルに結構難問が残っています。上代と
コストばっかり気にしているうちに本当にお金持ちが着たい着やすくて高
級感のある服がどんどん少なくなっているんじゃないか、そんなお金持ち
達がどこの製品で満足するのか、といったことを考えたら逆に世界のラグ
ジュアリーブランドが日本製の生地で日本の縫製に目をつけているようで
す。もう生地は日本製のもの使用は当たり前になってきましたし、加工含
めたデニムは生地、縫製、後加工すべて日本製が当たり前になってきまし
た。そうすると変な話で日本のアパレルだけがメイド・イン・ジャパンか
ら外れていってしまうような感じで数年後には本当になんだかなあ、とい
うような感じになる可能性もあります。岩手モリヤさんの森奥社長も海外
進出をしきりにおっしゃっていました。隣のブースがファッションしらい
しさんで、社長がいらっしゃらずご挨拶はできませんでしたが以前から海
外ラグジュアリーブランドの受注をしていらっしゃる工場です。日本の縫
製工場が世界を目指す、それは将来的にかなり可能性のあることで、それ
は処々の困難が伴うのは当然のことですが技術的、そして今の為替を考え
ると経済的にも訴求力は相当高そうです。そのうち日本の縫製工場が海外
の仕事でどこもいっぱいで日本の仕事は受けられません、ていうような時
代が来るかもしれません。いずれにしろアパレルだって国内販売だけでは
頭打ちで結局海外で成功しなければ成長の道はない、というのがユニクロ
さんを見ていても明らかなわけですから業界全体で海外に挑戦し、危機を
乗り越えていかなくては発展はないと思います。いずれにしろ岩手モリヤ
さん、海外も含めて頑張っていってほしいです。学生の中からも挑戦者が
出て、この高度な技術を引き継いでいっていただけたらと思います。

 

前回と合わせて2回にわたり東京テキスタイルスコープのレポートをお送り
いたしました。

 

タイトルの「News of the World」というのはバンド・クイーンの6枚目の
アルバムで、特にオープニングのWe Will Rock YouとWe Are The Champions
という2曲が彼らの代名詞と呼べるような曲になっています。日本の素材、
縫製、染色が世界を震撼させるニュースになって、いつかチャンピオンにな
るといいですね。なんかそんな日を夢見てファッション産業に挑戦していく
みなさんを応援し続けていきたいと思います。

 

次回はまた別の展示会レポートをお送り出来たら、と、思っています。

 

空気が乾燥しています。お体にはじゅうぶんお気を付けください。私は喉が
痛くなってきました。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り#48~ Now and Then

~就活室便り#48~ Now and Then

 

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。11月ともなると、気温も
急に下がり、毎日いったい何を着ていいのやら迷いますよね。朝寒くないよ
うに暖かい恰好をすると昼暑かったり、それで上衣を脱いでいたりすると夕
方急に寒くなったり、なんだか忙しい毎日ですよね。とにかく空気がまた乾
燥してきて真剣に保湿を考えないといろんなところがかさかさしてきてかゆ
くなってきますし、当然、毎日家を出るときは真っ暗になりました。日の暮
れるのも早く、実は11月が一番暗くなるのが早いそうです。その後はどんど
ん日の出が遅くなっていって、むしろ日の入りは遅くなっていくのですが、
昔から11月の夕方に外出していると、暗いし寒いし早く家に帰りたくなりま
す。だからって冷静に考えればまだ4時台なので直帰するには早すぎ、結局
職場に戻るのですが、11月の夕暮れは毎年何か物悲しいです。そういえば4時
とか5時とかに家に帰れるって、本当に何十年もないですね。ひょっとした
ら高校生の時以来かな、と、思ったりもしますが5時に帰宅して7時前から夕
食って、ひょっとしたら夢の生活かもしれないですね。毎日そんなペースで
暮らせるのはあと何十年後かな、と思いますが、それまでは11月の夕暮れの
もの悲しさを十分に堪能できそうです。といっても実はそんなにありがたく
はないのですが。まあとにかく寒さにも暗さにも負けずに頑張っていきまし
ょう。

 

今回は11月12日から14日までの3日間開催された東京テキスタイルスコープの
レポートをお送りしたいと思います。ジャパンクリエーション/プレミアム・
テキスタイル・ジャパンから名称変更し、開催会場も東京国際フォーラムより
東京都立産業貿易センター浜松町館へと変更になってから2回目、名称、会場、
コンセプト変更がどんな効果をもたらすのかにも興味があるところです。それ
を含めて本来なら一番来客の多い初日に訪問すべきところですが、今回は諸所
の事情も相まって2日目、13日にお伺いしました。それでも外は寒かったです
が、会場内は結構熱気にあふれ、汗かくくらい暑かったので展示会としては盛
況な部類に入るんだと思います。出展者、展示内容、テーマ、等前回から変わっ
ているところも多く、そんな変わった点を含めて各ブースの内容をご紹介してい
きたいと思います。

 

総合受付から入ると、まず生地のインデックスのコーナーとトレンドコーナー
があり、各社の主力素材がずらっと並んでいます。写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



こんな形で各社の次期主力素材がずらっと並びます。それ以外に運営委員会
より各社に4つのコンセプトテーマが示されていて、そのテーマに基づき開
発、配色した商品がテーマごとのブースに並びます。まず最初のテーマは
「夜間飛行」。ダークカラー、ブルーのバリエーションを中心としたエレガ
ンスゾーン主体の素材が並びます。写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロマンチック」がテーマとなっており特殊加工商品が多くみられます。遅
れましたが、今回の対象は2026年A/Wです。来年2月からは2027年S/Sの展
示会が始まります。相変わらずファッション業界の企画は早いですよね。そ
れでも早期の企画っていつもわくわくさせてくれるところがあります。毎日
毎日次のシーズンのことを考えている生活って、結構いいですよ。みなさん
も将来は企画職でぜひそんな楽しみを味わってください。

 

次のテーマは「ウエーブパフォーマンス」です。こちらは一転して明るい色を
使った、スポーティーテースト。ビビッド、メタリック、アートのような表現
が多くなります。そんなポップで明るい雰囲気が以下の写真でお判りいただけ
ますでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりファッションは明るいに越したことはないですね。というのはあくま
でも個人的な感想です。

次のテーマは「あまねきの旋律」。ナチュラルテイストの素材を中心に、グレイ
ッシュパステルで展開されています。どのテーマがいいか、ではなくどのテー
マが好みか、自分に合うか、ということが重要なのでナチュラル好きな方はナチ
ュラルを選ばれて正解で、その中でトレンドが更新されていく、ということなの
で、何もみなさん全員ビビッドカラーを着なければトレンドじゃやあない、とい
うことではないです。私が個人的にビビッドなだけでナチュラルテイスト好きの
方のほうが圧倒的に多いと思いますのでご安心ください。ご安心ついでに画像も
ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カラーも少しブラウン寄りがトレンドのようです。ところでナチュラルの中でパ
ステルピンクはどうしたの?と、お思いの方もいらっしゃる方もいるかもしれま
せん。最後、4つ目のテーマはそのピンク中心の「ほっこり時間」、というテーマ
になります。写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋冬らしくふわふわ、とか、温かさ、肌触り、等、優しさを表現した素材が中心
になるのかな、と思います。この4つのコンセプトに基づき開発をした素材を各社
がブースにて展開、というのがこの展示会の流れになります。そんなコンセプト
テーマを無視して展示会に参加したらどうなるか、と思う方もいらっしゃるかも
しれません。私は実はこの前身のジャパンクリエーションという展示会に出展し
たことがあります。その時の経験から言うと、結構各段階での主催者からのチェ
ックがうるさく(こんな言い方してすいません)、コンセプトを全く無視するのは
不可能に近いです。まあこれは余談となりますがご参考までに。

コンセプトコーナーの先には生地の人気投票コーナーがあります。48点陳列して
ある生地の中から各自3点ずつ選び、シールを張っていく、という形で投票してい
くのですが、前回は展示会スペシャルというか、実際に量産したら誰が買えるんだ
ろう?、というような手の込んだ、というより込みすぎた生地が受賞しました。今
回も参考上代の表記のない生地が結構ありましたが、私のチョイスは値段のあるも
ので実際その値段で製品を作って買える可能性のある製品上代に収まるもの、とい
う基準で投票しました。生地は美術品ではないので、ただ眺めて楽しむ、というよ
うなプライスの生地はどうかな、と思ったので。前回はリニューアル第1回目、とい
うことで、少しお祭りみたいな」コンセプトでもいいかな、と思ったのですが、今
回はまず実用になるもの、ということを重視した次第です。いずれにしろコンテス
トに参加した48の生地がすべて量産につながればいいな、と思います。ショーを飾
るのも必要ですが、やはりこの業界、売れてなんぼ、なんで。

 

