就活室便り | ファッション専門学校の東京服飾専門学校 - Part 5

就活室便り

~就活室便り~#36 Music From Big Pink ~45rpm様展示会訪問記

~就活室便り~#36 Music From Big Pink ~45rpm様展示会訪問記

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。梅雨の季節がやってきましたね。
なんか昔から雨が苦手で、傘をさすのから何から、全てが苦手で得意なことは何も
ありません。靴が濡れる、中までしみる、なんていったらもう全然だめで、社会人
になって靴を履き替える習慣がなくなってからはなんたって辛いですね。最近は革靴
をあまりはかなくなったのでまだましですが、それでもやはり辛いものは辛いです。
長靴を履けばいい、と言われても通気性のない靴を長時間履くのもやはり辛いものが
あってとにかく雨、というだけで憂鬱でした。以前は駅まで雨具着用で自転車を使用
していたため辛さ倍増、というか、雨の日の出勤自体がなんか避けたいものでした。
また、傘も当然折りたたみを鞄に入れて出勤せざるを得ず、長い傘が使えないため、
自転車を降りた後も小さい傘しかさせず結構濡れたりしていました。

去年、そんな雨の日の帰宅時に自転車で転倒、骨折、という事故がおこってから家族に
自転車の使用自体を止められ、現在は長い傘をさして歩くようになったので少しは濡れ
なくなってきました。また、靴もゴアテックス使用の防水でなおかつ通気性のある靴を
見つけ、前とは比べ物にならないくらい快適になりました。技術の進歩って素晴らしい
ですね。でも一つ弱点があって、かなり滑るんです。特に下がマンホール、排水溝、
道路の金属の継ぎ目、等の場所では派手に滑ります。まあ本来アウトドア用で土や岩場
を想定しているのでしょうがないといえばしょうがないのでとにかくゆっくり歩くこと
を心掛けています。ここでまた転んだら何言われるかわからないですよね。とにかく雨
の日は何事にも慎重にするようにしています。いずれにしろ梅雨は苦手な季節なのですが、
最近は梅雨明けするとすぐ猛暑日連発で暑さに慣れてないとなかなかしんどいですよね。
以前お話しした通り寒い季節はからきし駄目なので1年のうちで快適に過ごせる季節が
本当に少なくなりました。でもなれないと辛い、というだけで猛暑日、酷暑日、そんなに
嫌いではないです。今年の夏は実は走る気満々だったりします。去年は骨折のため全く
走れませんでしたが今年はその分頑張るつもりでいます。その前になんとか梅雨を乗り
切りたいですね。もちろん転ばずに。

 

6月4日~6日、45rpm様の来春夏展示会が開催されました。今回も招待して頂き、お忙しい
かとは思いつつ全く遠慮せずにお伺いしてきましたのでそのレポートをお送りしたいと思い
ます。まず、今回のテーマが「桜」になっていて、桜に基づいたピンクの商品の陳列が目に
入ります。こちらの写真をご覧ください。

様々なピンクが一堂に会してなんかすごくいいですね。またピンクはブルー系、特にデニム、
インディゴと相性の良いカラーです。ピンク単体でも素敵ですがデニムと合わせるとなお映え
る気がします。特にそういうコーディネートで映えそうなのが毎年恒例の手書きプリントの
バンダナです。写真をご覧ください。

すべて素材、柄、染め方、等微妙に違います。デニムのジャケットからちょっと覗くだけで
かなり映えますよ。

ニットも桜、モチーフも桜です。3月、4月が楽しみになりそうですね。

桜杢、桜シャンブレー、いいですね。やはり明るい色は心が、そしてなんだか体も軽くなる
気分になります。そんな上に羽織るのはざっくりニットのジャケット。桜、デニムとコーディ
ネートすれば完璧ですね。

これだけのローゲージニットをざっくり編もうと思うとどうしても機械というよりは手編みの
世界に入ってきます。編み機も織機もそうですが手編み、手織りに近い遅くてテンションの
緩い機械で作るとそのふっくら度合いが全然違います。一時の効率化、大量生産を追求していた
時代から触感、気持ちよさにこだわる方向に少なくとも日本製の目指す方向は変わってきたよう
です。ただの廉価な大量生産では到底アジア諸国にかなうわけありませんよね。そしてここ、
45rpm様にはそんなスローな商品が勢ぞろいしています。そんなスローなものづくりを学ぶの
にはもってこいの場所です。現在就活中の方、エントリーを検討中の方、まず一度訪問の機会を
持たれることをお勧めします。展示会終了後には来期の全商品を見せていただくわけにはいきま
せんが、その雰囲気だけでも味わえると今後が全然違ってきますよ。デザイナー、パタンナーを
目指していらっしゃる方には特にお勧めします。

 

それでは次の画像に進みます。下の写真、ちょっと見は麻かな、という感じです。じっくり写真
をご覧ください。

実際の素材の混率は綿です。ギマ加工という加工で、私はもうすでに失われた技術かと思って
いましたが現在に十分残っていました。どんな加工かというと、これは字の示す通りの加工です。

本来は漢字で、【疑麻】、イミテーション麻の加工、という意味です。綿を樹脂でコーティングする
ことで麻のようなドライな風合いを出し、清涼感を味わうことのできる加工です。しかもその
コーティング加工にはこんにゃく芋を主成分とした原料を使い、環境にも配慮しているのが特徴です。
コーティングすることにより、独特の光沢感があり、また経年変化により独特の色味、風合いになり
ます。合成樹脂を使ったギマ加工もありますが、こんにゃく芋の加工に比べ、耐久性の点で劣る、
という難点があります。当然、こんにゃく芋の加工のほうが高いのですが、耐久性に優れ、しかも
環境を考えると、やはり特にこのブランドでは一択ですよね。日本ではかつてはリネン(亜麻)の
流通量が少なく、麻といえばラミー(苧麻、よく時代劇に出てくるパカパカのかみしもになっていた
素材です)がほとんどだったころにはかなりの量が流通していた素材でしたが、リネンが普通の素材
となり、最近では名前を聞くこともなくなっていた技術が耐久性とSDGsを両立させて復活している、
ってなんか結構うれしいような気がします。実際の風合いとしてはしっとり感もあってむしろ少し
ローシルクを思い起こさせるところがあります。いずれにしろ貴重な風合い、光沢だと思います。

次の写真はインディアンマドラスです。まずは写真をご覧ください。

マドラス、しかもパッチワーク、いいですね。このマドラスチェックは色、柄の意向を出してインドで
特注でつくっていただいている柄だそうです。なかなかベージュ、茶系のインディアンマドラスに出会う
ことって、ないですよね。

私も何度もインドでの生産の経験があるのですが、インドでの別注生産って、よっぽど量が多いか、
よっぽどきちっとした発注で、よっぽど信頼のある発注元であるか、そのどちらかでなければ決して
うまくいきません。そしてその2つの条件は実は日本の企業にとって得意な分野ではないことが多々
あります。国内外で、仕入れ先を下に見る、横柄な態度の企業って、実は本当に多かったりします。
そして結局欲しいものが欲しいときに欲しい品質でうまく手に入らなかったりします。それでも良い
時はまだ良いのですが悪い時には誰も助けてくれなかったりします。みなさんも今後、社会に出て
から、いかなる時でも取引は相手の立場は尊重し、きちっと公平な取引をいつでも心がけるように
してください。急な数量、内容変更、等の横紙破りみたいなことをしていると、その時はいいかも
しれませんが、長い目で見れば、結局得になることは何もないです。普通にマドラスチェックを見な
がら、この会社の仕入れ先に対する真摯な対応に心が向いてしまいました。いずれにしろデニムと
合わせてこれくらいぴったりな素材はありません。今後もどんどん続けていっていただきたいと思い
ます。

 

45rpm様の毎シーズン恒例の企画にバンダナがありますが、そのバンダナを:使用してボレロ、と
いうか、軽い羽織りものを作っていらっしゃいました。まずは写真をご覧ください。

何枚かの色、柄の違うバンダナを使用し、コンビネーションで1枚の服に仕上げています。まさに
1点物の感覚の商品ですが、これ以外にもデニムをはじめ、各種リメークに以前から取り組んで
いらっしゃいます。今後、他のメーカーからもこのような提案が増えてくるといいですね。

 

プリント、刺繍にしても、柄、ピッチの大きさの限界に挑戦、といった感じになってきました。
それが下の写真です。

よくあるTシャツ用の転写プリント、等ではこの大きさのプリントはできないので基本的にハンド染、
ということになると思うのですが、いずれにしろ柄を縮小すれば(四分の一ほどの大きさ、とか)
ものすごいコストダウンになるのですが、そうすると当然この迫力は出せなくなります。以前にも
引用しましたが、川久保玲さんのおっしゃる通り、「いいものは高い」、んですよ。そしていいもの
をいい、とわかる目をやしなっていきましょうね。

 

、と言ってるうちに思ったより今までの説明が長くなってしまい、なかなか全部の内容は照会でき
ないかもしれなくなってきました。その中で、これだけは見て欲しい、というものの中に「のれん」
があります。下の写真をご覧ください。

ものすごい迫力ですよね。元々はニューヨークのお店でディスプレイ用に、という意図のものだった
らしいのですが、かねてからの日本文化ブームの影響もあり、そのディスプレイが欲しい、という
お客様が結構いらっしゃるようで、それで商品化を決定したそうです。値段はこれだけの大きさとなる
と当然100万円超えになるのですがそれでもやはり欲しい人にはたまらないものなのでしょう。現地
では和風インテリアもかなり流行しているそうなのでそのようなインテリアにはぴったりのものなんだ
と思います。

 

そこまでいかなくとも服のイメージ、服の柄に合わせた焼き物まで今回展示されていました、イメージ
する世界がちゃんとある、ってやっぱりすごいことだと思います。

 