東京国際フォーラムは横に広い会場でしたがこちらは何階かに分かれて展示、出展が
続くスタイルで、この総合受付、インデックスのある2階ではTORANOI、プルミエー
ルビジョンといった提携する海外の展示会情報、ニュークリエーターアワードの展示
と特集として日本製にスポットを当てた、J∞QUALITYという日本のものづくり、日本
の独自技術を持つ様々な工場を集めたブースが目を引きます。今回ここで長い間いろん
な工場さんとお話させていただいたのですが、今回はスペースの関係で次回にまとめて
レポートを載せます。今回は全体概要中心ということでご了承ください。

 

2階から始まり今回は5階会場まで使用、素材ごとに3階がウール・化合繊、4階が綿・
麻・デニム・刺繍・プリント・レース,等、5階がシルク、というようなフロア構成と
なっています。特に3階、4階は大盛況で、あまりにも来客の多いブースだと、こちら
は何も仕入れるわけではないのであまり商売のお邪魔するのもはばかられ、お声がけ
を遠慮したところも何社かありました。その勢いで実需につながっていったらいいな、
と、思います。ただ基本的に産元の出展が多いので、実際に購入するとなるとテキス
タイルコンバーターや商社を通じて、となる場合が多く、そうするとその場で値段提
示ができない、というような光景を何回か見ました。アパレル1社の生地の必要分量と
実際の生地製造に必要な最低数量がなかなか一致しないので商売としては難しいとこ
ろも多々あるのですが、それでも少しずつでも日本のテキスタイルが復権していった
ら、と願ってやみません。東レとかの大会社は商社の担当がべったりついていたりす
るのですが、他の中小産元は実需に至るまで長い時間を要しそうです。それにしても
大メーカーとしては東レさんだけが前展示会から引き続き皆勤賞で、その他、帝人、
クラレ、旭化成、等は影も形も見えません。各社上海インターテキスタイルには少な
くとも関連会社は出展しているので発注数量の違いと言われたらそれまでですが、何
とか日本のファッション産業の後押しをしてほしい、と思ってしまいます。

今回写真はありませんがそんな中孤軍奮闘されている東レさん、やはり新素材開発、
という点においてはちょっと並ぶものはないかな、と思います。この展示会で毎回東レ
さんのブースで目の保養ができることが訪問を続けている一つの理由となっています。
東レさん、今後も参加継続よろしくお願いいたします。

 

各産地の有名企業、継続参加の企業が多い、というかほとんどの中、今まであまり存じ
上げなかった企業の出展が数社あり、その中でお話をすることができた企業をご紹介し
ます。まず1社目は株式会社シャンブレーさん。会社は日本橋水天宮近くにあります。ま
ず商品の写真を見ていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別にパッチワークの生地、というわけだはなく、こういうパッチワーク柄の生地です。
そしてプリントでもありません。しかも地組織はヘリンボン柄になっていて、糸は杢
糸を使っていますので非常に立体感があります。その裏に袖だけ写っているタータン
ぽいチェックが見えるかと思いますが、大きく見ると下の写真のような生地になって
います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある意味こんな特殊な柄を自社で在庫を抱えているそうです。無地とか、チェック
でも千鳥とかグレンチェック、市松の白黒とかだったらまだわかりますが、これく
らいの特殊な柄となってくると普通なかなか見込み生産で在庫をリスクして、とい
うわけにはいきません。よっぽど市場分析していらっしゃるのか、自信がおありな
のか、得意先が量、質ともに充実しているのか、理由はよくわかりませんが、いず
れにしろインパクトのあるオリジナル素材が充実していることは間違いありません。
当然普通というか、こなしやすい素材も充実しています。写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京の事務所で企画、デザインして生産は中国の工場で生産しているとのこと。アパ
レルデザイナーの新卒採用がなかなか増えない昨今、デザイナー志望者がテキスタイ
ルデザインを目指す事例が増えているようです。またテキスタイルデザインはもう服
作りに直結しているため、アパレル企業との付き合いもどんどん深いものになってい
きます。テキスタイル営業も絵型、製品を介しての対アパレル商談となりますのでデ
ザイナーとしての勉強がすべてにおいて役立ちます。デザイン、デザイナーのお仕事
をしていきたい方、テキスタイル企画はねらい目ですよ。このシャンブレーさんは
地下鉄水天宮前からも人形町からも近く、だれでも通いやすいのも魅力です。将来ア
パレルMD志望の方も含めて企画職希望の方、一度ご検討ください。

次にご紹介するのはチェルシーインターナショナルさん。「ceceposya」、という自社ブ
ランドで生地を展開されていて、本業はインテリアでインテリア生地、壁紙から空間
コーディネートまで幅広く展開し、一流ホテルをはじめ多方面で幅広く採用されていま
す。そんなチェルシーインターナショナルさんがceceposyaブランドで展開するのは和紙
使いをはじめとしたナチュラルテイストの生地です。写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レース、ジャガード、等の様々な表面変化の手法を使い、素材も天然繊維を中心とした
柔らかく優しい風合いのものがほとんどです。下の写真がメインの陳列の写真になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和紙って織物としてどうなの?と思う方も多くいらっしゃると思います。和紙は当然木の
繊維からできているわけですが、木からは実にいろんな繊維、製品ができています。試し
に並べてみると、

・紙(和紙も含む)

・レーヨン

・アセテート

・リアセテート

・テンセル

・リヨセル

・モダール

それ以外にも登録標章を含めるとかなりの数の繊維数となります。そして元が一緒な
わけですから紙を含めて皆近い特性を持ちます。肌に優しい、吸湿性に優れる、保温
性がある、等といったいい面から水に濡れると弱い、しわができやすい、等といった
デメリットの面も共通しています。そのデメリットを改良していったのがテンセル、
リヨセル、モダール等の製品です。和紙も現在では洗濯に強い糸が開発されほぼ洗濯
は問題なさそうですが、一緒に洗った洗濯物の中に色落ちするものが入っているとそ
の染料を吸って移染しやすいようです。いいところが逆に欠点になる例ですね。いず
れにしろ肌に優しく抗菌作用もあり自然な吸汗速乾素材で、最後には土にかえる、現
代に求められる数多くの特徴を持っているのが和紙という素材です。その良さをふん
だんに用いるだけでなく、意匠糸としても使用されているようで素材に立体感、表面
変化を含め数多くの特徴をもたらしています。次の写真は最初に紹介した生地の人気
投票コーナーでも大人気だった和紙を使ったメッシュ生地です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

産地は組織、混率、等によって様々、ということでした。こちらも企画はすべて
東京の事務所で行い生産を各地に依頼している、というスタイルなので、テキス
タイルデザイナーを目指す方はぜひご検討いただけたらと思います。環境、ウェ
ルネス、すべてに誇れる素材、和紙を使って企画をしてみたい方、要注目ですよ。
ちなみに、このブランド名セセポシャは、日本語の「せせほしゃ」、小声で話す
会話の意味らしいです。あくまで優し、というコンセプトが全製品に生きている
ようですね。

 

今回は東京テキスタイルスコープの全体概要とテキスタイルのブースのお話をさ
せていただきました。現在繊維製品の輸入率が98%を超え、日本の各産地も最
盛期だった1980年代から縮小の一途をたどっています。各繊維産地は時代遅れ
の織機は中国に中古品として売却し革新織機を導入、その分生地の最低生産数
量が飛躍的に増加してしまい、それが自らの首を絞める一員となったと思いま
す。それでも全工場が旧来の織機を売り渡したわけではなく、そうして残った
古い織機とベテラン職人の技術が現在いわれる「ジャパン・クオリティ」の源
となっています。そんな技術に目を付けたのはフランス、イタリーのスーパー
ブランドで、技術のある機屋の商品は輸出が中心となり、そのような高級生地
を喉から手が出るほど欲しがっているのが中国のアパレル、と生地を取り巻く
国際環境は劇的に変化しています。技術を研鑽し、感性を磨き、時代の変化に
対応していけば、まだまだ日本のテキスタイルには活躍の道があると信じてい
ます。今回、それを十分感じさせる盛況ぶりでしたし、そんな技術はテキスタ
イルだけでなく縫製業でも世界的に評価されるものとなっている、と感じます。
そんな縫製業界のレポートは次回おおくりしたいと思います。日本の技術、い
いですよ。あとは商売の仕方を少し学ぶ必要があるとは思いますが。でないと
海外の顧客は基本的に全員タフ・ネゴシエーターなので。いずれにしろ今後の
日本のテキスタイルに十分期待していきましょう。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

12/21に開催予定です。

 

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~就活室便り#46~ Re-Make/Re-Model

~就活室便り#46~ Re-Make/Re-Model

 

みなさんこんちは。就活室のHANAZONOです。やっと朝晩は気温が下がって
きてだいぶ過ごしやすくなってきました。よく考えたら1か月前は今から10度
くらい気温が高かったわけで、そりゃ辛かったはずですよね。いずれにしろ
さすがにもう関東で酷暑日の可能性はないとおもいますが、それでも毎日の
気温が10度近く平気で違ったりするので注意が必要です。本当に着るもので
調節って簡単に言いますけどこの季節はいつでも難しいですよね。みなさん
お体には十分気を付けて、寒い思いはしないようにお心がけください。とい
っても最近は若い人のほうが厚手に切り替えるのが早いですよね。まだ半袖
で何も羽織らず歩いている人が多い中で、革ジャンやフェイクファーなどを
羽織っているのは決まって若い人です。それはそれ、おしゃれでとてもいい
とは思うのですけど、暖かすぎて汗をかいて逆に冷えないよう、暑くなった
ら脱いだりした方がいいですよ。今日は結構暑いな、と思っても若い人はほ
とんど上衣を脱ぐとかしないので逆に心配になったりします。そういえば私
も若いころは我慢してでもジャケットを着て歩いたこともありました。なん
か最近はそういう忍耐力がぷつんと切れてしまっていて、それだけおしゃれ
するこだわりが減った、ということではないと思うのですけど、ただ我慢す
る気力が失せた、ということだと思います。以前はやはり業界人として暑く
ても早めに冬物に袖を通し、寒いのを我慢して春は薄手を着てたりしました
が、今はとてもそんな気力がないですね。前に当時お付き合い頂いていた某
アパレルの社長さんが朝礼で、「アパレルメーカーの社員たるもの、季節を牽
引するべし。明日からは全員コートを着て出勤するように」、と通達されたそ
うで、次の日から全員10月初旬にもかかわらずウールのコートを着て出勤と
いうことになり、「とにかく暑いんですよ」、とMDの方がおっしゃっていまし
たが、アパレル業界は思った以上にそんな話がありがちです。そのアパレルは
業界では超大手の分類に入るのですが、当然社員数も多く、それだけの人数が
コートを着て一つの駅周辺で歩いてたら結構インパクトあるかもしれませんね。
ウールは別として、つられて綿のコートくらいは着る人が出てくるかもしれま
せん。そんな効果を経営者としては期待する気持ちもわからないでもないです
が、まあただファッションは修行ではないので、気候に即して気軽に、気楽に
楽しんで行きたいですね。

 

今回は前回に引き続きファッションワールド東京2回目のレポートをお送りし
たいと思います。今回から新たにリユースコーナーができ、ブックオフはじめ
多くの企業が出展していらっしゃいました。中には待っても待ってもお客さん
が途切れないブースもあり全社にお話を聞けたわけではないのですが、お話を
お伺いできたいくつかのブースをご紹介したいと思います。

 

まず最初にご紹介するのはファッションクロスフルシマさん。元々アジア各地
をはじめ世界各地に工場を展開、生産、検品の大手のフルシマさんですが、今
回は「再販加工」という分野での出展です。アパレルメーカーも無駄は極力省
き、不良品の発生に関しては最大限に注意してはいるのですが、それでも商品
を生産していくうちに何パーセントかの縫製不良、ボタンをはじめとする付属
の不良、試着時に付着した口紅をはじめとする化粧品による汚れ、等々様々な
ダメージは避けられません。ファッションクロスフルシマさんは、アパレルか
ら製品を回収し、そういった不良個所を直し、再販できる状態に持っていく、
という事業を展開していらっしゃいます。今までは製品のちょっとした直しで
もそのために大量の作業が発生し、それが現在直しに本来回るべき商品が廃棄
につながりやすい根拠となっています。シミ、汚れ一つでも商品の下げ札、残
布袋、などの付属物をまず外し、クリーニング作業後付属物再取り付け、プレ
ス等の仕上げ加工、検品再検針、パッケージング、外袋に商品バーコード貼り
付け、梱包、出荷、というよな手間がかかるので、これだけの作業を個別の会
社に外注すると下手すると途中の運賃も含めると結局新しく作ったほうが安い、
というようなことが往々にしてあります。本来ならお直しの各工程を1社ずつに
お願いする場合がほとんどですが、ファッションクロスフルシマさんはすべて
の作業を一気通貫で請負い、従来よりコストを抑えて商品を再販できる形に戻
します。リサイクル、というとたいてい全く違うものに作り替えるとか加工技術
の話になる場合が多いですが、作り変えなくても元の正常なA品の状態に戻す、
というのがコスト、エネルギーからいってもその商品の本来のあり方からいって
も一番正常なあり方のような気がします。手間がかからず低コストで商品の再生
ができるようになると、廃棄ロスがなくなるとともに企業の利益にもかなりの
貢献になるのは間違いない、というのは当然のことですね。作り変えるのではな
くまず直す、これは確かにエコの基本だと思います。何も作り変えるだけがいい
ことじゃあないですよね。ブースの写真もご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詳しい工程がパネルで説明されています。各工程を経て再生した製品の写真は以
下ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特に海外生産、海外縫製をしていると、どうしても直し、という作業は切っても
切れないところがあります。蒸気プレス一つにしても、飲める透明な水を使って
やっているのは世界でも日本だけではないでしょうか。そんな海外生産の経験が
長いからこそ日本での直しの技術、システムが進化したのかな、という感想を持
ちました。

直しに出す時点でもう色、柄、スタイルの流行が変わっていて、というようなこ
ともファッション業界では多々あります。そんな時用に形、サイズのリフォーム、
製品染め直し、ということもされていて、どうしてもなおらない修正不可商品は
分解して糸へとリサイクル、という方法も併せて展開されていて、どんな製品で
も、何らかの方法で、何らかのアイテムとしてよみがえらせることができます。
壊して原料にする前にまずなおす、確かにSDGsの原点ともいえる事業だと思い
ます。今後ますますご発展されるといいですね。

 

次にお伺いしたのはECOMMITさん、こちらもリユースの大手商社です。
こちらは一般からの不用品回収から始めて集まった商品を選別、検品し、でき
るだけそのまま手を加えずに再販する、というのが基本となっています。先ほ
ど紹介したファッションクロスフルシマさんはメーカーからの依頼で商品お直
し、というのが基本でしたが、こちらは一般消費者からの回収、ということが
主たる事業になります。画像をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな箱がショップ、ショッピングモールに置かれているのを見たことがある
方もいらっしゃると思います。確認すると、郵便局、ファミリーマート、イオ
ンモール、JUNグループの店舗、等で活用されており、ビームス、ベイクルー
ズ、等、設置アパレル、設置店舗ともに現在増えつつあるようです。基本的に
衣類の回収、というお話でしたが、写真にあるようにぬいぐるみやおもちゃ類
も回収しているそうです。

回収した商品は工場で丁寧に選別、アイテム、状態、等、細かな基準で選別し、
リセールしていく、とのことです。ブランドに置かれた回収ボックスには当然
そのブランドのものがよく集まるわけですから、クリーニング、等の基本的な
加工をした後にブランドに再納品、というようなこともされているようで、そ
ういう服を自らレガシー商品、として販売しているメーカーもあり、とにかく
まず徹底的に捨てない、という方針の元、加工を最小限に抑え商品を循環させ
る、というのはまさにエコの基本中の基本ですよね。古い車を廃棄して新しい
電気自動車やハイブリッド車に乗り換えるよりとにかく直しながら今の車を何
十年も乗り継ぐ、ということのほうが格段に地球に優しいのと同じように、と
にかくなるべく手をかけずに長く使用(再利用すればそれだけ商品の寿命は延
びるわけですから)する、ということが一番地球に優しい道となります。まず
捨てない、長く使う、これに勝るものはありませんが、回収した商品を循環さ
せる、って簡単な話には思えますけども実際に流通経路に乗せ販売していくと
なると並大抵のデータ、知識、ノウハウでは商売として成り立たないと思いま
す。そのアドバンテージがあるからこそ企業として成り立っている、と、いう
どころか、先日イオンタウンが設置店舗を15店舗に拡大、ということがニュー
スになったばかりで、企業として、取り組みとしてどんどん拡大している成長
産業となっています。みずほ、伊藤忠、といった会社が主要株主となり、人員
も派遣している、と、いったらこの商品の循環利用、ということが産業の中で
どれだけの位置を占めるのか、よくわかっていただけると思います。このPAS
STOという回収ボックスの設置、回収は無料とのことで、学校での設置もぜひ、
と、勧められました。こんなシステムがどんどん身近になってくる、そんな感
じがひしひしとしました。今後の動きを注目したいです。

 