とにかく駆け足ですが、今回の展示会の一部を紹介させていただきました。一番混雑する展示会の初日
にお邪魔してしまい、バイヤー、各店の店長、等いろんなお客様がお集まりになっていて、各所で商談、
会議がさかんに行われていて、空いているテーブルなどどこにもなく、ゆっくりお話をお伺いすることは
できなかったのですが、その代わり、社内ツアーをしていただけました。当然どうしても部外者立ち入り
禁止の場所はあるのですが、それ以外の場所はほとんど見せていただいたので、今回逆に非常にラッキー
だったと思います。会議風景、パタンナー部屋で実際にミシンを使っているところ、資料室を含めかなり
のものづくりの秘密の一端を垣間見た気がします。さすがに機密情報に近いところもあり、写真撮影は
差し控えましたが、本当にここまで?というところまでご案内していただけました。各店長との会議は
本当に白熱しており、お伺いすると各店はこの展示会で商品を発注、その商品で店舗運営をする、との
ことでまさに自主経営に近いものがあるし、当然商品企画にも店舗からの要望、提案は色濃く反映され
る、ということです。たとえ本社勤めの企画職ではなくとも店舗にいながらいくらでも企画参画はできる、
ということですし、展示会で規格の背景、商品は材料、制作の段階での特徴から、取り扱い、着こなし、
特徴までの説明があり、全員が自社商品の、いうなればプロになる、ということに徹底していますので、
お客様も安心して店舗で説明を受けられるんだと思います。この、店舗にいながら企画参画、というのが
大なり小なりアパレル業界の特徴でとてもいいところだと思っています。45rpm様はそれが大なりのほう
で、基本的には「大なり」の会社をお勧めしますが、たとえ「小なり」の会社に就職したとしても、その
意思がしっかりしていればどんどん企画の仕事はできるようになります。自動車会社で、化粧品で、機械で、
鉄鋼で、他の業界ではそのようなことはまずありません。いつでもどこでも企画参画、このアパレル業界の
良さをみなさん就職して味わってください。そして面白い話を聞かせてください。みなさんの将来に期待
しています。

 

調子に乗って長い分になった割に45rpm様の展示会の魅力をすべてお伝え出来ませんでした。この場を借り
てお詫び申し上げます。

 

次回はまた、ちょっと違うジャンルの情報をお伝えしたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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~就活室便り~#35 PRIDE&JOY  TOKYO TEXTILE  SCOPE 訪問記2

~就活室便り~#35 PRIDE&JOY  TOKYO TEXTILE  SCOPE 訪問記2

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。当たり前ではありますが、
晴れると暑いですね。もうこの時期になってくると太陽の強さが全然違います。
冬の間は輻射熱、っていう言葉が心地よく、なんか暖かくて気持ちいいイメージ
がありますけど今は太陽光線というより、本当にビームですよね。結構陽光が
やけどするほど痛いです。晴れていればもう朝からお日さま燦々なので半袖以外
必要じゃなくなりました。同じ気温でも晴れの日と、曇りや雨の日と、体感気温
が全然違います。改めて太陽の偉大さを知る今日この頃です。

ただそれでも、電車の中の冷房は苦手で、だけど何か羽織ってると電車以外では
暑いしなあ、という話はこの前確かしましたよね。なんかSDGsがこれだけ叫ば
れる世の中で少しくらい冷房の温度上げてくれてもいいのになあ、と思う反面、
熱中症の件を言われると発言を差し控えざるを得ず、当面何かで対策していく
しかないですね。

 

いずれにしろ5月から真夏日どころか猛暑日のところもあらわれ、それが少なく
とも10月まで続くと思えば、アパレル業界だけではなくとも対策を考えねば
ならず、以前は定例行事だった6月と10月の衣替えの習慣も実際の気候との整合性
がなくなり、少なくとも一斉にそろっての衣替えの習慣はなくなりました。
少なくとも真夏日、猛暑日が半年にわたって観測される現在、かつては企画の
華だったコートの企画の重要性はどんどん薄れ、レイヤード等の単品セット
アップが企画の中心になり、商品単価が低下するためかなりの数量をこなさない
とアパレル企業は従来の売り上げの維持は難しくなってきます。つまり1マーク
当たりの商品の単価が下がり、奥行きも減り、その代わりマーク数が膨大に増え、
従来の企画生産ペースでは全く対応できず、そこにアウトソーシングの入り込む
余地が出てきた、というのが昨今の現状だと思います。いずれにしろかつての
アパレル企画は秋冬60~70%で、春夏は単価も安く、アイテムも限られるので、
特に盛夏物に関しては避けて通れるものなら避けて通りたい、と、言うのが本音
のところでしたが、現在では春夏企画は構成の7割を超え、避けては通れないどこ
ろか企画のメインになっている、と、言っていいと思います。そしてテキスタイル
の分野でも、冷感触感、吸汗速乾、UV, 汗染み防止、等の機能にあふれた素材で
あふれ、こちらでもまさに企画の花形となっています。そんな来春夏企画の生地を
展開する各テキスタイルメーカーのブースをレポートしていきたいと思います。

 

まず最初にお伺いしたのは山梨の企業ブースです。5社ほどの企業が合同して
出展されていて、素材、糸としては絹、カシミヤ中心の高級品です。写真をご覧
ください。

一番右のハンガーにかかっている青と白に見える生地ですが、これはニードル
パンチという素材で、飾り糸を記事表に乗せ、それを裏から剣山でたたき、
その糸が生地内に引っ張られ定着する、という手法で、白く見える部分は絹の
生糸です。織りも編みもしていない、糸に加工もしていない、いわゆる「真綿」
という状態で表面を飾っています。その風合いといったら、大トロ?フォアグラ?
何に例えたらいいのかよくわかりませんが、正直言って世界にこれほど気持ちの
いい風合いのものはないです。みなさまも一度触ってみる機会があればいいん
ですけど、皆さんのよく行かれる生地屋さんの店頭に並んだら10万円、という
ような金額だと思いますよ。こんな生地が触り放題なので本当に展示会って、
良いですよね。

先ほどの1社以外の各社の展示の写真をご覧ください。やはり使用原料はカシミヤ、
絹、麻、等が多く、見た目に高級品とわかります。

手織りに近い機械でこれだけの機屋さんが集まっているところなら一度学生を
連れて見学させて頂いてもいいかなあ、と思い、東京からの所要時間をお伺い
したところ、新宿からバスで1時間ちょっとらしいですね。工場見学候補の一つ
となっています。生地作りから興味を持つと最終製品も違ったものになってくる
んじゃないかと思いますし、少なくとも生地選びの目は変わってくるんじゃない
かと思います。織物工場見学、一度やってみたいな、と思います。

 

次にご紹介するのは東レのブース。東レさんといえばこの前身のジャパン
クリエーションの時代から皆勤賞で、なかなか資料が出てこないのですが、初回の
展示会はまだ20世紀だったと思います。それから20年以上、技術的に合繊界の
トップを守り続け、そして今でも毎シーズン新素材、新加工にチャレンジし続け
ている、というのは並みの努力ではできるものではありません。当然その継続力が
もたらす商品の完成度は高いです。写真をご覧ください。

今回はデザイナーとコラボレーションしていることもあり、特に完成度が高いです。
表革調、スエード調、シルクライク、天然ライク、と、各素材の特徴を忠実に再現
しつつ、イージーケア、吸湿性、ドレープ、リサイクル、等、様々な付加価値を
加えた素材群はもう見事としかいうほかありません。ブルーのワンピースはシルク
ライクな合繊なのですが、光沢、落ち、風合い、発色性がシルクに近いだけでなく、
衣擦れの音まで再現しているのです。なんか大会社がそこまでマニアックな開発して
いいものか、という気はちょっとだけしますが、20数年たった今も東レブースは
目の保養ブースであり続けてくれています。その間超大手紡績メーカーでも繊維部門
から手を引いたり、テクスタイル部門を売りに出したりしていますから、やはり現状
維持って挑戦し続けなければできないということを思い知らされます。目の保養と
自分への戒めを頂けるブースが20年以上ある、ということ自体が素晴らしいことで
今後もずっと見続けていたいですね。

 

テキスタイルコンバーターではやはりサンウェルさんが好調のようです。自社でテキ
スタイルを企画し、自社で在庫リスクを背負い備蓄しフォローしていく、それがテキ
スタイルコンバーターとしての当然の勤め、といえばそれまでなのですが、バブル
以降の不況と産業構造の変化はそんな当たり前の役割を許してくれませんでした。
サンプル生地、サンプル作成は日本で行うが本生産とその時に使用する生地はすべて
海外で、という時代になれば当然在庫なんて持ちようがありません。こうして素材、
縫製業両方が瀕死の状態になっていく中で、あえて時代に挑戦するように自社リスク
で在庫を持ち続け、他社の衰退を尻目に成長し続け、現在ではテキスタイルコンバーター
の中ではベスト何位かに入るほどになりました。そんなサンウェルさん、今回も
大きめのブースでご出展です。トレンド素材を集めた写真からご覧ください。

光沢、シャンブレー、透明感、というキーワードに沿って開発された商品群が並びます。
奥のほうには先染め素材がずらりと並んでいるのが見えるでしょうか。シャンブレー、
先染め、等糸から染めて備蓄せざるを得ずかなりリスクを伴うものですがこちらでは
当たり前のように並べてあります。昔、超大手スーパーの婦人服バイヤーと商談して
いた時に、「リスクないところに利益なし。リスクを伴ってこそ初めて利益の花が咲く。」、
とおっしゃっていたのを思い出します。でもそれも言うは易しなんですよね。なんだ
かんだ言ってやはり実行には相当の困難が伴います。いずれにしろ企画の精度はしっかり
上げて良いもの、売れるものはしっかりリスクししっかり販売する、と、これが会社の
基本ではあるのですが、その基本にこだわりしっかり実行するというのは兎にも角にも
大変なことです。それができない会社は生き残れなかったし、生き残った会社はそれを
続けていくしかない、ということだと思います。大変ですけど、でも本当の仕事の面白さ
って、そこだったりするんですよね。というわけで、写真をもう一枚ご覧ください。

きれいな夏色のついた麻および麻複合素材のコーナーです。見た目にも着ていても涼しい
だけでなく、イージーケア、吸汗速乾、等機能的にも優れた素材が集まっています。麻混
素材はこの気候変動に合わせて着るシーズンも増えそうですよね。

 

次にお伺いしたのは大手繊維商社のモリリン様です。今回は糸のプロモーションという
ことですぐに受注に結び付くとか、そういう話ではありませんが、特に現在もう日本で
しか生産されていないトリアセテートおよびキュプラを中心に様々な生地を陳列して
いらっしゃいました。写真をご覧ください。まずルミナスという糸を使ったコーナーです。

この素材はポリエステルの芯にキュプラを巻いたもの、とイメージしていただければ、
と思います。高級裏地で有名なキュプラは肌触りがよく、やわらかく、吸湿性に優れている、
という良い点はたくさんありながら、しわになりやすい、ケアが大変、などといった
欠点も持っています。それをポリエステルを芯にすることで解決し、表面にはキュプラの
良さだけが出て、それにイージーケアが加わった、とイメージされるのが一番かと思います。
写真のTシャツもキュプラらしい光沢もたっぷりあって、実際触ってみてもまさに高見え
する素材ですね。もっともキュプラの弱点の一つは「値段」、だと思うのでそちらの方も
頑張って頂ければいいな、と思います。それでは次の写真をご覧ください。

こちらはTST、という素材で、トリアセテートとリヨセルの複合素材です。両方とも
木材を原料とした素材で、吸湿性と速乾性、ふくらみ、柔らかさとドレープ性、等こちら
も2つの素材のいいとこどりのような形で、快適に涼しく夏を過ごせるような様々な機能を
持たせてあります。その他、麻でも涼しさにこだわるためラミーを使用しそれをポリエステル
と組み合わせたもの、トリアセとレーヨン、トリアセと綿、トリアセとポリエステルとを
組み合わせ、様々な機能のいいとこどりをした素材を展開していらっしゃいました。それを
織物、編物両方で無地から柄物、地組織変化、等いろんな形で紹介していましたので、今後
の展開を期待したいです。以下に画像貼ります。

暑い夏を少しでも快適に過ごせるよう、そのための新素材にはこれからも注目していきたいですね。

 

最後に、柴屋さんのブースを紹介したいと思います。こちらは特に人気で元気があり、活発な
お客様との商談が行われていたブースです。まずは写真から。

素材は綿、麻をはじめとする天然素材中心、こちらも100%自社リスクで在庫を積み、フォロー
していくスタイルです。素材もわざとやや猥雑に並べ、活気のある営業全員でお客様をお迎え
しています。現在では立場上生地を発注する可能性もほぼなく、出展者から見れば単なる邪魔で
しかない私のような立場の人間にも親切丁寧にご解説頂き感謝することしきりです。(実は来場者の
つけるネームバッジがバイヤー、プレス、学校関係、等で色がわかれていて出展者にはすぐわかる
ようになっているんでした。)この展示会で接客要員のほとんどは実は新入社員とのことで、
入社から約1か月でこんなにセールストークが話せるようになるんだ、というのが一番の驚きで、
それはこの展示会の目的が半分新入社員研修を兼ねているから(、と想像するだけで直接そう
聞いたわけではないのですが)、ということもあると思いますが、私を対応してくれた方も新入社員
ということでしたが、とにかく立派に商談なさっていましたよ。こんな感じで新素材だけでなく、
次代を担う新人達を見るのは結構気持ちいいものです。各社にとって、新素材開発は会社としての
大命題で、最も重要なことの1つですが、新人を育て上げることも、これは今一社だけの問題のみ
ならず業界全体で考えていかなくてはならない問題でもあります。素材と人がいつまでも元気で
フレッシュだったら大抵のことは何とかなりますって。素材開発力と人材育成、登用に優れた会社
がこの業界のリーダーになっていくのは必然だと思います。ベテランの熟練の技を若手に引継ぎ、
業界全体がどんどん発展して行くといいですね。

 

以上、名前も変えリニューアルオープンしたTOKYO TEXTILE SCOPE のレポートをお送り
しました。コンセプト、新素材の量、質共に世界有数の規模の素材総合展といっていいと思い
ます。あとは展示会のせいというよりは日本の商習慣のせいではあるのですが、これがより
実需という点で実際の商売に結びついて行けば文句なしだと思います。現在日本の展示会で、
たとえいい商品を見たからと言ってその場で注文する人はほぼゼロだと言っていいと思います。
今回一部のブースでその場で発注しているバイヤーがいらっしゃいましたが、それは必ず海外の
バイヤーです。日本のバイヤーは生地スワッチだけを依頼し、その後長い長い社内検討会を経て
サンプル着分を収め、展示会を開いてその後さらに社内での検討を重ね、この展示会でピック
アップした素材の発注と言ったら早くても半年後、といった感じになると思います。日本の
アパレル、バイヤーは海外に行っても同じペースで商談しているので適時に適切価格で商品を
仕入れるのが難しい、と思うことが多々あります。適時、ということもそうですけど海外では
発注もしないものの値段交渉なんて存在しません。値段を提示して発注が出ない、ということは
即交渉決裂、ということですし、仕入れするために果てしない社内の根回し、プレゼンが続く、
ということも海外ではなく、そもそもバイヤーの仕事はバイイングなのでその場で発注できない
バイヤーが展示会を訪問することはないからです。いずれにしろこれはファッション業界の問題
だけではないと思うのですが、いつかは権限のあるバイヤーが適時、適切価格のバイイングを
していかないと、特に海外メーカーと直接競い合う環境となった現在の市場で対抗していくのは
だんだん難しくなって来るんじゃないかと思います。

 

と何となく苦言を呈する形でこのレポートを締めくくることになってしまいましたが、技術力も
人材にも明るいところがいっぱいあるわけで、元気な会社、老練な技術、若い人材が引っ張って
行けばまだまだ発展していける業界だと思います。今回の展示会、アピールは十分にできている
と思います。その技術を活かしてより意匠に凝るとか、より産地と結びついた情報発信をして行
けば、もっともっと素晴らしい展示会になっていくんじゃないか、という感想を持ちました。
気候変動の今に対応して素材開発もどんどん変わって行きます。

またその変革、改革の途上にある次回の展示会にも期待したいと思います。

 

ではまた。

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作,MD,パタンナー、EC担当、アパレル販売職の就職はtfac

 

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HANAZONO

 

~就活室便り~#34 Living Colour  JAPAN  TEXTILE  SCOPE 訪問記

~就活室便り~#34 Living Colour  JAPAN  TEXTILE  SCOPE 訪問記

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。なんかもう寒は戻らないようで、
半袖の日々がやってきそうですね。この季節になるといつでも羽織るものに悩みま
す。朝晩と雨の日くらいは何か羽織ろうかと思うのですが、なかなかちょうどいい
ものがないですね。加えて私は特にこの季節の電車の冷房が苦手で、まあ真夏でも
そうなのですが、元々弱冷房車が結構ストライクだったりします。これから、特に
梅雨時の電車の冷房が結構辛いものがあります。コンパクトに畳める、いい羽織り
物があるといいですね。

 

いずれにしろ平均気温は下がる兆候を見せないので、ファッションの主流も防寒
からあいのもの中心になってくると思いますが、先日新聞で、「暑秋」という言葉を
見つけました。最近本当に9月10月は暑いですから従来の「初秋」、という言葉は
なくなってしまうのかもしれません。昔をいくら懐かしんでも変動した気候をそう
簡単に元に戻す方法はないわけですから変化に対応して変わっていくしかないです
よね。

 

そんな中、以前のJAPAN CREATIONからJAPAN TEXTILE SCOPEへと生まれ
変わったイベントが都立産業貿易センター浜松町館にて開催されました。今回は
そのレポートをおおくりしたいと思います。

 

前回までは東京国際フォーラムの地下フロアを使用して横に広い展示でしたが、
今回は産業貿易センターの2階から5階までの4フロアをアイテム別に使用していて、
そもそもの雰囲気がだいぶ違います。見やすさは今回の方が見やすいかも知れま
せんが、前回までのような展示会独特の猥雑さ、というか、そんな雰囲気は少し
薄れたような気がします。横に広くて、遠目にも「あの混んでるブースは何だろう」、
とか思いながら混んでるブースはさらに込み合うとか、そんな感じが合同展の良さ
だったりすると思うのですが、今回は1フロアがそんなに広くはないので全体的な
盛り上がりとしてはどうかな、と思いました。

 

それでも満員のブースも数多くみられ、海外からのお客様中心に、実際の生地
オーダーもかなり出ているようでした。まずはコンセプトブースへお邪魔して
26年春夏のトレンドを確認し、それに沿って開発された生地を見ることから始め
ました。

 

トレンドコーナーの真ん中に人気投票コーナーがあり、各社が競って新規開発
商品をエントリーしています。一人3枚シールをもらい、その中でベスト3と思わ
れるものにシールを貼っていきます。その中で、まだ途中の段階ですが1番人気と
思われるものは次の写真の東レさんの作品でした。写真をご覧ください。

東レのベストセラー生地、「ウルトラスエード」にプリントを施し、その上に
麻の生地を張り合わせ、ランダムにオパール加工を施すことにより、一部張り
合わせた麻の記事が抜け、独特の雰囲気を醸し出しています。まさにショー限定
のスペシャル加工生地、という感じで、当然参考プライスも出ていません。
実際に販売されるとは当然思えないショースペシャルなのですが、近来はそんな
ショースペシャルさえも作る余裕がなかった生地業界が、少しは明るい兆しが
見えてきたのかな、と、そんな感想を持ちます。私も1票入れてきました。量産
には至らない(多分本生産したら値段がとんでもないものになってるとおもい
ます)ものが提案の形だけでもどんどん出てくるようになれば、世の中少し
明るくなりますって。夢の技術、夢の生地、いいじゃないですか。

 

その次に人気があったのは浅記商事さんのチェック生地でした。こちらは参考
プライスも出ていて、まさしく現業用、というか、今すぐジャケット用の生地と
して販売していてもおかしくない生地です。それでも下の写真のように数多く
シールが貼られているのはこの立体感と風合いがなかなか出せないものだから
です。各コーナーでそんな日本の技術を誇る生地は特に外国人バイヤーに大人気
だったようです。改めて写真をご覧ください。左手のチェックの生地です。

即現物用、といってもこの生地でジャケットを作ったら多分4~5万、用尺の
かからないデザイン、等の理由でたとえ安くなっても3万を切ることはないと
思いますのでやはり高級品であることは間違いありません。日本の高級生地は
海外で大人気で、各産地共、大口取引先は殆ど海外アパレルです。日本のアパ
レルにもこれから何とか頑張って行って欲しいです。

 

中央ブースには素材テーマ、キーカラー別に4つのコンセプトとそれに基づいて
開発された素材が並んでいます。

 

第一のコンセプトは《風の音 水の音》。ナチュラルテイスト、透明感、濃い
カラーとデリケートカラーで構成されています。

次のコンセプトは《デート》。ソフトなファンタジーカラーがカラーテーマと
なっていますが、従来のパステルとは違いもっとこっくりとした深みのある
暖色系が中心となっています。もしくはスイーツ・カラーといったほうがしっ
くりくるかもしれません。

3つ目は《陰陽》。従来のサマーダークとは違う、よりクールでクリアーな
カラーが多く晩夏初秋企画がようやくダークと決別した、ということでしょうか。

 