次にご紹介するのは三栄コーポレーションさん。こちらは様々な廃棄されるべ
きものを使いアップサイクルに取り組んでいらっしゃいます。廃棄されるものと
は、1つは漁網、これはもう有名ですよね。それ以外にエアバッグ、シートベル
トの廃棄分を使用して繊維にアップサイクルし、バッグ、等に生まれ変わらせて
います。それが下の写真の商品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おもちゃはリサイクルして時計を作り、コットン等の繊維も当然リサイクル、
そして染色も水を使用しない特殊な製法を使い、循環型社会への取り組みは徹底
しています。確かに車が廃車になる場合、鉄、とかはいわれなくてもリサイクル
しているでしょうけどエアバッグ、とかシートベルトとかって、多分廃棄しかし
てこなかったですよね。車全体から見ると少量に見えますが、現在の繊維メーカ
ーの売り上げのかなりの割合を占めるのはエアバッグ関連なんです。使用量は多
いし、婦人服みたいに色や形に流行があるわけでもないので1ロッドの生産量が
大きく、自動車メーカーにとっても繊維ってまったくの異業種で、部品の下請け
みたいに値段をたたくこともなかなかしにくいため、まさしく繊維業界にとって
は利益頭となっているんですが、それをリサイクル、って、ただ単に今まで捨て
ていたところを再利用するわけですからその効果は大きいと思います。また、繊
維は染色の段階で大量の水を使います。水に染料を溶かして染めるだけでなく、
染色後は必ず「洗い」の工程があります。余分な染料を洗い落とし、長時間蒸し
て乾燥、発色させないと堅牢度に問題がある商品となり、ほかのものとこすれて
色が移る(移染)、といった問題、洗濯でほかの服に色が落ちる問題(洗濯堅牢
度)、等々いろんな問題が発生します。これらはほとんどが洗いの工程不足によっ
て引き起こされます(ソーピング不足)。これを、生地を染めるのではなく、糸
を作る段階で専用の染料で染め、仕上げの水洗いをなくしたのがこの三栄さんの
「無水染色技術」です。紡糸っていうと、ものすごい生産量のイメージなのです
が、自社技術、自社設備の改良により、それほど大きくない生産量での展開が可
能になった、とのこと。写真があんまりよくないのですが、以下に写真も載せて
おきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すべての繊維が無水染色に対応できるか、といえば現状では難しいところもある
とは思いますが、いずれにしろ水は極限まで使用を控え、廃棄は極限まで避け、
可能な限りリサイクルする、という流れは止まることはありません。現在ファッ
ション産業が環境負荷のかなりの部分を占めている、ということでよく叩かれた
りしますが、例えば綿花の栽培から最終商品の廃棄まですべて問われているのは
アパレル産業だけのような気がします。自動車業界の環境負荷、って言っても製
鉄の段階、合成ゴムの生成、ガラスの生産から全て含めてって

ことではないですよね。それは全て各産業でのカウントになっているんだと思い
ます。そんな観点からすれば、綿花栽培は農業の問題になるのが普通だろうし、
合成繊維は本来化学産業が負うべきものだと思うんですけどアパレル産業だけは
なぜか一気通貫で責任が問われます。今更「アパレル業界にだけそれはないんじ
ゃない?」、って言っても今の時代説得力があるように思えないので、まあとに
かくいろいろ対策してていくしかないわけですけど、三栄さんのように技術革
新で環境負荷を解決していく方法は、これからファッション業界でもどんどん
多くなってくるような気がします。三栄さんはOEM生産だけでなく、自社での
ブランドもどんどん増やしていっていらっしゃるようで、「デザインがいいので
バッグを購入したらリサイクル材料仕様品だった」、というようなことが普通に
なってくるんじゃないでしょうか。サステナブルはもう耐えるものでなく楽し
むもの、という時代になったんだと思います。今後もどんどん注目していきま
しょう。

 

と、ここまでは企業としての環境の取り組み、という形のものをご紹介しまし
たが、最後は個人レベルでの新しい取り組みをご紹介したいと思います。廃棄
Tシャツを回収し、アクセサリーとして新しい商品として生まれ変わらせてい
る、reTworksをご紹介いたします。

まずは写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとわかりにくいかもしれませんので商品の拡大写真もご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お判りいただけたでしょうか。回収Tシャツをひも状に細く裁断し、それを編
み上げてひとつひとつアクセサリーとして仕上げていきます。制作方法は以下
の写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく何から何まで手作業です。なんか私から見れば気の遠くなるような作
業なのですが、こういう作業が好きな方、絶対にいらっしゃいますよね。ここ
の代表の有坂さんも多分お好きだからお始めになったんでしょうし、嫌いだっ
たらできることではありません。環境負荷の難しい話よりもTシャツが好きで、
もう着てはもらえないTシャツがかわいそうで、こんなおしゃれな商品ができ
た、というようなことが事業立ち上げの元だと思うのですが、ファッション産
業はただ単なる装置産業ではないので、こんな個人で立ち上げた事業がすごく
素敵に見えたりします。この商品にピンときた方は、当然一緒に生産してくれ
る方を募集されていますし、自分でも違うTシャツのアップサイクル法を考えて
世に問う、という道もあります。こんな新たな試みをどんどん応援していきた
いですね。今回、個人出展ブースは本当に見応えがありました。reTworksさん、
あとは製品のバリエーションをいかに増やしていくか、というところだと思う
ので、その点、今後に期待していきたいですね。

 

2週に渡ってアパレルエキスポのレポートをお送りしました。前回が「和」が
テーマで、今回はリサイクルがテーマとなっています。今後日本のものを世界
に問う、とかサスティナブルとか、両方とも今後のファッションのキーワード
としては欠かすことのできないものだと思います。捨てない、再利用、アップ
サイクル、これはもう本当に欠かせない価値観となってしまいましたが、従来
のペットボトル再利用繊維は、そのままペットボトルとして再利用すればまた
ペットボトルに出来るのに、それを繊維として加工するのはわざわざリサイク
ルの輪を止めているだけに見えて、そんなエコ看板商売、エコが売れるキーワ
ードになっている商品って、正直言ってあまり興味を持って見てきてはいなか
ったんですが、今回紹介した企業の取り組みを見ると、今までのようにただリ
サイクル原料を使ってます、ていうエクスキューズだけでなく、さすがに本腰
の入った本論になってきたな、と、思います。そしてreTworks さんのように、
とにかく一人でまず始めてみよう、まずはいいデザインのものを、っていうと
ころから始めて行くのが今も昔もファッション起業の正しい道、っていう気が
しますし、自分のアイデア一つで世界に挑戦していく若い方々をできる限り応
援したいと思います。今後もエシカルな取り組みはいろんな企業が、いろんな
観点からどんどん取り組んでいかれることと思います。今後に注目していきた
いですね。

 

今回も少し長くなりましたが、エコ中心の展示会レポートをお送りしました。
次回はまた別の展示会レポートをお送りする予定です。今度はどんなものに、
どんな企業に出会うのか、ご期待ください。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

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~就活室便り#47~ A New Career in a New Town 当校の研修制度について

~就活室便り#47~ A New Career in a New Town 当校の研修制度について

 

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。なんだか雨や曇りが多い
ですね。気温が下がってきたことはいいことではありますが、とにかく雨が
苦手です。これはいつまでたってもなおるもんじゃありませんね。少しでも
雨の日をたのしく、と思って高い傘を何本も買ってそれを全て盗まれ続けた、
ということがトラウマになっている、ということではないのですが、いまだ
に傘のさし方自体がよくわかっていない、というか、とりあえず苦手な部類
に入ります。それと雨って、絶対不公平というか、遠距離通勤者にはかなり
負担となります。大抵天気予報で「朝には止むでしょう」、というような場合、
家を出るときには大抵土砂降りだったりします。大きな傘をさして最寄りの駅
で降りるともう晴れていて、結局雨靴、長傘が後の一日中お荷物となった、
というようなことが多々ある、というかありすぎます。逆に帰宅時間も遅くな
る遠距離通勤者は夜半からの雨。というものにも必ずつかまります。通勤時間
が短い方と比べるとかなり不公平感があるので、たまには朝8時から9時の間に
集中豪雨とかないかな、と思ったりもしますが、そんなことあるわけないです
よね。とはわかっていても毎朝8時には出勤している私はいろんな思いで空を
見上げたりします。毎朝電車で乗り合わせる遠距離通勤の同胞のみなさん、い
つかはいいことがありますよ。そう信じないとやってられないですよね。

 

天気は晴れるに越したことはないし、就職は早めの内定に越したことはないです
よね。本年度も2,3、年生は現在一生懸命に就職活動に励んでいる人、すでに内
定が決まって余裕の学校生活を送っている人と様々です。いずれにしろ夏休み明
けから、まだ就職が決まっていない人たちは少し焦り始めているようですね。全
員が100%希望の会社、職種ではなくてもなるべく望みの職業につけるといいと
思います。ただ、いくら何でも面接会場についていくわけにもいかないのであと
は神頼みくらいしかすることはないのですが、選考通過のお知らせを聞くと、自
分のことのようにうれしくなりますね。今後もいいお知らせをどんどん聞いてい
きたいです。

 