最後は《オタクカルチャー》。デジタルでスマートなビビットカラー、という
説明ですが、ビビットというよりはベジタブル、フルーツカラーと表現した方が
ぴったり当てはまるような親しみやすい元気カラーで展開されています。それだ
けオタクカルチャー自体がかなり普通なことになってきた証拠の1つであるという
ことでしょうか。

この4つのコンセプトのブースは毎回かなり広いスペースを使用し、生地もふん
だんに展示し、この展示会の魅力の一つとなっています。この陳列の生地を1点1点
全種類触って廻ります。どんな画像を見てどんな解説を聞いても結局生地は触って
見なくては判断ができません。これはいつまでたってもどこまでいってもまったく
変わることのない真実です。

将来のデザイナー、パタンナー、MD候補のみなさん、さあ一歩でも外へ出て1つ
でも多く生地を触りましょう。それで得することはあっても損することはないし、
どんな企画も社内でできるのではなく、お客様、仕入れ先、等の方たちとの接点
から生まれるのですから。

もう展示会コンセプトの1つとして外すことができないのがSDGsというテーマです。
今回は三越伊勢丹が服飾系専門学校3校とコラボレーションし、デニム素材を使って
アップサイクル、〔kawaii〕、という企画テーマに基づき作品を作成し、その完成品
は新宿伊勢丹のウインドーにディスプレイされ、併せてコンペティションも行われ
ました。その規格の作品数点が今回の展示会でも陳列されており、その最優秀作品
『未来アワード』受賞作が以下の作品です。

かなり細かくカットされているので元々何だったかわかりにくいですが、原料は
あえていうなら「リーバイス501」、ということになります。それを一人7~8枚の501
から取ったパーツで作品を仕上げているそうです。手前が大賞受賞作ですが、ほかの
作品の写真もご覧ください。

みなさんあるいはランダムに、あるいはひも状にして織り込むように、あるいは
フリンジのようにカットして大胆に作品をしあげています。デニムはカットすると
緯糸の白が目立って表面に出てくるようになり、しかも元のデニム生地の色落ち
度合いが1点1点違うわけですから、一つの作品の中に緻密な計算と偶然が入り
混じった作品になっています。ちなみに元の材料段階と言っていい501の生地も
陳列してありました。下の写真をご覧ください。

 

実際に作り始める前にこのカット残の生地(製品)を選ぶところからこの
コンペティションは始まるらしいですから、まさにその段階から白熱するわけ
ですが、このカットされた501を見て、完成品をすぐ思い浮かべられる人って、
殆どいないような気がしますよね。偶然と計算、その両方が入り混じった企画、
なんかとっても面白いと思います。今回のコンペティションの開催は今年の4月
で、9日から22日まで各作品が交代で伊勢丹新宿本店のウインドーに飾られた
とのこと。次回の開催は2027年ということで、その説明会は1年半後、とのこと
でした。次回の第3回アワードにはぜひ本校にもお声がけをお願いしたのですが、
1年半後に1人でも挑戦しようという学生がいてくれればいいな、と思いながら
このブースを後にしました。今の1年生で3年専攻科進学希望者にはチャンスが
あると思うので、何とか頑張ってほしいものです。

 

、というわけでこれから各ブース紹介に入る、というところですが、だいぶ紙面
を使ってしまいました。今回ご紹介した人気投票、コンセプトブース、未来アワード
ブースが1フロアの中で展開されており、それ以外の商談ベースは別階で、という
非常にわかりやすくシンプルな構成になっているのが今回の展示会の特徴でした。
ただそれが少しわかりやすすぎ、きれいすぎかな、と、思うのが今回の正直な印象
でした。忙しい方だとひょっとしたらこの階を素通りするんじゃないかな、という
のがちょっと懸念されるような静かな階で、他の商談を伴うフロアは人々の話し声
がかなり響き、むしろ喧騒と言ったほうが良いような具合でした。私はそんな喧騒に
慣れているので、なんか展示会って、そんな雰囲気のものって勝手に思ってしまって
いるところがありますね。いずれにしろ次回、次々回と、この会場が続くようなので
効果的なフロアレイアウトを考えて頂ければと思います。

 

一時期よりはテキスタイル産地の状況は改善してきたように見えますが、テキスタイル
コンバーターが縮小した今、産地としていかに拡販のための営業体制をとれるか、また
アパレル各社がいかに安定して国内産地からの仕入れができるのか、その解答はまだ
出ていません。産地もアパレルメーカーも、その先のリテール各社も変わるところは
変わっていかないと生地にしろ縫製にしろ国内産地はもうもたない、この先長くはない、
というのは明らかなのですが、産地の持っている技術はそのまま消えてしまうのは惜し
い、というより一種国の宝だと思って保護していくべきものではないか、という気持ち
がひしひしと湧いてきます。そしてその良さを見出し、実需につなげているのがほとん
ど全て海外アパレル、というのも

これは産地の廃退というよりは日本のアパレルの廃退、ということを表しているのでは
ないでしょうか。今後の各社の動きを注目しつつ、業界全体がいい方向に向かって進ん
でいくのは一筋縄ではいかない気がします。数社のアパレルがリーダーとして新しい
方向に引っ張って行ってくれるのが一番の近道じゃないか、という気がしますが、そん
な強力なリーダーはそう簡単には現れてくれそうになさそうですね、

 

それでもこれだけ素晴らしい企画を素晴らしい技術で表現できる展示会が世界中に
いくつもあるわけじゃありません。どんどん今後に期待していきましょう。そして
そんな内容の展示会、企業の情報を今後もどんどん紹介していきたいと思います。

 

各企業ブースについては、次回レポートで紹介していきたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

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~就活室便り~#33 Live and Let Dye 内田染工場様訪問記

~就活室便り~♯33 Live and Let Dye 内田染工場様訪問記

 

みなさんこんにちは、就活室のHANAZONOです。日中はだいぶ暑い日が増えてきて、
やっと体調も上り調子ではありますが、普段なら4月末には収まるはずの花粉症が収ま
りません。何の花粉かあるいは黄砂か正体が何かは知りませんがとにかく何かが舞って
います。幸か不幸か花粉用の薬が以前某サイトのセールで激安だった時に買いだめして
あったのでその点は助かっているのですが、今年になって1月からずっとこの調子なので
とにかく長いですね。これからは日焼け対策をしっかりしてマスクの跡がつかないよう
に気を付けたいと思います。気付かないうちに顔が2色になってたら、ちょっと、ですよね。

 

いずれにしろ気候が非常に良くなったことは事実で、これくらいの気温で、湿度も低く、
半袖に何か羽織るものが1枚あれば過ごせる、というこの季節は一番気持ちのいい季節だ
と思います。季語としても使う薫風の候ってまさしくこの季節、という感じがして、語感
としても風薫る季節、っていいですよね。なんだか意味もなく街を歩いてみたい気になり
ます。

 

だから、というわけではありませんが、今回、学校から一番近い距離にある染工場、
内田染工場様に学生と一緒にお邪魔し、講義と見学をさせていただきました。今回はその
レポートをおおくりしたいと思います。

 

内田染工場様は小石川植物園のすぐ近く、文京区白山の地に会社を構え、今年で創業110年
という歴史を持つ、老舗の染工場です。「東京」、「染工場」で検索すると確認できる企業数は
10数件、そのうちの和装用の小ロッド染、見学用施設を除けば工業用染色を行っている企業は
ほとんどないと言ってよく、そんな環境の中で116年の歴史をほこり、現在なお順調に事業を
続け、海外展示会にもご出展され広く海外にもその販路を拡大させ続けているご努力には頭の
下がる思いがします。もともとは呉服用の糸染めからはじめ、昭和初期から靴下の染を始め、
現在は製品染めを中心として様々な特殊加工、染色をされています。時代時代に合わせてその
取り扱い製品、加工方法を変え、新しい技術、手法を絶え間なく導入し続けて来られたから
こそ現在があるのだと思いますが、その一端でも学生たちに実際に見て、感じてもらえればと
思い今回の見学を企画しました。

 

お伺いして、まずはショールームで会社、製品、技術の解説をしていただき。その後、工場の
現場を見学させて頂きました。まずはショールームでの学生たちの様子をご覧ください。

プロジェクターを見ながら内田社長からの説明をお伺いします。ビデオ説明が約15分、その後
PowerPoint資料による説明が約1時間、お話をお伺いしていくうちに、ここで手がけた製品が
アンダーカバー、コムデギャルソンをはじめとして様々な有名ブランド、道の名前の付いた
メンバーの多いアイドルグループや来年の解散を表明した国民的アイドルグループ等の衣装に
使用され、パリコレやコンサートのステージを飾っているところを解説していただき、皆興味
津々に説明に聞き入っていました。

普通の無地染めでも、パリコレ出展ブランドが染色を生地メーカーに発注してもその微妙配色
を表現できず、結果内田さんに白生地持ち込み、超短期納期で何とか助けて欲しい、という
駆け込み寺のような注文が結構多いそうで、行きも帰りもバイク便、というのは日常茶飯事と
まではいかなくとも結構普通のようです。デザイナーからの指示の色はその布で染めたものから
依頼が来る、ということはまずなく、他の混率、違う織組織の素材から出てくるのは当たり前、

それどころかパントーンをはじめとする紙、等での指示の場合が非常に多く、織組織、混率に
より発色の違う生地にその色を合わせるのはなかなか大変な作業で、染料調合士の腕の見せ所
でもあるのですが、一番難しいのはデザイナーがこの素材でこの色味をつけたらこう見える、
という頭の中のイメージに合わせる作業です。内田染工場様では指図色をコンピューターで
読み取り自動で染料を調合するシステムを導入されていて、その再現度は非常に高いようです。
ご説明の際にそれプラス微修正、とおっしゃっていましたが、その微修正が一番大切な技術
なんだと思います。特に中間色とかはちょっと配色が違うとデザイナーさんからかなり嫌われ
る色になりがちです。その点、いろんなブランドのデザイナーの方々と感性を合わせておく
のも重要な作業で、毎日のようにいい色、いい感性の製品に触れ、それと自分の配色感性との
すり合わせができていないとなかなかデザイナーさんに納得して頂ける色に仕上げるのは難し
いものがあります。配色指示と生地が同時に着いてそれを1日2日ですぐ染めて出荷、それで
何回もリピートオーダーするお客様が多い、ということはその技術、ノウハウ、感性の今まで
の積み上げがすごいものがある、ということだと思います。私も今まで様々な商品の色出しを
してきましたが、これ、本当に大変なんですよ。私はもうその色出し、配色作業はこれから
やる予定はありませんが、デザイナー、MDを目指す方はこれからどんどん苦しんで、いや
楽しんでください。

 

下の写真はそんな染サンプルがずらっと並んでいるところです。

 

ちょっと見にくいですが、グラデーション、絞り染め、板締染、等の製品サンプルがずらり
と並んでいます。こんな製品を染めている現場を見学させて頂きました。

内田社長の解説を聞きながら各種染色機械に見入っているところです。百聞は一見に如かず
で、実際に見るのと聞くのは大違いで、まさにこの見学がいい体験になったと思います。

 

染色機は染方法、数量によって様々な機械、大きさがあります。地方の生地専門染色工場に
行くと、超大型の機会がずらりと並んでいますが、ここでは小ロッド対応が可能になる
比較的小さめな染色機が中心となります。下の写真をご覧ください。

下の写真はちょうど赤系の製品を染めているところです。高温で染め、その後蒸すことで
染料を定着させます。

熱された染料の匂いって、特別なものがあります。昔は丸3日染工場巡り、というような
こともざらだったので、何とも懐かしい匂いです。いずれにしても環境問題、近隣住宅への
配慮、等からだとは思いますが、匂い自体は昔よりだいぶ控えめです。排水に関しても水質
だけでなく、温度管理も徹底して行い、40度以下に温度を下げてから排水しているそうです。
また、冷却時にその熱エネルギーを再利用し、次回の染色時に再利用しているそうです。

 

 

下の写真は板締染で染め上がった製品を蒸し、乾燥しているところです。板締染というのは
製品を折り曲げ、上下から板で挟んで万力で締め上げ、そのまま染色すると、板で締め上げ
た部分は染まらず、他の部分は染め上がり、柄になる、という手法です。一番手前に茶の
四角い柄のシャツが干されています。そのシャツの下に丸い形の木が3枚ほど積みあがって
いるのが見えます。これが丸柄の板木になります。ただ板を挟んで染色機に放り込むのでは
なく、その板で挟んだ際を注意しながら手染めし、柄の際の滲み具合を調整しているとの
こと。同じように染めても一点一点微妙に違う、世界で1枚の商品になります。

 

ちょっと見にくいかもしれませんが水槽の中に入っていて振動を与えられているのは
ビーカーです。この中に染料と小さい生地が入っています。新色に関してはいきなり染色機
で染めるのではなく、必ずその縮小版のビーカー染をして色確認後に進行します。この段階で
色確認、微修正をし、本番での色ブレがないよう確認しながら進行します。

各種染料が整然と並んでいます。染料の入った瓶の上に管が伸びているのが見えると思います。
一度データが取れているものはこの各種の染料を使って自動調合が可能です。新色に関しても
コンピューターに読み取りさせ、そこから自動調合は可能ですが、前の写真のようなビーカー
確認と微修正は必須となります。

こんな感じで工場見学させて頂きました。たとえどんなにコンピューターを導入、機械化して
いっても結局熱と水の世界であることに変わりはありません。フロアが濡れているのも各写真
で分かる通りです。いらっしゃった職人の方々も当然長靴、前掛けは必須でしたし、ただ
事務所でスーツを着てこなせる仕事でもありません。当然夏の暑さは推して知るべしです。
それでもお話をお伺いすると、社員の平均年齢は約40歳と若く、美大出身者、服飾系の学校
出身者が多いようです。中には学生時代にやはり工場見学をさせて頂き、数年後にその時の印象が
忘れられず入社、という方もいらっしゃるようです。群馬県桐生市の桐生織物協同組合にお邪魔
した時にも、結構若い方の就職希望が多く、中には1部上場企業の商社から転職された方もいる
そうです。理由は本物を作りたいから、だそうです。それだけものづくりにこだわる方、伝統技術
を継承し、未来につなげていきたい方、自分の価値観を表現していきたい方が、増えているか
どうかはわかりませんが大勢いる、ということだと思います。

染色も織りも芸術作品ではなくあくまでも工業製品で商業ベースに乗ることを目指しています。
それゆえ自分の独りよがりの価値観ではなく、社会にも、時代にも左右され、そんな時代の、
社会の声を聴く、ということが必須となります。社会に、時代に、自分の価値観が認められた
ことの証明がヒット商品の証しということだと思いますので、仕事上の成功が直接人生の成功感
につながります。本当に自分のつくった商品が人に認められ世に認められ、街でその商品を着て
いる人に会う、というのは本当に忘れられないもので、それがこのファッション業界の最大の
魅力で、それゆえこの業界に一度入るとなかなか抜け出せない理由でもあります。かくいう私も
そうしてこの業界にとどまり続けています。今でも自分が企画したコートなりジャケットなりを
着ている方を街で見かけることがあり、うれしかったり、当時の苦労を思い出したり、いろいろな
感情が沸き上がります。自動車メーカーで車1台一人きりで企画してしまったり、薬品、建設、等々
どんな業界を考えても自分ひとりで企画する、なんてことはあまりないですよね。そんなものづくり
の魅力の一端でも、学生たちが今回の見学で感じてもらったらいいな、と思います。今すぐじゃ
なくても、5年後でも10年後でも伝統技術を継承しながら新しいものづくりに活かしていく、
そんな人が一人でも二人でも出てきてくれたらな、と思います。アパレル業界のものづくりは
毎年春、夏、秋、冬、と最低でも4つのシーズンを考えていかねばならないのでこんな大変な
稼業はなかなかほかにないです。私も前に企画をやっていたときは朝から晩まで色柄のことを
考えていたことがありましたが、辛いことは辛かったですがやっぱり楽しかったですよ。そんな
楽しい職業を今後もどんどん紹介していけたらと思います。

 

今回は内田染工場の内田社長をはじめ、全社員の方には大変お世話になりました。この場を
お借りしてお礼を述べさせて頂きます。また、学生たちにそんなものづくりの場を見学させて
頂ける企業様を募集しています。ご連絡をお待ちしております。

 

次回はまた新たな展示会レポートを予定しています。また新たな出会いがあればいいな、と思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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就活室便り~#32 Parallel Lines ファッションワールド東京訪問記2

就活室便り~#32 Parallel Lines ファッションワールド東京訪問記2

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。春もたけなわ、いい季節になりましたね。
昼はむしろ暑いくらいですが、それでもまだ湿度が低いのでさらっとした暑さで助かってい
ます。なんにせよ昼シャツ1枚で過ごせる気候が一番いいですね。1か月前にはダウンを着てて
も震えていた日があったのがうそのようです。こうなるとどんどん外にも出たくなるし、最近
なんとなくさぼりがちだったランもまた頑張りたいと思います。それと昨年夏の骨折以来ずっと
放ったらかしにしている自転車をメンテしてまた少し走ろうと思ってます。とは言いつつ冬の
間に寒くてかわいそうなので外猫用に2軒猫ハウスを置いてしまって家の外にスペースがほとん
どなくなってしまい、作業スペースがあるかどうか心配ですが。まあ少しずつ、いろんな準備を
していきたいと思います。

 

さて、今回は、ファッションワールド東京の訪問記第2弾をお届けしたいと思います。まず最初は
播さん、兵庫のテキスタイルメーカーです。兵庫県西脇市付近は昔から播州織と呼ばれる綿織物
の産地で、とにかくしなやかな風合いには定評があります。織から染色までほぼ一貫で仕上げて
いられるので各工程管理もしっかりされています。そしてそんなしなやかな風合いの生地を製品
にするための縫製工場も立ち上げられた、とのことで、まさに糸から縫製まで一貫で依頼ができ
る工場、ということになります。今まで糸から製品まで、というように事業を拡げれば拡げるほど
どの事業もうまくいく、ということは難しいのですが、生地では現在ストールの直販もはじめ、
工場は工場で他社の生地でも加工依頼を受け、その縫製技術が評価されているようです。ごめん
なさい、遅れましたが写真でしたよね。

ストールの繊細な織とオンブレーの特殊染は写真でもおわかりいただけると思います。その下の
ワンピースもピンタック組織になっていて、それなのに非常にソフトな生地を使用しています。
普通横畝組織にすると生地が固くなり、ジャケット、等の固いデザインしかできないんですけど
ソフトなワンピースに仕上げるためには糸、織、後加工すべてにこだわっている証拠ですね。
では写真をもう一枚。

こちらは藍染めの製品が並びます。左下にグリーンのマークが見えると思いますが、これはエコ
テックス認証と言って、現在世界中で最も厳しい生地、製品試験といってよく、体と地球に対す
る有害物を最大限取り除いた、という認証で、いずれの国、地域の法律による規制よりも厳しい
基準になっています。

 

別に苦言を呈するわけではないのですが、かつてはテキスタイルコンバーター、素材メーカー
がアパレルMD,デザイナーに生地を提案、それをMD,デザイナーが各企画、絵型に落とし込み
まずサンプル作成、修正、検討後本生産に入る、というのが基本でした。テキスタイルの企画
は製品を想定して行い、アパレルMD,デザイナーは生地を見ながら最適なデザイン、企画を常
に考え、どの商談も創造的な意見の交換でした。

それがいつごろからか生地を提案してもすぐにデザインに結びつかないアパレルが増え、生地
を売ろうと思ったらまず製品を作って製品提案が先、というようになってしまいました。しま
いにはそのまま製品で受注してしまうようになり、現在の状況は何となく本末転倒というか、
かつての状況を知る人にとってはちょっと寂しいというか、なんというか、という状況になって
います。この播さんも多分そういうところから、生地提案のために縫製を始めたんだと思います。
ところがそういう状況はえてして逆になりがちで現在工場の受注は絶好調らしく、私がお邪魔
している最中も工場の問い合わせはひっきりなしでした。そして、播さんの高級な生地ではなく、
例えば海外から輸入した安い生地を使って縫製だけお願いしたい、という話がほとんどのようです。
たとえどんなに形は変わろうとも企業としては存続が一番ですが、播州織の伝統も今後ずっと存続
してほしいと願ってやみません。細番のしなやかな綿って、本当にいいものですよ。みなさんも
機会があったらぜひ見て、触って、その良さを感じてください。そしてその生地で自分の作るものを
イメージしてください。それが将来のMD,デザイナーへの道を開く一歩に必ずなると思います。
それを2歩、3歩と進めていけば必ずなりたいものになれますよ。とにかく1歩ずつ進んでいきましょう。

 