さて、今回はいかにしてその内定に近づけるのか、内定獲得の近道について考え
てみたいと思います。いろんな話はありますが、やはり一番の近道は早く就職活
動を始めること、これに尽きます。選考を希望する企業の採用枠がまだ十分ある
時に応募し、早期に選考を始めていただく、といういわば出し抜き、と呼ばれる
ような方法が一番採用には近いのは当然のことですよね。ただし協定で行くと当
校2年生の就職活動解禁は1年時の3月1日となっており、それ以前の採用活動は協
定破りとなり、禁じられています。しかし実態を見ると、本年度(2026年卒)の
全国学生の3月1日の段階で内定を持っているのは43.1%、と、協定って、何を言
ってるの、という数字になっています。なんかこれで言葉遊びというか、「内々定」、
という言葉が流行したりしていますが、内々定、っていっても結局はただの内定
ですよね。本当だったら内々定も内定も一緒だからそういう企業は協約違反とい
うことになります。これは厚労省から各経済団体へ確実に通達が出ていますので
各経済団体に所属する企業は守るべきものではありますが、それが守られていな
いのが実態で、それが世間で騒がれている就活の早期化、という現象です。各経
済団体に所属する企業ですらこれなのですから、ましてやそういった団体に所属
していない外資系企業をや、という感じですよね。ただし、表立っての会社説明
会、選考会はさすがに開催できません。それに変わるものが、インターンシップ、
キャリア形成支援、業界説明会、オープンカンパニー、等々の名で呼ばれるもので、
これらのイベントを開催している会社は、マイナビ2027に登録している会社で訳
2万社あります(10月15日現在)。つまりほとんどの企業が何らかの採用に結びつく
活動をしているわけですね。これらのイベントを開催することで企業は採用面接よ
り長い間学生に接することができ、選考の判断がより下しやすくなる、というメリ
ットがあり、学生にとっては志望企業に早期からアピールするチャンスとなります。
各機関の調べによるとこのインターンシップ、キャリア形成イベントの開催、参加
はどんどん増えて行きそうですね。

内容は業界セミナー、お仕事体験、企業内ツアー、等いろんな方法がありますが、
やはり基本的には採用活動を主としたイベントであり、お仕事体験も実際に社員に
混じって社員と同レベルの仕事をこなして、ということはほとんどありません。一部
ではそれに近いこともあるようですが、基本的にはお客様の一日体験、といった色合
いが強いですね。だから本校学生ももっと気軽に参加していただけたらな、と、思っ
たりもしますが、これは今回の本題からちょっと外れますので置いておきますね。
本日課題にしたいのは、当校で呼ぶところの「研修」というイベントと就職の絡み
です。

 

当校での「研修」、とされている活動は、全て学校あてに企業から依頼を受け、実際
の現場に学生が派遣され、体験は体験ですが、実際の職業の生の仕事をそこで行い、
企業活動を助けるとともに自らのキャリアアップにつなげる、ということで、お客様
の立場で参加し、楽しんで終わり、ということではありません。実際に辛かった話、
体験談を何度も聞かされたことがありますが、貴重な体験をするとともにいろんな職
業の辛さ、大変さまで味わってくるのは当校研修以外ではなかなか味わえるものでは
ありませんし、辛さは味わえても交通費も出ないような単なるただ働きの強要でもあ
りません。毎年3000件ほどの研修があり、内容もスタイリスト、撮影、衣装制作をは
じめとして映像制作、編集、雑誌編集、等いろんな分野からの研修を紹介、たくさんの
学生が毎回参加しています。もちろん学校での授業、練習も必要不可欠ですが、実際の
現場での体験は何物にも代えがたいものがあります。学校の授業よりは苦労することが
多そうですが、それがまたキャリア形成には必要不可欠なものといえそうです。当然、
憧れの職業、憧れの職場、と、思っていたら実体験するとちょっと自分には無理かもし
れない、という感想を抱き、進路を変更する学生も中にはいます。それは逆に在学時に
はっきりとしていたほうが後々の後悔が少なくなりますよね。

それと、仕事は何といっても結局人の仕事です。人が合わなければ仕事はなかなかでき
るもんではありません。それを見分けるのができることもこの研修の良いところで、従
業員が万を超える大会社と違い、特にスタイリスト、衣装制作、等はむしろ対個人とい
うように考えた方が良い規模のところがほとんどです。本就業前にお互いの相性を見極
めることはかなり重要な意味を持ちます。そういう意味で、一社だけでなくなるべく多
くの企業の研修に参加することをお勧めします。

 

それでは実際に研修と就職率の関係を2025卒のデータからちょっと見てみたいと思いま
す。まずスタイリストから。

 

スタイリストに関しては現スタイリストの事務所、会社に属し、アシスタントからはじめ、
将来独立する、と、いうパターンが多いと思います。そういったスタイリストを目指した
方たちの就職率を以下に記します。

 

スタイリスト希望者で研修体験者        21名

内スタイリストアシスタント決定者       15名(71.4%)

 

なんか圧倒的な数字ですね。それ以外は留学、等の理由で就職を途中で辞退した方と、
一般企業に就職し、方向転換した方なので、結局、最終スタイリスト希望者で研修経
験者は100%、ということになります。先ほども申し上げた通りスタイリスト志望者
にとって研修はまさにマスト、スタイリストの道は研修から、ということがいえると
思います。年に3000件って、とにかく毎日届く研修の連絡は本当に半端ない量ですよ。
現在スタイリストとして活躍する卒業生が、オープンキャンパスでのOB紹介、という
コーナーでゲストで登壇していただいた時も、最終的に当校を選んだ理由は、「圧倒的
な研修量」、ということをおっしゃっていました。いずれにしろスタイリストを今後目
指していく、という方、まず一度研修で生のスタイリストの仕事に触れてみましょう。
そこからすべてが始まりますし、当校ではその「圧倒的な研修量」を十分堪能できま
すよ。

 

それでは、次に衣装制作会社を見てみたいと思います。アイドル衣装、舞台衣装制作を
志望する学生は毎年本当に多く、その割に制作会社も採用人数も少な目で、なかなか難
しい就職先ではあります。では、そういう衣装制作会社に就職した学生がどれくらい研
修に参加したのか、また見てみたいと思います。

 

衣装制作会社希望者で研修体験者         15名

内衣装制作会社決定者              10名 (66.6%)

 

これも圧倒的ですね。早めに方向転換し、他業種に早めに鞍替えした学生も多く、希望
者が数字で見ると小さいように見えますが、1年時には衣装制作コース55名のほとんどが
衣装制作会社希望だったことを考えるとやはり人気の職業ではあります。来年卒業予定の
学生も衣装制作会社を志望する学生は非常に多く、卒業年となった2年生現在でも研修に
参加している学生数はかなりの数にのぼります。みんな頑張ってほしいですが、いずれに
しろ衣装制作会社に就職しようと思ったらこちらも研修はマスト、ということだけは言え
そうです。

 

それでは全体で何人の人数が何回研修に行き、研修に行った先で就職が決まった人は全体
の何パーセント?、と言われると、そこまでのデータは残念ながら取れていません。何せ
3000件の情報をもれなく学生に共有し、人選して紹介、業務終了までつつがなく終わるよ
う見守り、その後の研修報告確認、ということが並でない量の仕事になるからです。平均
して一件の研修での募集人員が5人、それが3000件、というと年間どれくらいの学生の派
遣スケジュールを立てているか、お判りいただけるかな、と思います。まあ忙しいからデータ
作成ができないって、そんなことでいいのか、と言われれば返す言葉もありませんが、どの
希望者にも同様のチャンスを与え(基本的にはいつも定員オーバーになることが確実なので、
当選者が偏らないように配慮しています)、研修の数もできるだけ増やし、学生に満足しても
らえるように常に企業と交渉、とか言ったら結構大変なんですよ。忙しいのは理由にはなり
ませんけどまず学生の満足が最大になるように考え、日々担当は努力しているところです
(、というわけですいませんが研修担当は私ではありません。私は研修担当の先生のご苦労
なさっているお姿を拝見して陰ながら応援しているだけなんですけどね)。とにかくこの研修
の件数が増えこそすれ減ることのないよう全職員が努力していることは間違いありません。
今後にまたご期待ください。

 

 

いずれにしろ研修を含めて当校では最大限の就職支援を惜しまず実行しています。保護者
のみなさま、これから入学を考えている高校生のみなさま、それはご安心してくださって
ください。その分職員は本当に大変だったりしますが、それに対し愚痴をこぼすのも私ぐ
らいで後の職員はただひたすら目的に向かってまっすぐ突き進んでいます。今後の就活
フォローもぜひご期待ください。

 

今回、先週の続きで展示会レポートを入れようと思っていましたが、研修に関するお問い
合わせ、ご質問が多いため急遽新しい話を入れさせていただきました。表題の A New
Career in a New Town,新しい街で新しい職を探して、というのはデヴィッド・ボウイの
名作、LOWの中の1曲ですが、これだけの題が付いていながらなぜか歌詞がありません。
新しい言葉を一緒に探して、この学校で私たちと一緒に新しい職を探してくれる方、お
待ちしています。