次に、次代のアパレルに必要になってくるシステム開発をされている会社を2社紹介したいと思います。
まず最初に紹介するのはAYATORIさん。まずブースの写真をご覧ください。

 

なんかいつかはできるような気がしていましたが、多岐にわたるMD業務を一貫で行えるデジタル
ツールを開発、運営している会社です。MDは商品の絵型、色を添付したマップを作成し、そこに納期、
発注数量、原材料手配状況、生産進行状況、等細かい情報をシンクロさせていかねばならず、それを
各仕入先ごとに管理し、さらに製品完成後は売上、在庫管理、マークダウン、等の作業を含む利益管理
まで入れると作業は結構膨大なものになります。

このAYATORIというシステムを使用するとこの全ての作業が一元で管理でき、しかも各仕入先、工場と
情報をシェアでき、作業が大幅に効率化でき、情報を共有化できるので認識の違い、ミスは大幅に減ると
思います。人間の記憶はあいまいなもので、どうしても「言った言わない」とか、記憶、認識にずれが
出がちです。そんなすれ違いを防止できるだけでも結構画期的です。それとMDマップって、1回でも作った
経験のある方はお分かりだと思うんですけど結構時間がかかって面倒なんですよね。そんな時間のロスを
減らしていければ余った時間でどんどんクリエイティブな方向に向かっていけるようになり、実際のMDと
しての企画の仕事を充実していけるようになると思いいます。元々新しい企画のアイデアにあふれた人が
実際にMDになってみると各書類や数字、確認作業に追われ、展示会を見て歩く時間も無くなり、市場調査
も当然行けず、結局トレンドが全く分からなくなってしまう、というケースが、本当に多々あるんです
よね。そんな状況から解放され、MDが企画に没頭できるようになればもっともっと面白い企画が世の中に
出てくるようになるかもしれません。そんな効率化を手助けするシステムがアパレル向けに開発された今、
今後に期待したいですね。

 

次に紹介するのはスクロールインターナショナルさん。まずは写真をご覧ください。

 

このブースの写真だけを見て何の会社か想像するのは難しいかもしれませんが。生成AIを使って画像を加工
するシステムを運営している会社です。Tシャツを羽織った写真が1枚あるとします。このスクロールという
システムを使用すると、そのTシャツの丈、袖丈、色、柄、等の変更が簡単に行えます。更に無地の素材に
任意の柄、ワンポイント刺繍、等のモチーフのと追加も可能です。元の絵柄があれば複数の絵柄を組み合わ
せてオリジナルの図案を作成することも可能で、また、着用画像、物画像から平絵を生成することも可能です。
商品画像があればそれを自由にモデルに着せることも逆に着用画像のモデル変更も可能です。お客様が自分の
画像を登録すれば仮想試着まで可能になります。そこまでくると今までのデザイナー、スタイリスト、ECの
撮影の苦労はなんだったんだ、という話になりますが、いずれにしろ今までの手間ひまかかった作業が大幅に
短縮できることには間違いなく、またECでの「イメージ違い」、という返品理由も大幅に減ることが容易に
想像されます。仮想試着に関しては現在トライアル中ですが、いずれにしろ実用化、汎用化まではもうすぐ
のところに来ているのは間違いありません。このような新技術は従来のアパレルの仕事に多大な効率化、
リードタイムの縮小、イメージの具現化による企画の精度向上、無駄の削減、等様々な革新をもたらすことは
間違いありませんが、それ以上に新規に事業、ブランドを立ち上げたい方、個人で事業を始めたい方には多大な
メリットがあると思います。ネックになるのはお値段で、やはりこれだけの機能、性能のものだと1アカウント
3桁万円になってしまうそうなのでそうおいそれと事業の立ち上げと同時に導入できるものではない、という
ことですね。それでもこのシステムを導入する企業が増えるたびに値段は少しずつ下がっていくことが予想され
ますし、いずれにしろ時代はこのようなシステムを重用する方向に向かっているのは間違いありません。AIが
人の創造性の分野にとって代わるとは思っていません。AIに任せられるところはどんどん任せて人は人でいかん
なく創造的な仕事を伸長していけばいいと思います。ちょっと心配なのは逆にプロダクトが追い付かない、合成の
写真のみが先行し、ECで注文したは良いが現物は全く生産されていなかった、というようなことはあるかも
しれないなあ、と思います。これからは一般消費者にも一定レベルの審美眼と企業の真贋を見抜く知識が求め
られると思います。逆にある程度の知識と審美眼さえあれば便利で華やかな未来が待ち受けていることは間違い
ありません。これからもお互いにどんどん勉強していきましょうね。

 

最後にご紹介するのはan mayさんです。上海と東京両方にスタジオを持ち、超細版、レースをはじめとする柄物、
等、特徴的な商品を集め展開されています。まずは写真をご覧ください。

これでもかっていうくらいの超細版のニットの上にカラミメッシュのドレスを合わせています。後ろに見えるのも
ブークレ、起毛、リング糸使い、等特殊なものばかりです。これらを東京でデザインしながら上海の生産チームと
打ち合わせしながら生産、というインターナショナルなブランドです。一見ベーシックでいながらよく見ると非常
にこだわっている、という今はやりのコンセプトでブランドは貫かれています。もう一枚写真をどうぞ。

 

わかりにくいかもしれませんがニットパンツにデニム柄をプリントし、上に来ている針抜きニットは非常に軽く
薄い素材です。中国生産でいいものを少量から、というのは非常にめずらしい、というか今までにない試みです。
その割に値段もそれほど高くはなく、品質から考えたらむしろリーズナブルといえると思います。ファッションの
基本はみんなと同じものが着たい、というよりはみんなと違うものが着たい、という願望だと思うので、高品質、
少量生産、好感度、これがリーズナブルな価格でできるって素晴らしいですね。パターンがよくわかる方、とか
お仲間になれる方は募集しているそうなのでチャレンジする方はチャレンジしてみてください。中国語ができると
なお良いようです。

 

今回、ファッションワールド東京で、ハイタッチの極みとハイテクの極みのような両極端の企業の方にお話を
お伺いしてきました。どちらかが正しいとかどちらかが重要ということでなく、どちらの方面も両立していかない
と今後のファッションビジネスは成り立っていかない、ということだと思います。あくまでもハイセンス、
ハイタッチ、というような価値観を大切にしつつも無駄は無駄で極力省いていく。美術品を作成するのではなく、
あくまでも価値のある商品を作成し、その成果は売り上げでしか評価されない、というのはファッションビジネス
だけでなくすべてのビジネスに共通することです。自分の価値観、感性を商品を通じて共有していくこと、そのため
の手段、ツールは毎日の技術革新でどんどん揃いつつあり、それを活かしてより感性に、品質に、着心地に、こだ
わっていける時代が近づきつつあり、そのために新しいツールも情報もどんどん使いこなしていきましょう。

 

前回と2回にわたってファッションワールド東京のレポートをお届けしました。印象として出展者の9割が中国企業
かな、という感じで、しかもアパレルメーカーの出展がほとんどなく、日本のファッション産業やファッション合同展
の在り方について考えさせられるところが多い、というのが会場を見ての第一印象で、入場した時にはまさか2回にわた
ってレポートをお届けすることになるとは全く思ってもみませんでした。それでも各ブースを廻り、いろいろお話を
お伺いしていくうちに話がどんどん膨らんでいきました。やはりファッションが好きで、こだわりがあって、ファッ
ション業界で頑張っていらっしゃる方とのお話は楽しいものです。ファッション業界、いいですよ。みなさんが就職
してこの業界で活躍してくれるのを心待ちにしています。そのためにこれからも皆さんに少しでも参考になる情報を
伝えていきたいと思います。

 

次回はまた展示会の情報をお伝えする予定です。また面白いお話をお伺いできたらいいな、と思っています。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

 

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~就活室便り~#31 Your Time Is Gonna Come~ファッションワールド東京訪問記」1

~就活室便り~#31 Your Time Is Gonna Come~ファッションワールド東京訪問記 1

 

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。桜が咲いたのは良いんですけど
花粉と黄砂が満開で最近結構つらいです。杉が終われば次はヒノキと、今後さらに
辛いのが続いていきます。それから半年もすると秋のセイタカ花粉症が始まるので
つらい時期が本当に長いですよね。杉、ヒノキといえば日本を代表する建材なので
なくすわけにはいかないのはわかりますが、セイタカアワダチソウくらいはもう
少し本気で駆除していただいてもいいような気はしますけどね。この前街を歩いて
いたら街頭演説をしていた某政党の次期候補者が、杉を花粉の出ない、もしくは
出にくい品種に植え替える、という話をしていて、花粉症も遂に政争の具にされる
時代になったんだな、と痛感しました。日本中の杉が花粉の出にくいものへ植え替え、
ってそう簡単にできるものとは思えませんが、花粉症に対する理解がより進む手助け
にはなればいいな、と思います。特にお年寄りで花粉症のつらさをなかなかわかって
いただけない方って、いらっしゃいますよね。目、鼻だけじゃなくて頭皮から体中
かゆくなったりします。これがなければ春って一番良い季節だったりしますよね。
まあとにかく今のところはポケットティッシュは必ず3個かばんに入れて持ち歩く
ようにしています。大量飛散の日って、玄関を出たとたん、思わず笑ってしまうの
ですが、いつかは福が来るようお祈りしたいですね。

 

今回は3月26~28日、東京ビッグサイトで開催されたファッションワールド東京の
レポートをお送りしたいと思います。この展示会は出展企業が550社、来場者2万人
というファッション関連の展示会としては最大の規模を誇ります。そんな大規模な
展示会でいったいどんな出会いがあるか、楽しみにして訪問しました。結果数社から
お話をお伺いすることができましたので、その一部だけでも紹介したいと思います。

 

まず最初にお伺いしたのはローブさん。ローブさんといえばアパレル業界では知ら
ない人はいない、と言ってもいい会社です。一般知名度はそんなに高くはないかも
しれませんが、とにかくヒットアイテムを毎年多数抱えるアパレルであります。
そんな会社の基本理念をよく表しているのは企業ホームページに載っている次の
言葉だと思います。

 

目まぐるしく移り変わるファッションの動向をいち早くキャッチし、
「高品質・好感度の商品をタイムリーに適正価格で提供する」ことが
私たちの使命であると考えています。

 