一緒に、探しましょうね。

 

ではまた。

HANAZONO

 

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~就活室便り#45~ Kimono My House

~就活室便り~#45 kimono My House

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。やっとちらほらと
肌寒い日もでてきましたが、それも朝晩だけだったりして昼間は結構
暑いですよね。ちょっといろいろ着るものは悩むんですがやはり中心
は半袖で、それに何か羽織るものがいるかいらないか、というところ
ですよね。それでも季節は順調に進んでいて、この前今秋初めてのオ
リオン座を見ました。それが見られるって、いったい何時に起きればい
いんだって言う話もありますけども、まあそれは置いといて、季節は少
しずつ進行していてそれになぜか気温が追い付いていない、という感
じですよね。追いついたらいきなり寒くなる気がしないでもないです
が、まあそれまでは半袖生活を十分に楽しみたいと思います。結構羽
織るものは集めてみたんで、思ったより楽しい毎日が送れるんじゃな
いかな、と思っています。気候変動を嘆いてばかりいるより新しい楽
しみを見つけるほうがよっぽどいいですよね。こういうところからフ
ァッションもどんどん変わっていきそうですね。

 

気候だけでなく政治、経済、文化、等々社会の変化にファッションは
影響を受けない、ということはありません。というより、むしろ積極
的に社会の変化に敏感に反応し、むしろリードするようなところもあ
ります。そんなファッション業界の、現在では日本最大級となるイベ
ント、ファッションワールド東京が10月1日から3日まで東京ビッグサ
イトにて開催されました。今回はそのレポートをお送りしたいと思い
ます。

 

海外生産、素材、高機能素材、サスティナブル、リユース、等いろいろ
な切り口で見やすいように各出展者が区分されています。入口から一番
近いコーナーが、アジアの縫製・生産工場EXPO、というくくりで、こ
こで海外の工場、メーカーが出展しているのはまあ当然、と思いいろい
ろ眺めながら通っていたのですが、これが一向に終わらずどこまでも続
きます。結局サスティナブルも素材も高機能製品も海外、というよりは
中国メーカーばっかりで結局9割の出展者が中国、韓国含めたその他の
国が5%、それ以外が日本、という印象です。このリポートでは基本的
に国内のメーカーしか紹介しない、それは以前にもお話ししましたが、
いきなり海外、特に中国のメーカーに新卒で入社する、というのがまず
絶対無理だからです。経験を積んで転職、という可能性はあると思いま
すがいきなり新卒で臨むのは悲しい結末が待ち受けているのは、火を見
るより明らか、というか、いずれにしろ新人を育てる気のない企業に行
っても結局育てられないだけなので、いずれにしろ「就活室便り」、とい
う主旨からは外れるし、インド、フランス、イタリーは意匠的に見るも
のがあるので紹介したことがありますが、少なくとも今回の中国からの
出展者で意匠的に紹介すべきメーカーはありませんでした。唯一内蒙古
から出展のメーカーはちょっといいな、と思いましたけどそれはあくま
で素材の話で意匠的に優れてるわけではないので今回は割愛しました。
でも、シルクカシミアの細番手のものとか、本当に風合いはいいですよ。
みなさんも触る機会がありましたらぜひ触ってみてください。

 

とにかく日本のメーカを探しているうちに会場の端がすでに見えてきて、
今回はレポート無しかな、と、思っていたのですが、ブランド&デザイ
ナーEXPO、というコーナーがあり、小さなブースで多分一人、もしく
は数人でブランドを立ち上げられたのかな、というようなブランドが並
んでいます。ただやはり極小のスペースなのでお客様が一人訪問すると
ブースがいっぱいになってしまい、その中で見たいな、と思ったブース
はほとんど来客中だったので後で寄ろうと通り過ぎ、別会場のメガネ展
を先に見ることにしました。

 

そのメガネ展の会場ですが、実はすごく盛り上がっていて、むしろ静か
に感じられたアパレル会場とは大違い、まさに熱気にあふれていました。
ただこちらも全国眼鏡店を対象としたショーで、大手チェーンなどの出
展はなく、フレームメーカー、等が中心となっており、はなはだ専門外
領域で、1件だけお邪魔したブースはインポートのカラフルな老眼鏡を
扱っているブースのみで、会場では現物販売していない、とのことで
ネットのURLをお伺いしただけで会場を後にしました。メガネ業界も
大手チェーン店には就職する学生が出てきてはいるので、メガネ業界、
これだけ盛り上がるなら今後の勉強材料として考えて行きたいと思い
ます。

 

というわけでまたアパレルブースに戻り、先ほどお話をお伺いできな
かった極小スペースのブースにお伺いすることにします。とにかくま
ずお話をおうかがえる順に、空いているブースから訪問していきます。

 

まず最初にお伺いしたのはシロニセカイさん。着物の帯を利用して
リメーク、というよりはまったく新しい製品として生まれ変わらせ
ています。まずは写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着物部分は基本的にパーツとして使用し、よくありがちな和の世界に
どっぷり、というようなテイストにはなっていません。総使いなのは
ネクタイ、等の小物のみです。次の写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総柄のものも柄のどの部分を出すか、などデザインでは大変ご苦労な
されているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こういうのが一番いいのかな、と、思いました。ベストのサイドもい
いですが個人的にはジャケットのポケットのフラップ、袖の折り返し
に使っているのが一番いいかな、と、思いました。特に袖の折り返し
が非常にいいかな、と思っていて、昔、某デザイナーブランドで使用
したというジャガードを中国で拝見したことがあります。よくある黄
色やオレンジのいかにも中国、ていう感じのジャガードの生地を真っ
黒に染めて、モノトーンで有名なブランドにジャストフィットしてい
ました。今回の陳列のブルーグレーのジャケットの写真をご覧いただ
けたと思いますが、イタリーにも和にも行きすぎず、あくまでもシロ
ニセカイさんオリジナルとして完成度が高いかな、と思います。

代表の櫻庭さんは自らインフルエンサーとして活躍されながらこの新
しいブランドを立ち上げ、当然企画から営業から何からすべてご自分
でこなしていらっしゃいます。ニューヨークでの出展をはじめ世界を
視野に入れ、仕事は基本的にオーダを中心に一つ一つ丁寧にこなして
いっていらっしゃいます。着物の帯の持ち込みでの依頼も可能で、ま
さに世界に一つだけの服をオーダーでき、また余計な在庫を抱えなく
て済むため、在庫リスクや値下げ、といった可能性もなく、少人数で
の運営には最適なスタイルになっていると思います。一点ものだと余
計全体のどの部分の柄を表に出すのか、無地との面積を含めた対比、
コンビネーション、等、専門知識を要求される部分が多く、当校学生
がお伺いしたとしてもすぐにお役に立って、ということはあまり可能
性はないかとは思うのですが、学校の勉強より実際店頭に立って、お
客様のパーソナルコーディネーターとして経験を積んでいくうちに色
柄のコーディネートはおのずと身についてくるものだと思います。実
際そういう経験を重ねていき、自分のファンとなるお客様も作り、そ
うして少しずつ輪を広げていけば櫻庭さんと一緒にお仕事することも、
自分でオリジナルの企画の商品を開発し発表していくこともできるよ
うになると思います。現場での体験、ってそれだけ本当に貴重なので
みなさん、卒業後もどんどんどんどん勉強していってくださいね。数
年後にこんな会場でみなさんにお会いできることを期待しています。
今回はお話だけでなく、ここに掲載した写真も櫻庭さんから頂いたも
のを使用しています。様々なご協力、どうもありがとうございました。

 

次にご紹介するのはasOBI to kimonoさん。こちらもクリエイターの
caraさんがおひとりで運営していらっしゃるブランドで、ジップアッ
プ、コルセット型の帯を展開していらっしゃいます。どんなものかあ
まり想像がわかないかと思いますのでまず写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この前からの写真で見て頂いてちょっとわかりにくいとは思うのです
が、サイド(左脇)はファスナーオープンになっていて帯を締めずに
そのまま装着可能です。後ろはレースアップになっていて、簡単にサ
イズの調節が可能です。前から見たらどう見ても普通の帯ですよね。
Caraさんは元々の着物好きから始まって、普通の帯の着脱が手間がか
かること、途中できつくなったとかゆるくなったとか、幅の変更が難
しい、等の問題をいかに少なくしてより着物を着る機会を増やすか、
というところからアイデアを練り、製品化まで持っていかれたそうで
す。そして帯を締めないということでサイズ、着脱以外に新たな特徴
が生まれました。その一つは、裏側は裏地処理になるためポケットが
つけられるようになったというところです。写真をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして裏地にポケットがついているので携帯をはじめとして結構い
ろいろな物が帯の中に収納できます。普通の帯に挟んだら携帯とかは
下から落ちてしまいますし、これぐらいのポケットがあるだけでほぼ
バッグなしの外出もできるようです。