まさに言い得て妙ですね。まずは写真をご覧ください。

写真右のブラウスはリバティ社のプリントをしているのですが、リバティプリントの
生地の年間使用量はもう長い間日本でずうっとトップの座を守っているそうです。
そのこともすごいですが、現在でも基本的に自社デザイン、自社パターン、生地を
発注して工場出しして作っているそうです。それが何か驚くことがあるのか、と思う
方が多いと思いますが、現在はそのものづくりを商社が代行するケースのほうが
圧倒的に多く、そうして商社が生産代行し、海外での生産が増えた結果がアパレル
製品の輸入率が98.5%、という数字になって表れているんだと思います。それどころか、
最初の企画、デザインまでも商社にお任せするODMという商売パターンが増えており、
ものづくりを忘れたアパレルが、特に大手では増えているのが現状です。昔ながらの
やり方を踏襲しているローブさんのようなアパレルはむしろ貴重な存在になってきて
いるといえると思います。他人任せでできた商品と自社で何回もサンプルに修正を加え、
やっとのことで完成した製品はどこが違うかというと、着心地とシルエットです。
服は立体的な商品なのでたとえ写真、WEBで見て同じシルエットに見えても実際
着比べてみると、作りこんだ方は細く見えても着やすかったり、実際に着た時のシル
エットが全然違ったりします。不思議なもので20歳前後のみなさんは何をお召しに
なってもそんなに差が出なかったりするのですが、これがあと10年も年を重ねると
シルエットの差が顕著になってきます。良いと思って試着してみたら何これ、と思う
ものもほぼ同じデザインでも他のブランドに行って試着してみるといいじゃん、これ、
と思うものがたくさんあります。自分のお気に入りのブランドって、こういうところ
からできていったりするので、結構年取るって面白いですよ。

すいません、ローブさんの話からだいぶ離れてしまいました。現在、国内での繊維製品
生産量が少なくなるにつれ、生地、素材も量だけでなくそのバリエーションも減少傾向
にあります。結局、生地の段階から別注していくしか自分たちのイメージずばりの素材を
手に入れる方法はないのですが、たいてい生地の最低生産可能量は作ろうとする製品の
生産枚数より多いことが多く、その最低生産数量をこなせなければ、アップチャージを
払っての生地生産となり、しかもそういう商品は繁忙期には作ってもらえないのでローブ
さんのモットー、「タイムリーに適正価格で」、ということが守れなくなります。対策と
しては売れる商品を作ること、そしてしっかり売り切ること、という単純に見えて実行が
かなり難しいことを毎日、毎週、毎月、毎シーズンこなしていくしかないのです。そんな
商品のバリエーションの一部を下の写真からご確認ください。

 

写真が少し小さめなのですが、右のほうに見えるイエローのチェックも左のほうのシャギー
ニットも全部別注素材だそうです。白黒などのよくあるチェックならまだしもイエローを
別注するって、結構度胸のいることですが、事前の市場調査、顧客の嗜好分析、デザイン、
パターンへのこだわり、適正価格で全社員が率先して販売、と、そういう要素がそろって
やっと企画が完成する、という好例と言えると思います。たとえどんな規格が素晴らしく
てもそれが商業ベースとして成り立つ、ということは並みの努力ではできることではない、
ということを覚えておいてください。ただ自分の作りたいものを作る、というのとそれで
稼いで食べていく、というのは似ているように見えて全然違います。ものづくりの難しさ
を今まで何回も紹介してきましたが、売れるものを作って儲けるって、もっともっと難しい
ですよ。鈴木光司の小説「ループ」の中で主人公がとある人物に世の中で一番大切なもの
は何か、と問われるシーンがあります。その答えというのは、「世の中で、一番大切なの
は予算だよ。」というものでした。現在、本が手元になく、ひょっとしたら予算じゃなくて
コストだったかもしれません。いずれにしろ服1枚作ろうと思った時、自分で羊の毛を刈る
わけでもないし、糸を撚れるわけではないし、機を織るわけでもないし、結構自分ひとりで
できることって限られています。あとは各部門の方たちとのお付き合いときちっとした
お支払いが必要になります。そんな実際のものづくりを覚えられる機会があったらなあ、
と常に思っているのですが今の段階ではまだ課題としておいてください。今少しづついろんな
企業様と相談させていただいています。

すいません、またまたローブさんから離れてしまいました。そんなよく作ってよく売る
ローブさん、それゆえ会社の規模に比べてパタンナーの数はかなりの人数らしいです。
パタンナーを目指す方、一度お考えになってはいかがでしょうか。ただし、職場は本社の
ある大阪ですよ。ローブさん以外でも大阪のアパレルでは結構パタンナー職の求人があったり
します。日本第二の都市ではあるので、パタンナー職を目指すみなさん、大阪の企業を一度
候補に入れて考えてみましょう。かなり就職先の幅が広がりますよ。当然ローブさんでは仕事の花形、
営業職の募集をしています。ここで働けば売れる商品ってどういうものなのかはっきり学べると
思います。学べれば売れる商品の企画もできるようになりますよ。将来自分のブランド立ち上げ
たいと思っている方も学べるものは多いですよ。そんなローブさんをまず紹介させていただきました。

 

次にご紹介するのはラブ・ラボさんです。Tシャツを中心に各種商品を展開していらっしゃい
ます。まず代表的な商品の写真をご覧ください。

ソフトクリームのTシャツですが、クリームの部分だけが発泡プリントで立体的に盛り上がって
います。隣の黒いTシャツもプリント部分は立体的な仕上がりとなっています。最近Tシャツの
製品プリントを手掛ける会社は都内でもかなりの数に上るのですが、たいていは転写なら転写、
シルクスクリーンならシルクスクリーン、と手法は決まっていて、加工の方法は限られるのですが、
シルクスクリーン、転写、インクジェット、など各種の手法が選べ、発泡、グリッター、ホロ
グラム、等立体的な表現にまで対応している会社はあまりないと思います。生産は香川の自社工場
で製版から染色、加工まで一貫でこなしているとのことで、かなりの幅の商品に対応されています。
もう一枚写真をどうぞ。

こちらもかなりの立体感のあるプリントです。これらすべて顧客のイメージから図案を作成し、
商品化までもっていったもので、そのお客様のアイデア、声をいかに具現化していくかがラブ・ラボ様
での仕事のポイントとなります。グラフィック・デザインが得意なだけではなく、それをTシャツの
上で、どのような染色方法を使って、どのような仕上がりにしていくか、というような染色技術の
知識も当然必要になってきます。学ぶことは多いですが、やはりここでもお客様の要望を引き出す
コミュニケーション能力が問われることになると思います。イメージの具現化って言葉でいうのは簡単
ですけど実際にはかなり難しい作業ですよ。これもまた立派なクリエイトの一つです。基本的にTシャツの
型自体は数種類の中から選ぶ方式になっていて、デザインを加えたり修正することはできませんが、
柄には無限大にアイデアが詰め込めるので、とても面白い仕事だと思います。色、柄、グラフィック
デザインに興味のある方、ラブ・ラボさんの染色加工は香川工場で進行していますが、お客様との
コンタクトや図案作成は東京本社での仕事がメインになると思いますので、そんなお仕事に興味のある
みなさんはどんどん挑戦してみてくださいね。

 

、となんだか2社の紹介のみで今回は紙面が尽きてしまったようです。最近採算ベースのものづくりを
いかに学生に教えていくか、ということに非常に興味があり、そんな話を春休み中に数社と話す機会が
あったりして今回はその話が長くなってしまいました。それとやはりすべてに関してコミュニケーション
能力が絡んできます。コミュニケーション能力、十言っても話術がたくみとか、人付き合いが得意とか、
そんな必要は全くありません。大事なのは自分の考えを人に伝える努力と、人の話を聞き、その話を理解し
共感する力だと思います。口下手、話下手、あがり症、そんなことまったく気にしなくていいんですよ。
それ以上にいかに自分の思い通りにものづくりを完成させるか、そしてその良さをどうしたら一人でも
多くの方にわかっていただけるか、そのために努力していれば必ずコミュニケーション能力は後から付いて
きます。授業でアンケートを取ってみても自分に足りないものは、との問いにほぼ9割の学生がコミュニ
ケーション能力不足、と回答します。でもうまいスピーチなんて特に若いうちは本当に必要ないんですよ。
それよりどうしても自分はこれがやりたいんだ、ということを人に伝える努力だけは惜しまないでください。
そしてそれだけ情熱を傾けられる“やりたいこと”を大切にしてください。それさえあれば、いつか必ず何とか
なります。以心伝心、とは言いますけれど、黙っているだけではやはり何も伝わりません。言葉がいくら
稚拙でも、伝えようと努力すれば思いは必ず伝わります。そうして年月を重ねれば話なんて必ずうまくなり
ますよ。コミュニケーション能力の第一は伝える気持ち、相手の気持ちを察する心です。そんな気持ちを
大事にしていろいろチャレンジしていきましょう。いつかは必ず何とかなりますから。

 

なんか展示会レポートからだいぶずれたところもありましたが、最近いろいろ考えていたことを今回訪問
してさらに思いを深くしたところがある、ということで理解してください。次回はその他のブースを回った
時のレポートをお送りしたいと思います。頑張っていきますよ。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

4/20に開催予定です。

 

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~就活室便り~#30 Chance Meeting ~TRANOI TOKYO訪問記

〜就活室便り〜#30 Chance Meeting~TRANOI TOKYO訪問記

 

こんにちは。就活室のHANAZONOです。いっきに暑くなったり肌寒い日があったりと
なんだか毎日忙しいですね。春物を着て春を満喫したいところですが、なかなか厚手の
ものもしまってしまうと寒の戻りがつらく、結局服のスペースが大爆発してしまってい
ます。厚手のものはかさがはるのでしまってしまうとかなりすっきりしてしまうのですが、
かといって寒い日に辛いという、なんか難しい日々が続きますね。昔は早めにすべて春物
に替えて寒い日は我慢して乗り切ったんですけど最近は年も取り、まず耐えるとか我慢する
とかの気力がなくなってきました。この前久々に渋谷へ行ったんですが、そんなに暖かい日
でなかった、というかむしろ肌寒い日だったにもかかわらず外国人観光客の方々がみんな
半袖で、ちょっとかなわないな、と思いました。私は半袖まではあと数か月かけたいと思い
ます。春物、長く楽しみたいです。

 

今回は3月18、19日の両日に行われたTRANOI TOKYOについてのレポートをお送りしたい
と思います。主催はプルミエール・ヴィジョン・ジャパンで、本家パリのTRANOIはパリ・
ファッションウイークが唯一公式に認める合同展示会です。そんなTRANOIが日本に進出して
前回の9月に引き続き今回が2回目。欧米ブランドのアジア進出の足がかりとして、そして日本の
ブランドの海外進出の起点として企画されており、それゆえ海外と日本の出展社数はほぼ50:50
になっています。そんな展示会に今回お邪魔し、いくつかのブースにてお話をお伺いしてきました。