そして、この帯の表地をちょっと見てください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな起毛やスパンコールのついたものは普通の帯にしたら締める際
にひっかけたり擦れたりして絶対すぐに痛みますよね。ところがこの
帯は普通の帯のように結ぶ必要がないのでどんな生地も使用可能です。
下の写真のように全面スパンコールの生地も使用可能です。これが普
通の結ぶ帯だったらすぐスパンコールが取れるか、折れるか、生地の
ほうが先に痛むか、そのどれかだと思いますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縫製技術者は募集中ですが、ひたすら裏地を縫う、等地道な地道な作
業の担当しか最初はないかもしれません。それでも和装にご興味のあ
る方は少しずつでも大好きな着物の世界が近くなりますよ。お気軽に
着物をお召しになりたい方、外国人観光客、あるいはやりようによっ
てはワンピースにも使用できるようになるのか、使いみちはいろいろ
広がりそうですし、結構、メンズもありですよね。ほどけてこないっ
ていうのもうれしいポイントですし、レジメンタルストライプ帯なん
て結構良い気がしませんか?なんか今後の展開がとても楽しみです。
着物の素材の方も、新たにいろんなバリエーションが増えて行くかも
しれませんね。こんなところから着物が民族衣装の一つ、という位置
から脱却していく可能性があるかもしれません。とにかく今後注目し
て行きましょう。

次にご紹介する企業ですが、まずは画像をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大から小まで様々な米袋をリユースしています。元々30キロを入れ
られるような袋なので丈夫なのは間違いありません。そんな米袋バッ
グと一緒に陳列してあるのはこんな商品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和柄のシャツが勢ぞろいで、この2アイテムを展開しているって、いっ
たいどんな会社なんだろう、と思ったらGSIアブロスさん、という会社
で、名前の通りGSIクレオスグループの企業さんでした。GSIクレオス
さんは、私の年代からすると、グンゼ産業、という旧社名のほうがご存
じの方は多いと思いますが、そんな大企業の1グループが今はサスティナ
ブルを意識した商品を展開し、日本の伝統のリスペクトから生まれた商品
を展開しているって、やはり時代ですよね。当然、本業として靴下、下着
のブランド展開があってのことではあるのですが、米袋が実は大量廃棄に
なっている、というのはやはり商社としてのGSIさんの動きから明らかに
なったものかもしれませんし、和柄に関しては、インクジェットプリント
ではなく、従来からの型を使った伝統的な手法でプリントされているよう
です。伝統技術の継承って、簡単なようでなかなか難しいところがあって、
型を使うということは一色ごとに1枚の型が必要になり、当然その型は木
枠で囲んでいないと工業製品としての効率、仕上がりにはならないので木
型に入れます。詳しく確認したわけではないですが、今回陳列されている
商品は10型前後の商品が多いかな、と感じました。1柄10型使うとすると
その木枠のとるスペースだけでも大変になります。最近流行のインクジェ
ットプリントはデータさえあればいいわけですからこれは保管場所が必要
ありません。場所効率も、その10枚を1枚1枚移動させながら染めていくそ
の手間を考えても、現在では昔からの手法を維持していくのはどんどん難
しくなってきています。それでもインクジェットと従来のプリントとは色
の浸透度にだいぶ差があり、表から圧力をかけて染める従来方法のほうが
深く染まり、特にインクジェットはまず裏まで染料が浸透することはなく
裏から見ると真っ白、というものが多いです。写真のシャツはボタンを留
めないで着ることも多いかな、と、思いますが、時たま見える裏側が真っ
白だとちょっと格好悪いですよね。そんな配慮にもなっているし、お米バ
ッグは使えば使うほど自然なしわが増えていって自分だけのオリジナルバ
ッグになりそうです。SDGsもあんまり堅い取り組みばかりだと疲れてし
まうので、こんな遊び心を感じさせる取り組みを応援していきたいですね。

 

と言っているうちに紙面的にはだいぶオーバーしてしまったようです。今
回ご紹介した3件の出展者以外にSDGs関連でご紹介したい企業が数社
ありましたのでそれはまた次回にご紹介したいと思います。今回は少し
「和」を感じさせる企業さんを紹介しました。みなさんそれぞれ独自の問
題を独自の発想から解決、発展させてまったく新しいジャンルの商品を展
開していらっしゃいました。今さら言われなくても、と思いの方も多いと
は思いますが、新商品の3原則、というのはいつも変わらぬ不変の法則だ
とおもいます。すなわち:

 

〇 より良い

〇 より安い

〇 差異がある

 

の3つです。今回は今までにない、今までのものとは差異がある商品をご
紹介いたしました。現在アパレル製品のデザインはある程度出尽くした感
もあり、特に新進デザイナーの方は他との差異を覆い求めすぎて過剰装飾
になったり奇抜すぎたりする傾向があるのかな、と思ったりします。逆に
既存ブランドは1点1点の商品の装飾性よりもトータルの世界観の提案、と
いったほうが多いのでむしろ各アイテムごとにみるとオーソドックスだっ
たりします。新進ブランド、となるとどうしてもオーバーデコレーション
になるのはしょうがないのかな、と、思いながらいろんな展示会で拝見し
たりするんですけども今回ご紹介した商品は今までにまったくなかった商
品群なので当然オーバーデコレーションの必要も全くなく、その分完成度
が高かったと思います。今後の展開にどんどん期待していきたいですね。

 

スパークスが「Kimono My House」というアルバムをリリースしたのは
1974年、その頃のイギリスでは着物も、男性のファルセットボーカルも
ジェンダーレスなメンバーも目新しく、かなり異彩を放ったアルバムで
したが、ここから影響を受けたミュージシャンはかなり多く、1曲目の
「This town a’int big enough for the both of us」は数多くのミュージシ
ャンにカバーされ、今では歴史的名盤となっています。今回新商品を展
開されたこの3件が何十年後にもそうやってフォロワーが増え続けいてい
ることをお祈りしつつ今回は終わりにしたいと思います。次回はSDGsで。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

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~就活室便り#44~Across the Universe side-B

~就活室便り#44~Across the Universe side-B

 

こんにちは。就活室のHANAZONOです。暑いです。何回もその話ですね。本当に
暑いです。それでも季節は秋のはずで、昨日、今秋初めてオリオン座を見ました。
日の入りの時間もやっと5時台になり、次第に秋の気配が近づいて来ています。た
だし、気温が伴わないんですね。とにかく今年はなるべく長い間半袖で過ごす、と、
決めてしまったので気は楽なんですが本当にもう「衣替え」の時代ではないです
よね。最近の若い人たちは基本が半袖で、それで寒く感じたらシャツを羽織り、
その次にはパーカーを羽織り、その次にはカーディガン、薄手上着、コートとどん
どん重ねて行くそうです。途中で急に着るものが変わることもなく真冬でも半袖
Tシャツは必要なようで、なんかそんな感じで今年から行こうかな、と思っていて、
もうある時から着ているものががらっと変わるなんてことはないんじゃないかと
思います。今後、ファッションもどんどん重ね着中心となって行くのかな、と思い
ます。

ダウン、ファー、ムートン等の一点物の防寒具はsyそれでは減るのかな、とも思い
ますが、よく考えたらダウンが初めて流行った時は中は半袖Tシャツだったような
気もするし、ボマージャケットの中もやっぱり半袖だったりしたのでそんな感じの
着方もやっぱりありなような気がしますね。昔は冬は半袖Tシャツどころか長袖
シャツだって、買うの結構苦労したような記憶がありますが、今では冬でも半袖が
売れる時代となりました。気候変動のおかげももちろんありますが、それだけ着こ
なしも変わってきたということですよね。

気候変動にしろ流行、政治的、経済的、社会的な変化をファッションはいつでも
真っ正面で受けとめ、どんどん変化してとどまるところを知りません。まあそこが
この業界の面白いところでもあり大変なところでもあります。でも決して時代から
離れられない業界って、いいですよね。とにかくいつの時代でもファッションは
ファッションとしてあったし、それがなくなることはないと思います。時代ととも
にどんどん変化して、その変化を楽しんで行きましょう。

 

前回9月3日に訪問した2つの展示会についてのレポートをお届けしましたが、今回
は次の日、4日にお伺いしたDoorsという展示会について報告します。あるっく
じゃぱん様主催の合同展Doorsは今回Doore112というタイトルで、ということは
通算112回目、という回数を重ねて来られた展示会です。今回は北青山のワールド
本社ビル2階の会場で開催されました。出展されていたのは15団体という、こじん
まりとした展示会で、前日のギフトショーの2700社超の展示会を見てきた後だけに
それほど期待値は高かったわけではないのですが、やはり展示会は訪ねて見なけれ
ばわからないものです。見どころは盛りだくさんでした。

まず入るとすぐ目に付くのはワールドアンバーさん。ワールドさんの卸営業ブランド
を扱い別会社になっている、ということで、さすがに本拠地開催、ということで、
初出展されていました。写真をごらんください。