 

まず最初は聖林公司さん。ブランド「BLUE BLUE JAPAN」を展開していらっしゃいます。
最近触れることの多い藍染めにこだわったブランドですべて日本製、綿、麻といった天然植物
繊維だけでなく革製品も藍染め、スポットライトの下ではよくわかりにくいのですが黒い革ジャン
かと思ったら濃い藍色だった、とかこだわりの製品ばかりです。染色でも十分凝った藍染め、という
企画だけでなく、パッチワーク、刺し子、ニードルパンチ、等様々な技法を凝らしてなかなかマネの
できない独自の製品を展開していらっしゃいます。写真でどうぞご確認ください。

ニードルパンチ、ジャガード、型押し、ムラ染め、グラデーション、等様々な技法のオンパレードですね。
この角度だと藍がわかりにくいのでもう1枚写真をどうぞ。

麻や綿がやはり多く、基本的に藍だけでこれだけのバリエーションを展開できるのか、とちょっとびっくり
します。今後新しいデザインはどんどん増えていくようでパタンナー、そしてMDの募集も行っていますので
一度店舗を見ていただいていいな、と思えばエントリーをどうぞ。その他店舗でのアルバイト等も募集して
いるようなので、ご興味のある方はどんどんコンタクトしてみてください。藍染め好きにはいろんなチャンス
がありそうですよ。

 

次にご紹介するのはイサルティ・ジャパンさん。元々高級テーラーとしての歴史が長く、高級紳士服作りには
定評があった会社ですが、近年その技術を活かして新ブランドを展開されています。写真をご覧ください。

写真だとそこまではわからないと思いますが、生地は基本的にロロピアーナをはじめとするイタリア製それを
大胆に細かいプリーツをかけたり、デザインも若めのデザインとし、確かに全く他社にはない製品になっています。
縫製は日本もしくはイタリアで、クオリティも完成度も素晴らしいです。そして値段も当然素晴らしいです。富裕層
以外おいそれと手を出せるものではないですがそれはそれ、その価値のわかる人に少量生産し、お渡ししていくって、
やっぱり素晴らしいですよね。まさしくいいものだけを銀座から、という世界です。また、アイドルグループ「ファン
トム・シータ」の衣装も手がけていて、スタイリスト志望の学生のインターンもあるみたいですよ。ファントム・シータ
のファンの方も一度コンタクトご検討なさってはいかがですか。ちなみに私はこのグループは存じ上げませんでした。
申し訳ございません。これから勉強させていただきます。

 

次にご紹介するのはURUHさん。ブランド名は閏年の「うるう」に由来するそうです。こちらも素材、縫製、糸に至る
まですべて日本製、しかも日本の各産地の特色を活かした素材を使用しています。まずは写真をご覧ください。

トルソーに着せているコットンシャツは実は襟元にブレードが入っていて調節が可能で様々な着方が可能に
なっています。スカートの方もただのワッシャーではなく繊細な楊柳ベルベットを使用していて、グラデー
ションになっている染め方も1枚1枚何回も吊り染めを繰り返すことによって表現しているとのことです。
その他の素材もみな凝ったものばかりで、その一部を下の写真でご覧ください。

 

真ん中のスカートは実は隠しホックがいろんなところについていて、ロングから写真のような形にまで
いろんなスタイルでの着用が可能です。生地自体はジャガード織で、透け感素材、ラメ使い、等いろんな
技法を一度にぎゅっと詰め込んだ素材、デザインになっています。

現在、国内の生地生産は繊維縫製品の98%以上が輸入品となった今、どの産地でもピンチ、転換期を迎え、
なかなか生地在庫を持つほどの余裕がありません。テキスタイルコンバーターにも同じことが言え、なか
なか新しい企画、特に変わった、面白い素材を探すのは骨の折れる作業です。そんな面白い素材がこの
URUHさんにお伺いするといっぱいあふれているじゃないですか。いったい、どこでどうして生地を集め
たのかお伺いしたところ、全部別注で、まず生地を作るところから企画は始まっているそうです。そこで
さらに疑問が広がります。

私も以前テキスタイルの企画をしていたのですが、各産地、機屋の生産担当の方っていうのは本当に昔
ながらの職人さんで、ちょっと難しい注文をしたりすると、「そんなもん、できっかいな!」と大声で
開き直られるケースが多く、要望を通すのに散々苦労させられました。私が企画をしていた時の会社の
規模は大きく、一度の発注はかなりの数になるんですが、それでも産地の職人さんたちはなかなか要望を
聞いてくれず、怒鳴られ、怒られながらも何とか要望に近いものを作ってもらうのは本当に大変でした。

URUHさんは女性二人の会社です。ブランド立ち上げからの日も浅く、上代も決して安くはなく、という
ことは生地の発注も昔の私の発注よりは多いはずもなく、それが全部オリジナルの素材で構成されています。
なんかそれってすごく大変じゃないですか、ってお伺いしたらやはり大変らしいです。電話での依頼だと伝わ
らない、断られる、電話を切られる、ということが頻繁にあるそうです(やはり時が経ったとはいえ職人さん
がいきなりホワイトになるってことはありえないんですね)。そこで生地の依頼はすべて現地に赴いてお願い
しているそうです。なんか軽く言っているように聞こえるかもしれませんが、代表的な産地だけでも米沢、
桐生、新潟、石川、福井、愛知県一宮市、浜松、大阪泉佐野、兵庫、丹後、京都、等々全国各地に及び、その
産地ごとに数十件の機屋があるわけですからまさしく全国行脚、しかもデザインはじめ規格のすべてはデザイナー
の大森さんにかかっているわけですからその仕事量は推して知るべし、ですね。いずれにしろ企画が良く、
発注が生地の生産最低数量を確実にこなし、その製品が売れて支払いがきちんとしている、というこの全てが
そろっていないと生地なんてオリジナルで頼めるものではありません。CEOの松山さんと合わせて、最高の
コンビになっている、といえると思います。お二方とも前職はアパレル各社で過ごされたようですが、その時に
仕入れ先に独立の時は助けたい、という思いを抱かせるような接し方をされていた、というのも大きな要因に
なっているでしょうし、何にせよやはり情熱が周りの人を動かしている、というのが大きいんではないでしょ
うか。みなさん、人には優しく、伝わるのは情熱ですよ。みなさんの中で、将来自分のブランドを立ち上げたい、
という夢を持っている方がかなりの確率でいらっしゃいます。それには基礎からものづくりを学ぶこと、特に
(立場の弱い)仕入れ先を大切にすること、情熱をいつまでも持ち続けること、これが何より大切なことだと
思います。亜アパレル企画の原点を見せていただいたような気がします。たった二人の会社なので、お二人の
コンセプトに賛同していただける方、募集中ですよ。みなさんもご興味を持ったらURUHさん、調べてみて
ください。

 

次のご紹介はCOQさんです。テキスタイルデザイナー梶原加奈子さんが立ち上げたブランドで、自然から
インスピレーションを得たという靴下、ウエア、インテリア雑貨、等各種の商品を展開していらっしゃい
ます。まずは写真をどうぞ。

やはりテキスタイルデザイナーということでとにかく全て配色がいいです。それでなければこのブースに
立ち止まらなかったかもしれませんが、全商品いい配色でしたよ。あまり商品の写真を大きく載せるのは
はばかられ、ちょっと小さいですが、それでもきれいな色だということはわかりますよね。実は日本では
本当にきれい目のミックス配色って、本当に少ないんです。モノトーンとか、ど派手って、結構多いんで
すけどね。

 

自然からのインスピレーションがこの会社のテーマになっていて、北海道ではそんな自然派ホテルまで
経営していらっしゃいます。ホテルが先でそこでの販売用にニットを始めたのか、生地が先で、ホテルが
後かはよく存じ上げませんが、いずれにしろテーマは一貫していることは間違いないです。現在なんでも
値上がりでそんな時は特にいろんな色が控えめになりがちなので、明るい色で世の中を照らしていただき
たいですよね。

、というところで時間切れになってしまい、もう一軒、Parc1さんの写真を撮り忘れてしまいました。
その代わりにいただいたパンフレットだけでもご紹介出来たらと思います。

 

 

市場調査で渋谷西武にお伺いしたときはいつも拝見していたのですが、この合同展でまさかお会いできる
とは思いませんでした。お話も非常に貴重な内容のことを拝聴し、まさしく次世代を担うデザイナー、
パタンナー、スタイリスト、衣装制作、MD、バイヤーを目指す学生たちに聞かせたいお話ばかりでした。
詳しく書きたいところですが今回このPark1さんだけブログ掲載の許可も写真も間に合わなくなってしまった
ので、いずれは講演をまず依頼し、別の機会に詳しくご紹介させて頂ければと思います。

 

元々はちょっと軽く館内を廻ってほかの展示会とともに少し触れさせていただけたらな、と思っていた
TRANOI TOKYOでしたが、結局時間が足りなくなってしまうほどいろんなお話を各ブースでお伺いし、
なんだかまとまりもないレポートになってしまったことはお詫び申し上げます。海外を含めるとファッション
関係の展示会は年間かなりの数が開催されており、どこの展示会は良いだとか、どこは行く価値がない、
とかその手の話が業界関係者の間では毎日のあいさつのように交わされています。しかしいつも思うのは
その展示会の良し悪しって、実際行って、見て、触って、話してみないと分からないことですよね。行って
初めて行く価値のない展示会だったかどうかわかるわけで結局足で稼ぐのがこの業界です。とにかく行って
探してみる、ほしいものがあれば行って作ってもらう、いい商品は行って買ってもらう。ファッション業界に
属している限りは常にアクティブでありたいですね。みなさんもどんどん動きながら考え、考えながら動き
ましょう。一人でいつまでもインドアで考えてても煮詰まりはしますが解放はしません。偶然の出会いを求めて
どんどん外に出ていきましょう。きっと何とかなると思いますし、私の場合もいろいろ奇跡的に何とかなって
きました。みなさんもきっと何かの出会いが、発見があると思いますよ。応援しています。頑張って歩き続けて
ください。

 

次回も新しい出会いを求めての展示会訪問記をお届けする予定です。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作の就職はtfac

 

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4/5 に開催予定です。

 

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