出展は2ブランド、1つはリブランディングしたブランド、もう1つははじめて5年目
のブランドということでした。写真をもう1枚どうぞ。

もう冬物としてもそんなに重くかさばるものなんてないです。カラシの色がいい
ですね。

卸ということで、ブティック、等が販売の中心となると思いますが、みなさんは
当然ご存じないと思いますけど、卸営業って、実はとても楽しいですよ。仕事は
楽しいし、アパレルでも基本的に土日は休みだし、ぜひ就職の機会があったら、
みなさまにお勧めしたいです。ブログ掲載のお願いをしたら、その場ですぐに電話
で掲載の可不可確認していただいた大日向様、本当にありがとうございました。

次にお伺いしたのは、N.Gorodさん。まずは写真をご覧いただきましょう。

この背中の刺繍、すごくないですか?この後も何枚か写真をお見せしますが、
この刺繍、デザイナーの方がすべて自分で絵も描かれているそうです。デザイナー
であり、このブランドの代表をしていらっしゃるのはナタリアさん、ウクライナの
方です。

元々ナタリアさんはウクライナで工場直結のアパレルを経営し、服飾系の学校で
教壇にも立たれていたそうです。それが今回の情勢で日本に避難、しかし工場
スタッフは国外避難がかなわず、現在もウクライナに残られているとのこと。
そこで日本とウクライナの間でオンラインでやり取りし、デザインから細部の
ディテールまで細かに指示してウクライナで生産しているとのことです。生地は
イタリア製が多く、ビーズ、等の付属関係はフランスが多いそうです。なんか
ヨーロッパの縮図を見るというか、世界はどこまでもつながっているんだ、と
実感されます。政治的な意見は皆さんいろいろお持ちだとは思いますが、まず、
何を差し置いても作品が素晴らしい。それがまず一番に来ます。このシャツ、
フロントのポケットにも刺繍が入ります。写真をどうぞ。

こんな価値ある刺繍、なかなかないですよね。ほかにこんなデザインもあります。

こんな服だけでなく、もともとは襟の刺繍をウクライナではかなり作っているそ
うです。あくまでその一部しか写真を撮れませんでしたが、まず画像をご覧ください。

元々は中央付近のゴブラン調の花がウクライナの伝統的な刺繍モチーフらしいです。
それに現代のモチーフを足して展開していらっしゃるこの襟の柄数はかなりの数に
及びます。小さくて申し訳ないのですが、左上端に白地に花と蝶々の柄が見えます
でしょうか。よく見るとこの蝶が大、それより少し小さいもの、小、と3匹刺繍さ
れていて、それはお父さん、お母さん、子供、と、家族がそろう尊さをテーマに
しているそうです。そしてその下には青と黄色の国旗のカラーに、「ウクライナ」、
と、国名がプリントされた大判のスカーフがおかれています。当然残してきた工員
の方々、親戚、知人のことは当然毎日心配でしょう。だからといって、新しいもの
をクリエイトしていくその歩みは止まることがないのです。本当に政情抜きにして
一度技術的なお話だけでも当校で講演をお願いできたらと思い、そんな話をさせて
頂いたのですが、ナタリアさんいわく、現在とにかく毎日必死に日本語を勉強して
いらっしゃるとのこと(もう、結構普通に会話はできます)、そして将来は日本の
服飾系の学校で教壇に立ちたい、それが夢なんだ、とおっしゃっていました。教え
ていただけることはいっぱいあると思います。今後もいろいろコンタクトをしてい
けたらと思います。写真をもう1枚ご覧ください。

ビーズを使った首周りの様々な飾りですが、近くで見ると総ビーズですごいですよ。
棚に飾ってある本にウクライナのオーセンティックなデザインの服の絵がのってい
ます。当然日本より洋服の歴史の長い国です。学べることはいっぱいあると思いま
す。今後いいお付き合いができれば、と思っています。

次にご紹介するのはolilukkaさん、手作りのアクセサリーを展開していらっしゃいます。
まずは写真をどうぞ。

様々なレースを組み合わせて一つのモチーフにしています。使用しているのはアン
ティークレースが多いそうです。そしてデザイン、生産、販売まですべて一人でこ
なされているそうです。それゆえ、催事、等の販売会があれば全国どこでも一人で
出向き、作るとなったら何日も家にこもって、というようなこともあるようです。
ご住所は愛知の方なのですが、時と場合によっては東京までコサージュ作りを教え
に来ていただける可能性もある、ということでまたいろいろお付き合いができたら
な、と、思っています。当校学生もドレス作りは頑張っていますが、なかなかその
付属まで自分で作ることはないのでこっちの方面も一度教えて頂けたらいろんな
幅が広がるような気がします。作品の幅も、人の輪も、どんどん広がっていくと
いいな、と思います。

次にご紹介するのは靴と、靴のアクセサリーを展開していらっしゃるpanda&alpaka
さんです。普段は靴作りのワークショップをしていらっしゃるそうですが、それ以外
に靴のかアクセサリーを作成、ラフォーレはじめ各地で販売していらっしゃいます。
靴のアクセサリーなので合皮中心で、パンダの毛皮もアルパカの織物も出てこないの
ですが、お名前の由来をお伺いするのを忘れました。すいません。というわけでまず
画像からいきましょう。

ちょっとわかりづらいかもしれませんが、要はタッセルだけ製作してそれが靴に
後付けできるようになっています。タッセルのみの商品にハトメが2つ空いていて、
そこに紐を通せばタッセル付きの靴に返信するわけです。靴には紐さえついていれ
ば、それが革靴でもスニーカーでもよく、しかもサイズフリーで子供から大人まで
全てのサイズに対応できるようになっています。もう1枚、写真をご覧ください。


こちらの方が拡大版でわかりやすいですかね。色も様々、ビーズ、レース使い、
カラーコンビネーション、等様々な手法、素材を使って展開されており、この他
にもリフレクターをはじめとする光る素材、インド刺繍、等、様々なデザイン、
素材があります。普段の靴が全く変身してしまうわけですからアイテムとしてか
なり面白いですよね。

元々服飾系専門学校を卒業されている、とのことで、ご自身の卒業制作でも課題
になったのは自分で作った服に合わせる靴だったそうです。各ショップでの販売
以外に現在でも浜田山でこのタッセルおよび靴のワークショップをされていて、
そこで作っている靴は普通のミシンで縫えるそうです。もし当校の学生でワーク
ショップの参加希望者がいれば学割の適用も考えていただける、とのことで、
みなさんに靴の悩みがあるようでしたらどんどん紹介していきたいですね。いず
れにしろなんか一つつけただけで普段の靴が全く別物に変わってしまうって、か
なり面白いと思いますよ。今後、なんかうまい接点を持てたらな、と、思ってい
ます。

色々時間に制約がある中お伺いしたので全社のお話を聞くことはできなかったの
ですが、前回も大変お世話になり、学校でのご講演もお願いした小森縫製さんが
またご出展されていました。次の写真です。


相変わらず好感度で着やすい商品を展開していらっしゃいまいた。小森社長が
当初まだ会場に到着していらっしゃらなかったのでスタッフの方にご挨拶だけ
して会場を出たところ、そこでちょうど小森社長とお会いしました。前回の
ご講演の話と次回の予定、テーマ、等軽くお話をさせて頂き、結構時間いっぱい
で会場を後にしました。なんか思ったより見どころ、聞きどころが多くてだいぶ
時間オーバーしてしまったのですが色々成果が多かったと思います。小規模の
展示会でもちゃんと成果があって、楽しい時が過ごせるとなるとやはり展示会
巡りをやめるわけにはいかないですね。今後もどんどんできる限りの展示会訪問
を続けていきたいと思います。

前回から2回にわたって3つの展示会の訪問レポートをお送りしました。そうして、
本当にもう自国だけで成り立つ世界なんて存在しないんだ、という思いを強くし
ました。もはやものの流れは全ての政治的障壁を超えてしまっているし、それゆえ
1国の動向が必ず他国に影響を与えていく、ということを目の当たりにしてきまし
た。自国だけが優れていて全ては自国のために、って耳あたりはいいですがそう
いう考え自体がもう世界のものの流れについて行っていないのは明らかです。現在、
世界中で自国中心主義、自国だけが儲かればいいような主張が溢れています。でも
絶対1国だけが一人勝ち、ということはあり得ないと思いますよ。そんなやり方の
影響は必ず自国に戻ってきますから。

祖国を離れても、祖国を思い未来を思う気持ちがあれば、創作はどんどん進んでい
き止むことはありません。なんか、そんな素晴らしい出会いがあって今回は本当に
良かったと思います。また次もこういうレポートを続けていけたら、と思ってい
ます。

 

次回もまた別の展示会レポートを予定しています。ご期待ください。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

10/4に開催予定です。

 

詳しくは下記よりご確認ください。

体験入学申し込み    こちら

https://www.tfac.ac.jp/open_college/

 

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